NHKの不祥事
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NHKの不祥事(えぬえいちけーのふしょうじ)。この記事では日本放送協会(NHK)で起きた問題のある出来事を取り上げる。
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[編集] 概要
NHKはテレビを所持している国民から貰う受信料で運営されており、特定の団体や人物に偏った報道は禁止されている上、営利活動は制限されているにも関わらず、民間企業から金品を受け取ったり、特定の政治家に対する「配慮」を行ったりするなどのケースが多々見られる。また、職員による横領が異常に多いのも特徴であるが、民間企業なら即懲戒解雇になるような事例においても謹慎や有期限停職などの常識外の甘い処分で済ます事例が多々見られたものの、世間でNHKの異常な体質が糾弾され、受信料の支払い拒否が増えた近年になってようやく懲戒免職になるケースが増えてきた。
しかし、ここに取り上げられたように世間に暴かれた不祥事は氷山の一角で、実際にはまだまだ穏便にされたままの不祥事があるとの指摘も多いことから、ペイパービュー制度への移行や民営化、大幅リストラなどの組織改革の必要性が叫ばれている。
(NHK民営化も参照)
[編集] 2003年以前に発覚したもの
- 1976年8月24日、当時の会長・小野吉郎がロッキード事件で逮捕され保釈中だった田中角栄を見舞ったことが問題となる。小野は日本放送労働組合の運動などにより辞任に追い込まれた。
- 1981年2月4日、『ニュースセンター9時』で放送を予定していた特集「ロッキード事件五年-田中角栄の光と影」で政治関連部分の一部が突如、当時報道局長だった島桂次の業務命令で放送中止に。
- 1991年4月、放送衛星の打ち上げ失敗の問題を巡って、当時の会長・島桂次が国会の逓信委員会で滞在場所について虚偽の答弁をしたことが問題となり、7月に会長職を引責辞任した。
- 1992年に放送されたNHKスペシャル『禁断の王国・ムスタン』にやらせがあった。同番組の制作にあたって、日産自動車の協賛(自動車2台と1000万円以上と言われる資金)を受けていたことが発覚。
- 1997年から2000年にかけて行われた『BSジュニアのど自慢』のチーフ・プロデューサーが番組製作に協力したイベント関連会社社長に4888万6600円を支払い、その一部を返金させ、使った。手口としては番組に参加していない放送作家が参加したように見せかけた。NHKはチーフプロデューサーと会社社長を詐欺で告訴した(チーフプロデューサーとイベント会社社長は詐欺容疑で2004年12月4日に逮捕され、同年12月24日に起訴された)。
- 1999年の『紅白歌合戦』に出演したバンドの事務所に745万5000円を余分に支払った。
- 1993年から1997年にかけて、当時のソウル支局長が、韓国の番組製作会社にNHKに対し多額の請求をさせ、その製作会社から返金をさせた。この事件により支局長は不正な経理について処分を受けている。NHKは返金された金は取材費などに利用したとして、支局長に返金を求めていない。
- 「宇宙新時代プロジェクト」に所属していた職員2人がカラ出張。
- 2002年4月28日に放送されたNHKスペシャル『奇跡の詩人』で、取り上げられた治療法に科学的根拠がほとんど無いことがインターネットを中心に指摘された。また、関連書籍を発行した講談社とのタイアップ疑惑も指摘された。
- 2002年12月28日に大阪放送局の下請業者が『ゆく年くる年』撮影照明ライトを固定するため、東大寺の鐘楼(国宝)に釘を打ち込んだ。
[編集] 2004年に発覚したもの
- 2004年の7月から8月に開催された『プロジェクトX~挑戦者たち~』に関するイベント「プロジェクトX21」をめぐり、NHKは取り上げられた企業に資料の提供と「協賛金」を要請した。関西電力などの企業としては「広告費」として支出したが、これでは宣伝になるのではないかと指摘されている。
- この他、『BSジュニアのど自慢』に関する不祥事も発覚している。
- ~2004年、職務が変わらないにもかかわらず、年功的に昇給する「わたり」や昇給短縮が給与慣行として行われている現状を、衆議院総務委員会において公明党の河合正智議員が指摘。
不祥事を受けて、2004年9月9日に衆議院総務委員会では海老沢勝二会長の参考人招致を行ったが、普段は国会を中継するNHKがこの日だけは「編集権の問題」として中継せず、東京MXテレビとテレビ神奈川が京浜地区で生中継を行った。
2004年9月11日に総合テレビとラジオ第一放送で1時間の謝罪番組が放送され、総務委員会の様子の一部が放送された他、海老沢も出演し謝罪した。また、同年12月4日放送の『NHKニュース7』でも一連の制作費不正支出事件に関してのお詫び放送に出演した。
