給湯器
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
給湯器(きゅうとうき)とは、湯を供給する器具、湯沸かし器などのこと。温水器(おんすいき)ともいう。ここでは一般家庭用の給湯器について述べる。
目次 |
[編集] 概要
大小の大きさ、燃料も電気、ガス、石油など多様である。機器そのものの性格ほか、住宅の構造や家族構成により一長一短の幅は変化するので、買い換えをする際には業者の言い分を鵜呑みにするのではなく、自分で検討する必要がある。
[編集] 電気温水器
深夜電力(電力会社や契約メニューによって異なるが、東京電力の一つの例では、午後11時から翌朝午前7時までといった時間帯に限り、電気料金が割安となる契約)で貯湯タンクのヒーターを加熱し、85℃程度に沸かした湯を大量(数百リットル程度のものが多い)に蓄えて給湯する。
- メリット
- 吸排気設備は不要
- 一般契約とは違う、深夜は安い電力を利用できる。(昼間は割高)
- デメリット
- 貯湯タンクの設置場所が必要。
- 小人数の家庭や留守がちの家庭では、蓄熱時のロスが大きく不経済。
- 追い焚きが必要なほど湯を使う場合には湯温が不安定になる。
- 衛生面で問題(湯垢、錆び等)。飲用は不可
[編集] CO2冷媒給湯器
家庭用は通称『エコキュート』と呼ばれる。『エコキュート』は関西電力の自然冷媒(CO2)を用いるヒートポンプ式給湯機の登録商標。よって、自然冷媒(CO2)を用いないHFCヒートポンプ給湯機は『エコキュート』とは呼ばれない。構造は空調機と同じ原理で、大気の熱を冷媒に移し、その熱でお湯を沸かす。
燃焼式給湯器、電気温水器は理論上投入エネルギー以上の熱エネルギーを取り出すことはできないが、エコキュートを含むヒートポンプ式給湯機は、大気熱を利用する為、投入エネルギーよりも多くの熱エネルギーを取り出すことができることが最大の特徴である。CO2排出抑制の切り札として注目されており、機種によっては政府(ヒートポンプ蓄熱センター)の補助金が得られるものもある。
デメリットとしては、貯湯タンクが不可欠であり広い設置場所が必要。加熱能力は業務用10馬力のもので約28kW。寒冷地には向かない。機器のイニシアルコストが高い。 メリットは効率の高さにつきる。
[編集] ガス給湯器
小型のガス湯沸かし器(画像)、バランス釜(風呂釜)の付属機能、集中システム式のガス湯沸かし器などさまざま。
- メリット
- デメリット
[編集] ガス高効率型給湯器 エコジョーズ
従来のガス給湯器の熱効率が80%だったのと比べ、15%も高い95%の熱効率を実現させた新型のガス給湯器で、 従来は給水口より直にバーナー上部の熱交換器へ入り加熱させ、200度近い排熱放出させていたが、排気の熱を利用してある程度温めてから熱交換器へ入る仕組みになっている為、排気温度は60度程度となり排気量も少ないため、地球温暖化と家計に優しい給湯器となっている。
毎年、国からの補助が下りる時期があり、申請をすると補助が下りる。また、地方自治体からも補助が下りるケースもあるため、導入の際には確認する必要がある。
[編集] 石油給湯器
- メリット
- デメリット
- 経済的効果(燃費)を期待し浴槽などの多量給湯に用いられる。そのため大型の貯湯タンクを持つものが多く、着火からタンク内の水が所定の温度に上昇するまで時間を要する。この欠点に対比して、先止め式ガス給湯器を特に「瞬間湯沸し器」と呼ぶ場合がある。(こうした欠点を緩和した機種もある)。
- 石油独特の臭いやバーナー作動音がする。
- 吸排気設備、大型の燃料タンク設備が必要。
[編集] 太陽熱温水器
太陽熱を利用して温水を作る。
[編集] その他
ほかもコジェネレーション式(主に大規模な商業施設や病院などで使われる)、ハイブリッド式など多様な形態があるが、2000年頃から燃料電池の発電の際に生じる熱を利用した給湯器が考案されている。