駐輪場
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駐輪場(ちゅうりんじょう)とは、自転車の駐車スペースのこと。
自転車の駐車対策などについて定めた法律「自転車の安全利用の促進及び自転車等の駐車対策の総合的推進に関する法律」(昭和55年11月25日法律第87号)では、自転車と原動機付自転車の駐輪場を併せて「自転車等駐車場」と定義しており、地方自治体によってはこれに倣って「自転車(等)駐車場(じてんしゃ(とう)ちゅうしゃじょう)」と呼称することもある。大きな駅などの周辺で、地元の自治体などが住民への便宜または放置自転車対策のために設置、運営している。自転車の延長として原動機付自転車も駐車を可能としているところも多い。
駐輪場によっては、継続契約者は駅から近い場所に駐輪できるが、新規契約者は遠くの駐輪場へ割り当てるという方式を採っているため、無理を承知で駐輪場を利用せず、駅前周辺部に放置自転車として不法駐輪する者も多い。管理義務がないことが多く、「盗難や事故については責任は負いません」という掲示を出して責任を放棄しているような姿勢の駐輪場が多い。無管理ゆえに、安全を顧みず場内で疾走する原付や自転車の利用者のモラルも問題視されている。場内での事故も多い。
[編集] 運営・管理
- 公営の駐輪場
- 地方公共団体の外郭団体や委託を受けた業者が行う。近年では、指定管理者に管理させている場合もある。高齢者雇用対策の一環としてシルバー人材センターの派遣先になっていることも多い。
- 民営の駐輪場
[編集] 料金
無料である場合もあるが、乗降客の多い駅周辺などでは月契約で1,000円~3,000円程度、日契約(1回利用)は50円~100円程度の料金を徴収し、管理人を常駐させているところもある。 商店では基本的に無料のところが多いが、駅やバス停に近いところでは営業時間前から(閉店後も)通勤・通学客が駐輪することで買い物客が駐輪できない事態が増えているため、当初は無料だったものを駐輪ラックを設置して有料化するところが増えている。
その一方で有料駐輪場では30分~1時間程度の短時間で出場する場合や、商店でも有料化した場合は買い物や飲食の際に駐輪券への証明印や専用コインをもらうことで一定時間内なら無料とするところも現れた。
[編集] 構造
- 立体駐輪場
- ターミナル駅をはじめ、学校や住宅地に近い駅の駐輪場では利用客が集中するために多層化するところが多くなっている。定期利用者と一時利用者を階層で分けたり、駅前の再開発や区画整理でペデストリアンデッキと一体化したり、高架下を利用したりすることが多い。
- 地下駐輪場
- 地上に設置したくても周辺に適切な用地が確保できない場合に地下駐輪場を採用することが多いが、既設の鉄道を地下化した際や地下鉄を新規に敷設する際に地下空間の有効利用で駐輪場を設置することがある。地下駅への出入口を兼ねることもあり、駐輪場から自転車を出す際の労力を軽減するためにスロープにベルトコンベアを設置することがある。
- 機械式駐輪場