同年12月19日には『NHKに言いたい』というタイトルで視聴者からの声を海老沢と外部の有識者の出演で放送。海老沢は9月9日に国会の参考人招致を生中継しなかったことを判断ミスだったと陳謝し、NHK再建に向けて取り組んでいくと表明した。
しかし、相次いだ不祥事で視聴者の信頼を回復できず、2005年1月25日に会長を辞任したが、顧問に就任。週刊紙等で多額の退職金および顧問料が支払われると報じられ、批判を浴びた。
[編集] 2005年に発覚したもの
- 2月10日、1998~2002年にシンガポール駐在事務所に特派員として派遣されていた職員2名が契約カメラマンの報酬金額を水増ししてNHKに報告していた。総額は795万円に及ぶ。これを受けてNHKは職員2名に対する懲戒停職処分(国際放送・NHKワールド・ラジオ日本のチーフプロデューサーに対し停職6ヶ月、放送総局・解説委員主幹に対し停職3ヶ月)にすると共に、上司だった当時のバンコク支局長ら2人に減給、当時の報道局長ら5人に対しても厳重注意処分を行った。
- 5月19日、NHKはスタジオセットのCG作成に絡み、計約470万円の経費を着服したとして、番組制作局映像デザイナー部の職員(39)を26日付で懲戒免職処分にすると発表した。この職員はCG作成を外部に注文したように装い、4回に渡って委託料を着服した。内2回は元チーフプロデューサーの番組製作費詐欺などの一連の不祥事が明らかになったにもかかわらず続けていた。
- 5月22日、『プロジェクトX~挑戦者たち~』第171回(5月10日放送)の「ファイト!町工場に捧げる日本一の歌」で、取り上げられた大阪府立淀川工業高校の当時の状況について、事実に反する描写がされていた事がOB達からの指摘で発覚。NHKはコンテンツ掲載の一時保留、再放送の再検討を表明。その後視聴率が悪化したため番組自体も12月28日で打ち切りとなった。
- 11月2日、銃刀法違反で逮捕されて罰金10万円の略式命令を受けた横浜放送局の職員(53)が出勤停止2日の懲戒処分を受け、直属の上司ら2人も厳重注意の処分を受けた。
- 11月5日、休職中だった大津放送局の記者(24)が大阪府岸和田市内での放火未遂容疑で逮捕。4月から5月にかけて滋賀県大津市内で起こった一連の放火を自供した。この記者は12月16日付で懲戒免職処分となった。
- 11月15日、 紀宮清子内親王と東京都の職員である黒田慶樹の結婚の模様を中継する際に宮内庁から自粛要請が出されていたヘリコプターによる空撮を実施したとして、その後の記者会見にてNHK記者2人が会場から閉め出される(NHKによる代表撮影は予定通り行われた)。
[編集] 2006年に発覚したもの
- 4月11日 報道局スポーツ報道センターのチーフプロデューサー(43)
- カラ出張を約240回繰り返し約1700万円を着服。
- NHKは、当初内部調査により発覚と発表したが、その後外部からの指摘であった事が判明。
- 処分は懲戒免職。カラ出張の内11万円分について、詐欺と詐欺未遂で刑事告訴(6月13日)。
- 4月25日 番組制作局(当時)ベテランプロデューサー
- 総合テレビの番組『爆笑オンエアバトル』DVD化に絡み、4年間、制作会社から交際費として現金280万円を受け取る。
- 所得として確定申告もしていなかった。
- 処分は譴責処分(6月14日発令)。刑事告訴は無し。
- 5月17日 横浜放送局の30代の男性職員
- 健康保険証の偽造や偽名を使用する事で、ホテルやスポーツクラブの割引サービスを不正利用。
- 処分は停職4ヶ月。刑事告訴は無し。
- 5月20日 富山放送局の放送局長(54)
- 富山市内のホームセンターで5000円相当の商品を万引きしたことが10月になって発覚。NHKはこの局長を更迭し、停職3ヶ月の処分とした上で、この放送局長から出されていた退職願を受理した。
- 5月26日 山口放送局の放送局長(54)
- 出張旅費で不正な経理処理を行い約51万円(29件分)を着服。
- 辞意を表明したが、NHKでは退職を認める前に報道局付に異動させ、事実関係の確認を行った。
- 処分は停職1ヶ月。刑事告訴は無し。
- 6月2日 報道局副部長(47)
- 私的な会食の領収書を使って、計28回、約15万円を受領。
- 業務上必要な専門家による勉強会に28回参加し、その参加費用であるというが、NHKは個人が特定されるという理由で、参加したとされる勉強会や会費については非公開。
- 処分は減給処分(1日分の給与を半額にする)。刑事告訴は無し。
- 6月6日 スポーツ報道センター管理職(当時)
- 2000年から2001年にかけて出張経費5件分約8万円を着服。
- 処分は減給処分(1日分の給与を半額にする)。刑事告訴は無し。
