機動戦士ガンダムSEED C.E.73 STARGAZER
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『機動戦士ガンダムSEED C.E.73 -STARGAZER-』(きどうせんしガンダムシード シーイーななじゅうさん スターゲイザー)は、ガンダムシリーズのうち、『機動戦士ガンダムSEED』を初めとするコズミック・イラを舞台とした世界観に属するアニメ作品。X plosion GUNDAM SEEDの企画第1弾として制作され、インターネット配信やイベントでの上映で公開された。第1話は2006年7月14日からインターネット上で有料配信された。1話15分、全3話。
2006年11月24日に3話全てを収録したDVDが発売された。このDVDには新規のエンディング映像が追加され、映像特典として、バンダイ商品を発売していた店頭でのみ上映されたプロモーションアニメ『機動戦士ガンダムSEED ASTRAY -RED FRAME- & -BLUE FRAME-』が収録された。
テレビアニメ『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』で描かれたコズミック・イラ (C.E.) 73年、ユニウスセブン落下後の地球が舞台である。
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
目次 |
[編集] 物語
コズミック・イラ73年。ユニウスセブンの地球降下作戦を仕組んだザフト軍脱走兵達の部隊は、乱戦の中、ザフト軍のミネルバとジュール隊の活躍によって壊滅し、地球に向かっていたユニウスセブンも設置されたメテオブレイカーによって破砕された。しかし、砕かれた破片は地球に向かって次々と落下し、地球に残されたのは、砕かれた破片による傷跡と、破片の落下によって多くの人々が命を落としたという認めざるを得ない記録、そして平和を奪われた者達の止め処なく溢れる憎悪と怒りだけであった。
ロード・ジブリールが指導者となったブルーコスモスによる煽りもあって、地球が再び混迷の戦場となった中、DSSD技術開発センターは、一体のモビルスーツを宇宙へと打ち上げるプロジェクト「スターゲイザー計画」の準備を行っていた。静かに空を見上げ続ける純白の機体「スターゲイザー」。宇宙に生まれ、宇宙で育ち、人は宇宙を目指すべきと信じるコーディネイターの女性セレーネ・マクグリフ。そして、幼い頃の出来事によって、コーディネイターを激しく憎み続けるストライクノワールのパイロット、スウェン・カル・バヤン。この2人を中心に、スターゲイザー…「星を見つめる者」の物語は動き出す…。
[編集] 主な登場人物
[編集] 地球連合軍 第81独立機動群"ファントムペイン"
[編集] スウェン・カル・バヤン
スウェン・カル・バヤン | |
性別 | 男性・ナチュラル |
年齢 | 20歳 |
搭乗機 | ストライクガンダム+I.W.S.P. ストライクノワール |
声 | 小野大輔、(幼少)早水リサ |
地球連合軍第81独立機動群、通称「ファントムペイン」に所属する中尉。幼少の頃は天体観測が好きなごく普通の少年だったが、両親を事故の巻き添えで失って以降、運命が急変。ブルーコスモス管轄の養護施設にてコーディネイター殲滅を目的とした特殊な英才教育を受け、特殊戦用モビルスーツのパイロットとなった。自分と同じくコーディネイター殲滅の教育を受けたミューディー、シャムスの2名と特殊戦MS小隊を構成する。その実力は部隊の中でも抜きん出て高く、過去他の2人を相手にした模擬戦で、僅か5分で彼等を沈黙させた実績を持つ。性格は感情が無いに等しいほど寡黙でクール。命令とあらばどんな非人道的な任務でも淡々とこなす様は、正に戦闘マシンそのものである。