金太郎
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金太郎(きんたろう)は、坂田公時(さかたのきんとき、金時とも)の幼名。または、金太郎を主人公とする昔話、童話のこと。
なお、話の内容に関しては他の御伽噺の主人公と比べ、認知がかなり少ないようである(フジテレビ系列のテレビ番組「トリビアの泉」の調査によると、正確に認知している人の割合は約1.4%)。
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[編集] 歴史・伝承など
足柄山(相模国、駿河国境付近の山)出身で、山姥に育てられ、幼時より野山で獣と共に過ごし、怪力の持ち主として知られた。のち足柄峠を通りかかった源頼光にその力を見込まれ、「頼光四天王」の一人として、渡辺綱、卜部季武、碓井貞光と共に大江山の酒呑童子退治などに活躍したとされる。
実在は疑わしいともされるが、藤原道長の日記『御堂関白記』など当時の史料によると、下毛野公時という優秀な近衛兵(随身)が道長に仕えていたことは確かである。この公時が脚色されていったものらしく、頼光・道長の時代から百年ほど後に成立した『今昔物語集』では、公時の名の郎党が、頼光の家来として登場している。現在の金太郎伝承が完成したのは江戸期であり、浄瑠璃や歌舞伎を通して頼光四天王の怪力童子のイメージが定着していった。
鉞(まさかり、大斧)担いで熊の背に乗り、菱形の腹掛けを着けた元気な少年像として、五月人形のモデルとなった。この姿から、かつて日本各地で乳幼児に着用させた菱形の腹掛けもまた「金太郎」と呼ぶ。
また、息子の坂田金平は「きんぴらゴボウ」の名の由来で知られる。
兵庫県川西市の満願寺の墓、岡山県勝田郡勝央町の終焉地など各地に伝承がある。
また静岡県駿東郡小山町には坂田金時の生家あったとされる地に金時公園があり、その一隅には金時を祭った金時神社が建立されている。境内には金太郎が産湯を使ったとされるちょろりの七滝や、金太郎母子が深く信仰していたと言われる第六天社がある。
[編集] 童謡
「マサカリカツイデ~」で始まる童謡「金太郎」は、1900年に発表された「幼年唱歌」に掲載された(なお、間違えられやすいが「マサカリカツイダ~」ではない)。作詞・石原和三郎、作曲・田村虎蔵。
[編集] 派生用語
[編集] 鉄道
[編集] 道路
- 静岡県道365号足柄峠線の愛称『金太郎ふじみライン』
[編集] 漫画・テレビドラマ・アニメ・ゲーム
- 『スポーツマン金太郎』は、「週刊少年サンデー」(小学館)で連載された寺田ヒロオの漫画。
- 『サラリーマン金太郎』は、「週刊ヤングジャンプ」(集英社)で連載された本宮ひろ志の漫画。TBSで高橋克典主演でテレビドラマ化された。
- 『デュエル・マスターズ』では、難波金太郎というキャラクターが登場する。
- 永井豪のマンガ『手天童子』には主人公が平安時代にいき、金太郎となった旨の描写がある。
- 「週刊少年ジャンプ」(集英社)にて現在連載中の『銀魂』。主人公「坂田銀時」のモデル。
- Production I.G制作のOVA「怪童丸」。坂田公時が少女の設定。
- 「モータルコンバット」。「キンタロー」という名前のキャラクターが登場する