短波放送
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
短波放送(たんぱほうそう)とは、短波帯の周波数(短波)を用いた放送である。
電波法施行規則では、「三MHzから三〇MHzまでの周波数の電波を使用して音声その他の音響を送る放送」と定義している。
[編集] 概要
日本に於いては、日本全国や外国に向けて行われるラジオ放送に用いられ、前者は株式会社日経ラジオ社のラジオNIKKEI、後者(国際放送)は日本放送協会(NHK)のNHKワールド・ラジオ日本がある。HF無線機を利用して聴取可能。
海外に於いては、英国BBC放送、米国VOA放送などが有名である。
[編集] 受信機とアンテナ
短波放送を受信する為には、これに対応した受信機(ラジオ)が必要であり、ソニー株式会社や松下電器産業株式会社などのメーカーから複数の機種が販売されている。又、業務用無線機やアマチュア無線機器などのメーカー数社から、据置型やハンディ型のオールバンド受信機が販売されている。しかしながら、前者は海外旅行向けなどのやや特殊な商品と位置付けられ、大手家電量販店チェーンの中でも、一部の大規模店だけで販売されている程度である。しかし各社の発行している「総合カタログ」等には載っており、どこの家電量販店でも数日で取り寄せることが可能である。後者は大手家電量販店チェーンではほとんど取り扱っていないが、アマチュア無線専門店で取り扱っており、書店で売られている無線雑誌の広告や電話帳から取扱店を調べて購入することができる。
ホームセンターや家電量販店チェーン、ディスカウントストアなどで中国製と思われる3000円程度の安い受信機が売られている場合もあるが、選択性が悪い為、ラジオNIKKEIや強力局のみを受信することが期待できる。これらはラジオNIKKEIが投資番組や市況、競馬中継を中心に放送していることから「株・競馬ラジオ」という名で売られていることが多い。また、「ラジオNIKKEIさえ聞ければ良い」というのであればラジオNIKKEIのみ受信できる機種もあり家電量販店の他ラジオNIKKEIのホームページから通販で購入することが可能である
高性能短波ラジオ受信機の購入は、地方では困難という見方をする者もいるが、地方の視覚障害者の人がパソコンなどで販売店のサイトにアクセスし、購入している例も多く、英語に自信を持つ人の場合は英米からも個人輸入しているので、そのようなことはない。なお、日本は2006年現在電子機器の関税は免除しているので、海外からラジオやオールバンド受信機を輸入する場合、販売価格にかかわらず、税関が査定する価格に対して消費税がかかる。このため個人輸入で比較的安価に購入できる場合もあるが修理の際のリスクもあるので特に注意と検討を要する。
なお、短波用のアマチュア無線機(電波の送出機能を持つもの)には全波受信機能が付随しているが、資格(無線従事者免許。当然アマチュア無線機を扱える級に限る)を取得せずに保有する事は違法なので絶対にしてはならない。発覚した場合は無線局不法開設として処罰の対象になる。また不要な送信機能がついているので割高、誤操作による故障のリスクも高いため、考慮するには至らない。
一般的な短波受信機ではロッドアンテナが付属することが多いが、外部アンテナが接続可能な機種もある。外部アンテナが接続可能であれば、窓際や屋外にアンテナを設置することにより格段に感度が上昇する。アンテナは無線機専門店で購入できるが、市販のビニール線(10m程度)をつないで屋外に出すだけでもかなり効果がある(ロングワイヤーアンテナを参照)。