スターゲイザーとの死闘の末にヴォアチュール・リュミエールによる超長距離移動に巻き込まれ、共に地球~金星軌道の狭間を漂う運命にあったが、母の面影を持つセレーネと触れ合う事により人間らしい感情を取り戻す。そしてセレーネと共に半コールドスリープ状態で地球圏へ帰還するが、発見されたのはスターゲイザーのコックピット内の酸素が持続する制限時間27日(648時間)から21時間経過した669時間後であった。つまり、コクピットの生命維持期間を超えている為生存は絶望的であるといえるが、今回の長距離移動自体が前例の無い事態であり、コクピットの酸素持続期間も最短の場合を想定しての概算値であると考えられる上、劇中に於いても明確に死亡したという描写はなされていない為、正確な生死は不明である。
唯一つ言える事は、セレーネの傍らに寄り添う彼の表情はとても安らかなものであった、という事だけである。
以前は兵装試験用ストライク(I.W.S.P.を実装したタイプが確認されている)のパイロットを務め、現在はGAT-X105ストライクの改修型であるGAT-X105Eストライクノワールに搭乗。
また、『機動戦士ガンダムSEED C.E.73 ⊿ASTRAY』にも登場しており、アグニス・ブラーエ等マーシャン達と数度刃を交える。オーブ軍が地球連合軍と同盟を結んだ際には、オーブ軍のパイロット達が搭乗するスローターダガー部隊の指揮を執っている。
[編集] ミューディー・ホルクロフト
ミューディー・ホルクロフト | |
性別 | 女性・ナチュラル |
年齢 | 18歳 |
搭乗機 | デュエルガンダム ブルデュエル |
声 | 佐藤利奈 |
ファントムペイン特殊戦MS小隊に所属する少尉。スウェン同様、ブルーコスモス管轄の養護施設にてコーディネイター殲滅を目的とした特殊な英才教育を受け、特殊戦用MSのパイロットとなった。派手なメイクを好み、常にハイテンションな性格。近接戦闘を得意としており、GAT-X102デュエル、そして現在は改修機であるGAT-X1022ブルデュエルに搭乗。ボナパルト防衛任務の際の戦闘で、 ケルベロスバクゥハウンド部隊からの集中攻撃を受け、戦死する。
また、スウェン同様『⊿ ASTRAY』にも登場しており、アグニス達マーシャンとの交戦経験がある。
[編集] シャムス・コーザ
シャムス・コーザ | |
性別 | 男性・ナチュラル |
年齢 | 19歳 |
搭乗機 | バスターガンダム ヴェルデバスター |
声 | 神谷浩史、(代役)宮野真守 |
ファントムペイン特殊戦MS小隊に所属する中尉。スウェン同様、ブルーコスモス管轄の養護施設にてコーディネイター殲滅を目的とした特殊な英才教育を受け、特殊戦用MSのパイロットとなった。物事を斜めに構えた皮肉屋。眼鏡を掛けているが伊達眼鏡であり、視力自体は良好である。GAT-X103バスター、その後改修機であるGAT-X103APヴェルデバスターに搭乗。ミューディーが戦死してからそれまで以上にコーディネイターを嫌悪するようになる。D.S.S.D技術開発センター襲撃任務の際、激情に駆られナナバルクのオペレーターの制止を無視してステーションを攻撃し続け、エネルギー切れを起こした所をシビリアンアストレイ部隊の集中砲火を浴び、戦死した。
また、スウェン同様『⊿ ASTRAY』にも登場しており、アグニス達マーシャンとの交戦経験がある。
[編集] ホアキン
ホアキン | |
性別 | 男性・ナチュラル |
年齢 | ?歳 |
声 | 中村秀利 |
「ファントムペイン」所属の地球連合軍中佐。スウェン達特殊戦小隊を指揮する。スターゲイザー奪取任務において母艦ナナバルク艦長としてトロヤステーションへと赴くが、アポロンAより照射されたプロパルジョンビームの直撃を受け、艦もろとも消滅した。ブルーコスモスの人間らしく、コーディネイターを強く嫌悪している。『⊿ ASTRAY』において、単身投降したアグニスを捕らえて拷問を加えた。
