行政職
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行政職(ぎょうせいしょく)とは、行政事務に従事する公務員の職に用いられる区分の一種である。厳密に定義すれば、国家公務員法あるいは地方公務員法上の一般職であって、かつ給与額の決定に当たって一般職の職員の給与に関する法律(一般職給与法)または各地方公共団体が制定した職員の給与に関する条例により規定される行政職俸給表(一)または行政職俸給表(二)(以下便宜のため「行政職俸給表」と総称する)の適用を受ける職をいう。
行政職俸給表というときの「行政」とは、試験採用時の種別にいう「行政」「法律」「経済」等とは関係なく、官公庁において一般的な行政事務に従事する職員の職に広く適用される俸給表であり、いわゆる事務職(事務官、事務吏員)のほか、「土木」「農学」などの試験区分から採用される技術職(技官、技術吏員)もここでいう行政職に含まれる。
行政職俸給表を適用される者の中では、採用時に合格した試験の区分が初任時の決定される当初の給与額を左右するほか、その後の異動や昇進に影響するシステムが取られているのが普通である。このため、同じ国または地方の機関に勤務し、同じ行政職に属する職員の間でも、試験採用時の種別によって機関内部で区別されている。
この試験区分は、試験科目と学歴や年齢によって分けられており、ごく一般化すると、国家公務員においてはI種・II種・III種、地方公務員においては上級・中級・初級という区分が行われている。国、地方どちらにおいても早い時期から困難な職務を担当させられることが多く、役職・給与などの昇進が早く、最終的に管理職などの上級ポストに達する可能性が高いのは大卒相当のI種・II種や上級であり、国家公務員においては、特に大卒の中でもごく少数の幹部候補生を採用するための試験区分であるI種合格者は「キャリア」と呼ばれる(これは機関によって様々な特殊事情や例外がある。詳しくはキャリアの項を参照)。
行政職俸給表を適用される職は総合的な事務職であり、一般に税務職、公安職、教育職、医療職など他の俸給表を適用される専門性の高い職に比較して、同一の学歴、経歴であっても額の低い給与が支給されることが多い。しかし、人事交流などにより、俸給表の間を移動することもあり、採用時に行政職俸給表を適用された者が必ず退職時まで行政職俸給表を適用されるとは限らない。
また、中央省庁の局次長級以上や、大規模な地方公共団体の部局長以上など一部の職は、行政事務を行う職であってもその職務の重要性から行政職俸給表ではなく指定職俸給表を適用される。