OH-6 (航空機)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
OH-6はアメリカ合衆国の航空機メーカー、ヒューズ社が開発した小型ヘリコプター。アメリカ軍における愛称は「カイユース」(Cayuse)。
目次 |
[編集] 概要
1960年にアメリカ陸軍が行った軽観測ヘリコプター(LOH)の審査にヒューズ社が応募し、ベルエアクラフトとヒラー社を破って合格したものである。1965年から量産型が採用された。キャビン形状から「フライングエッグ(空飛ぶ卵)」の別名でも呼ばれている。初期型OH-6Aは尾翼がV字型をしていたが、OH-6Dでは安定性を高める為にT字型に改良された。後にヒューズ社はマクドネル・ダグラス社と合併し、同社は民間向けモデルMD500として販売した。この名称でも知られている。A/MH-6 リトルバードと呼ばれる特殊部隊向けモデルもあり、アメリカ陸軍第160特殊作戦航空連隊で使用されている。米軍では退役が進んでいるものの、軍用、民間用としてまだ一部で使用されている。
[編集] 日本での採用
日本では川崎重工業がOH-6Aの日本向けOH-6Jをライセンス生産し、1969年(昭和44年)から1979年(昭和54年)まで陸上自衛隊が観測機として117機、海上自衛隊が教育用に3機を導入し、海上保安庁でも採用した他、民間機としても販売した。同年からはOH-6Dに切り替えられ、1997年(平成9年)の生産終了までに陸自に193機、海自に14機を納入し、海保、民間用なども生産した。川崎での述べ生産数は387機に上る。
川崎での生産終了後、海自では機体数が足りないことから、MD500を4機輸入し、OH-6DAとして教育に使用している。陸自では2001年(平成13年)から後継機、川崎OH-1の導入が進められているが、年間調達数が少ないことから、しばらくはOH-6Dの運用が続けられる見込みである。なお、2002年(平成14年)には大分県玖珠町上空で2機の陸自OH-6Dが訓練中に衝突、墜落する事故が起きた。
海上自衛隊OH-6D/DAの後継機として、アグスタ・ウェストランドA109とユーロコプターEC135が提案されている。後継機は2017年(平成29年)までに15機が調達される計画で、OH-6はそれまで運用され続ける。
[編集] 性能・諸元
OH-6D
- 回転翼直径:8.05m(5枚ブレード)
- 胴体全長:7.23m
- 全高:2.73m
- 自重:538kg
- 全装備重量:1,361kg
- 最大速度:281km/h
- 巡航速度:239km/h(MD500は254km/h、他は同じ)
- 航続距離:430km
- 実用上昇限度:4,450m
- 乗員:1名(乗客3名)
[編集] 登場作品
- ゴジラ2000 ミレニアム
- ガメラ2 レギオン襲来
- 宣戦布告
- ブラックホーク・ダウン(2001.米)