谷中 (台東区)
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谷中(やなか)は、東京都台東区内の地名。東はJR山手線、北は道灌山通り、西は不忍通り、南は上野公園に囲まれた地域で、谷中一丁目から谷中七丁目まである。
名前の由来は、上野と本郷の二つの台地の谷間に位置することから名付けられたといわれる。
上野戦争で被災したものの、関東大震災や第二次世界大戦では被害が少なく、昔ながらの町並み・建造物が残されている。
最寄駅はJR・京成線日暮里駅、地下鉄千代田線千駄木駅・同根津駅。
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[編集] 歴史
- 江戸時代、上野に寛永寺が建てられると谷中にもその子院が次々と建てられる。また、幕府の政策により慶安年間(1648年〜1651年)に神田付近から多くの寺院が移転し、明暦の大火(1657年)の後に焼失した寺院が移転してくる。寺の増加に伴い参詣客も増えると徐々に町屋も形成され江戸の庶民の行楽地として発展する。
- 政府軍と彰義隊による上野戦争(1868年)で多くの寺院が焼失する。明治時代、上野とともに下谷区に編入される。
- 1947年に23区制に伴い台東区となる。
- 1996年にNHK連続テレビ小説「ひまわり」(主演:松嶋菜々子)の舞台となる。
[編集] 名所・旧跡・名産
- 天王寺
- 五重塔の再建のエピソードが後に幸田露伴の代表作『五重塔』となる。
- 谷中霊園
- 谷中生姜
- 澤の屋旅館
- 何の変哲もない日本式の旅館で、主に地方からの修学旅行の学生が多く宿泊していたが、少子化やホテルへの志向が強くなったことによる修学旅行やビジネス客の減少によって経営が苦しくなり(利用客ゼロの日が3日続いたこともあったらしい)、これを打開するため、1983年頃に顧客ターゲットを外国人に変更して経営を立て直したことで有名となり、しばしばテレビなどで紹介される。施設自体はごく普通の繁華街にある、12室の和室と共同式浴場・トイレを持つ小規模の日本旅館であるが、旅行者用ホテルより宿泊費が安いことが外国のガイドブックに紹介されて外国人旅行者に広まったらしい。この結果、周辺に外国人向けの施設などがほとんどないにも関わらず、現在では事実上外国人宿(外国人の比率8割~9割程度)に変貌し、宿泊費を節減したい外国人の利用によって高い稼働率(92%程度と報じられる)を保っているといわれている。
- 夕やけだんだん
- JR日暮里駅から谷中ぎんざ商店街に続く道の途中にある短い石段が、この名称で呼ばれている。この石段の辺りには、いわゆる谷中猫(野良猫)が多数生息していて、昼間には観光客にエサを求めたり、ひなたぼっこをする姿が多数見受けられる。
[編集] その他
[編集] 関連項目
[編集] 外部リンク
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