附属学校
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附属学校(ふぞくがっこう)とは、上級教育機関に附属する就学前教育・初等教育・中等教育を行う学校のことである。多くの場合、大学を頂点として、それ以外の下級教育機関を附属学校としているが、中には高等学校を頂点とし、中学校などを附属学校としているケースも存在する。また、ごく希に学校法人の組織形態が、高等学校を頂点として扱い大学をその附属であるかのようにしているケースも存在する。
法令上は「附属」が正しい表記であるが、「付属」と書く場合もあり、一部の私立大学の附属学校が「付属学校」と記載されることがある。 「附」は常用漢字に含まれるが、日本新聞協会の用語懇談会が不使用を決めたため、新聞記事などでは固有名詞以外の「附属」を「付属」と表記することが多い。
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[編集] 大学を頂点とするケース
[編集] 国立大学の附属学校
国立大学の場合、学部の教育研究活動の一環として設置され、往々にして実験校的色合いが強い。大概教育学部が母体となっているが、工学部、農学部、音楽学部を母体として設置しているところもある。
大学への進学特典は原則存在しない。なお、2005年度より東京工業大学附属高等学校から東京工業大学への特別選抜が実施されている。ただし、附属学校内部では一貫教育が行われ、高校入試に煩わされることも無いケースもある。また、教育内容のレベルの高さやユニークな取り組みから、特に大都市圏ではブランド校・進学校化する傾向が強い。
[編集] 公立大学の附属学校
公立大学の場合、少数ながら教育研究活動の一環として附属学校を併設しているところもある。ただ多くの場合、普通の公立高等学校と同じ学区割りや入試が行われ、実験校として役割が強い。
[編集] 私立大学の附属学校
私立大学の場合、大学までの一貫教育、早期教育を目的に設立され、母体となる大学ないし学校法人の校風を早い段階で身につけることを期待して設置されることが多い。また、学校法人の成り立ち経緯などから正式には「附属学校」ではない事例もある。附属学校の他に、大学の系属学校や併設学校があり、これらは附属学校とは設置の成り立ち、趣旨が異なるものである。従って、附属学校と混同して取り扱われるべきでは無い。
附属学校から大学への入学に関しては、試験の免除や優先的な取り扱いがなされる場合が多い。一方で一切の進学優先事項が無い学校と、優先進学はあるものの、卒業生の多くが他の大学へ進学する学校がある。 特に有名私大の附属学校はブランド校や最難関高校と呼ばれ、毎年多くの志願者を集めている。
[編集] 高等学校を頂点とするケース
学校法人内に大学が無く、もっとも上級の教育機関が高等学校である場合にこの形態が取られることが多い。また、公立高等学校と近在の公立中学校を連結し、6カ年一貫教育を実施する場合には中学校を高等学校の附属学校とすることが多い。