- 同日 スポーツ報道センター職員(当時)
- 2001年から2004年にかけて出張経費7件分約10万円を着服。
- 処分は譴責処分
- NHKによる緊急調査により、不適当な支出が約300件見つかった事が6月6日発表された。
- 約260件分については非公表という事になる。
- 6月16日 NHKエンタープライズ
- 今年2月、新宿歌舞伎町でドラマの撮影を行った際に、暴力団関係者に現金10万円を渡す。
- 一部週刊誌に報じられた内容を元に、NHKが警察に調査を依頼。
- エグゼクティブプロデューサーを譴責処分
- 常務取締役とドラマ番組部長を訓告処分
- 6月21日 さいたま放送局の集金員
- 非常識な時間に集金する事を注意されたため、殴り、つばをかけ、全治5日の怪我を負わせる。
- 傷害容疑で逮捕。
- 6月23日 沖縄放送局の集金員
- 『NHK受信料拒否の論理』の著者である本多勝一について
- 「現在、滞納分も含めて全て払っている」と嘘の説明をして、視聴者から金を騙し取ろうとした。
- NHKは、本多が受信料を払っていない事を再確認し、受信料支払い拒否を続ける本多に文書で謝罪した。
- なお本多は自宅にテレビが有る事を著書の中で明言している。
- 6月29日 受信料集金委託先の20代の集金員(当時)
- 4月中旬、集金した受信料を不正に詐取。
- 5月中旬、退職後も、持ち出した個人情報を元に受信料名目で金を搾取。被害金額約5万円。
- 詐欺罪による告発を検討中。
- 7月21日 大阪放送局堺営業センターの男性地域スタッフ(40代)
- 自宅の私用パソコンにインストールされたファイル共有ソフトにより、個人情報223件を流出。
- 規則に反して自宅にて個人情報を保管していた理由について、NHKは(地域スタッフが)業務利用のために持ち出したと発表。
- 処分は不明
- 7月28日 NHKサービスセンター文化事業部の男性職員(38)
- 00~04年度にかけてNHK杯国際フィギュアスケート競技大会の当日入場券の売り上げなどを
- 管理する口座から約370万円を着服。
- センター側は、売り上げ明細の提出を義務付けず、口座のチェックを行わない等、管理体制がずさんであったため、
- 不正に気付かなかった。
- 外部からの問い合わせにより発覚。
- 処分は懲戒免職。刑事告訴を検討中。
- 11月22日 NHK報道局男性記者(31)
- 10月28日未明、中野区中央で自転車を盗み、酒気帯びのまま運転していた所を警察に職務質問され発覚。書類送検される。
- 処分は不明
- 12月12日 制作局ディレクター 男性(46)
- 12月11日午後6時ごろ、渋谷区の路上で大麻を所持していた為逮捕。覚醒剤の所持も認める。
- 処分は未定(12月13日現在)
- 12月17日 ライツ・アーカイブスセンターアーカイブス部の男性職員(30)
- 16日午後7時半ごろ、御茶ノ水―浅草橋駅間を走行中の普通電車内で、男子学生の臀部(でん部)を約3分間触った疑い。
- 学生が同駅で取り押さえ、署員に引き渡した。
- 酒は飲んでおらず、容疑を認めている。
[編集] これに伴う番組改編
これらの不祥事をふまえた上で、NHKでは経営体質の改善を図る一環として、2006年4月からの全面大改編を実施したが、それの準備として2005年10月と2006年1月にも番組編成の一部改編が行われた。
- 2005年10月改編では、総合テレビで10時からと16時からの放送を視聴者からの要望が多かった番組のアンコールに当てる。また『お昼ですよ!ふれあいホール』を廃止して、『スタジオパークからこんにちは』第1部として平日は『生中継ふるさと一番!』、金曜日のみ『金曜バラエティー』を編成した。
- 2006年1月には、『プロジェクトX~挑戦者たち~』の2005年12月での終了に伴い、『プロフェッショナル 仕事の流儀』を新番組として編成。また土曜日の22時から連続ドラマ枠、23時台にも新情報ワイド番組『つながるテレビ@ヒューマン』を新設するなど、夜間の番組も見直しが行われた。
- 2006年4月以後は『NHKニュース10』を事実上『NHKニュース9』と統合する新報道番組『ニュースウオッチ9』を設置する等の全面改正を行った。また、教育テレビジョンとデジタル衛星ハイビジョンの24時間放送(教育テレビ・深夜の『ETVライブラリー』など)を災害・地震などの緊急時や特別編成が行われる場合を除き中止している。なお、デジタル衛星ハイビジョンの独立型データ放送はこれまでどおり24時間放送を行っている。
[編集] 関連項目
[編集] 外部リンク
- 立花孝志-内部告発 - 元NHK職員の内部告発サイト
- NHK元職員の内部告発まとめ - 2chでの内部告発スレッドのまとめ
- NHK受信料を考える