銚子電気鉄道
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銚子電気鉄道株式会社(ちょうしでんきてつどう)は、千葉県銚子市に鉄道路線を有する鉄道会社である。銚子電鉄あるいは銚電と略称される。本社所在地は銚子市新生町2丁目297番(銚子電気鉄道線仲ノ町駅内)。
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[編集] 概要
鉄道事業のほか、食品製造販売業、物品販売業も行う。とりわけ食品では、鯛焼き(観音駅)や銚子名産の醤油を使ったぬれ煎餅などを製造、販売しており、鉄道事業の赤字を補うまでになっている。特に「ぬれ煎餅」については、銚子駅や犬吠駅の売店、一部の高速道路のサービスエリア・パーキングエリアのほか、首都圏を中心としたデパートやJR東日本・京成電鉄の駅売店でも販売されている。販売店はホームページに掲載されているほか、通信販売も行っている。
[編集] 経営悪化
1990年1月に経営権が京成電鉄系の千葉交通から千葉市の総合建設業・内野屋工務店に移り、内野屋工務店社長で元千葉県議のU氏が社長に就任した。1998年6月に内野屋工務店が自己破産申請(781億円の負債を抱え込んで事実上倒産)を行い、県と銚子市が支援を行っていた。内野屋工務店の破産後もUが社長を務めたが2003年に解任され、2006年8月には業務上横領の疑いで逮捕された(横領総額約1億1000万円)。
業務上横領容疑の元となった借金は銚子電鉄名義で無断で行われた物であり、「自分が社長をつとめる建設会社の経営状態が悪化しており、鉄道会社の信用を使えば銀行からの融資が引き出せるだろう」との目論見で行ったものとされている。銚子鉄道名義の借金は、個人の借金返済に充てるなど、全額を着服している。またUは銚子電鉄社長時に自分の経営する工務店に大量の仕事を発注させて駅舎の改修工事をさせるなども行ったとされている。このことが県と銚子市の補助金を停止させ、さらに金融機関の融資凍結を招き鉄道経営に大きく響いた。
横領事件がもとで運転資金不足が生じ法定検査が出来ないことを会社自身がホームページで発表し、ぬれ煎餅などの購入を呼び掛けたことが日本各地で報道されたため、ぬれ煎餅の注文が殺到した。そのため製造が間に合わず発送も遅れている。この事態の悪化を避けるため通信販売は現在中止されている。
[編集] 歴史
※銚子鉄道は、1913年に現在の銚子電気鉄道の路線の銚子~犬吠間を開業したものの、利用不振から1917年に路線を廃止して解散した「銚子遊覧鉄道」の関係者が、再び路線を復活させるために設立された。詳しくは銚子電気鉄道線の項目を参照。
[編集] 路線
[編集] 車両
詳細は銚子電気鉄道線も参照されたい。
電車6両、電気機関車・客車各1両を所有する。
電車はデハ300・700・800・1000形、電気機関車はデキ3形、トロッコ客車はユ101澪つくし号で、このうち澪つくし号を牽引できる車両はデハ800・1000形である。澪つくし号は元国鉄ワム80000形有蓋貨車を改造した客車。2005年までは4月下旬~10月上旬の日曜・祝日と夏休み(7月20日前後~8月末日)は毎日4往復(夏休み期間を除く土曜日は1往復)運行されていたが2006年は一律日曜・祝日1往復のみ運行された。
またお盆の夜に運転されていた「サマーナイト澪つくし」も2006年は実施されていない。
なおデハ700形1両が一時期運用から外れていたが、現在は検査入場している。資金調達の難航から検査切れ後も検査が出来ず、やむなく運用から外していた模様である。