[編集] D.S.S.D
[編集] セレーネ・マクグリフ
セレーネ・マクグリフ | |
性別 | 女性・コーディネイター |
年齢 | 28歳 |
搭乗機 | スターゲイザー |
声 | 大原さやか |
DSSDの技術開発センター「GSX-401FWスターゲイザー計画」開発技術陣の1人。一度決めた目標は最後までやり通さなければ気が済まない性格で、その為ならばいかなる努力も惜しまない。だが言い換えれば、目的の為に手段を選ばない側面を持ち、例え上司に対しても我を押し通す強気な性格。コーディネイターであるが、連合とザフトの戦争に関しては無関心である。
第3話にてスターゲイザーに搭乗。スウェンの駆るストライクノワールを撃破するも、プロパルションビームにより地球と金星の狭間まで弾き飛ばされてしまう。その後スウェンと共にスターゲイザーで地球を目指し、669時間後に発見される。その時既にコクピット内の酸素持続期間を超過していたが、正確な生死は不明。(スウェンの項も併せて参照されたい。)
[編集] ソル・リューネ・ランジュ
ソル・リューネ・ランジュ | |
性別 | 男性・コーディネイター |
年齢 | 16歳 |
搭乗機 | スターゲイザー |
声 | 福山潤 |
第一世代コーディネイターで、スターゲイザーのテストパイロットを務める。エドモンドの甥であり、互いにナチュラルである両親を「機動戦士ガンダムSEED」の大戦時に失っており、それ以降は叔父であるエドモンドと共に暮らしている。セレーネの事も実の姉のように慕っている。生まれた時からD.S.S.D育ちであるものの、やはりコーディネイターである為か、ナチュラルとコーディネイターの間に生まれる確執については色々と苦悩しているようである。
[編集] エドモンド・デュクロ
エドモンド・デュクロ | |
性別 | 男性・ナチュラル |
年齢 | 37歳 |
搭乗機 | リニアガン・タンク |
声 | 中田譲治 |
DSSD技術開発センター保安副部長。かつては「伝説の鬼車長」と呼ばれる名戦車乗りであり、地球連合陸軍所属の戦車小隊指揮官として勇猛を馳せていた。が、第二次ヤキン・ドゥーエ攻防戦終結後停戦と同時に退役し、D.S.S.Dに天下り就職した。退役時の階級は少佐。大戦中に共にDSSDの技術者であった姉夫婦が事故死し、残された一人息子であるソルの保護者となっている。少年少女のテロリスト達の操縦するジンが襲撃した際、リニアガン・タンクに搭乗して迎撃。撃墜に成功するものの、自身も直撃を受け、ソル達が宇宙に上がっていくのを見つめつつ戦死する。
[編集] 地球連合軍
[編集] レイエス
レイエス | |
性別 | 男性・ナチュラル |
年齢 | 不明 |
搭乗機 | リニアガン・タンク |
声 | 天田真人 |
ブレイク・ザ・ワールドにおける南米フォルタレザ市の災害救助に派遣された、地球連合軍第37戦車隊所属の軍曹。リニアガン・タンクの搭乗員。デュクロは戦車乗りとしての師であり、彼が現役だった頃は部下として伍長の階級にあった。災害派遣で偶然師と再会し、共にリニアガン・タンクでジン タイプ インサージェントに立ち向かう。 アニメ本編では明確な生死の描写はされていないが、漫画版では生存している。
[編集] スタッフ
- 企画:サンライズ
- 原作:矢立肇、富野由悠季
- 監督:西澤晋
- 脚本:森田繁
- キャラクターデザイン:大貫健一
- メカニックデザイン:大河原邦男、山根公利、ビークラフト、藤岡建機
- デザインワークス:シンクポート
- 美術監督:池田繁美
- 色彩設計:柴田亜紀子、安部なぎさ
- 特殊設定:森田繁
- 撮影監督:田中唯
- 編集:ウィンズ
- 音楽:大橋恵
- 音響監督:藤野貞義
- 音響効果:蔭山満(フィズサウンドクリエイション)
- 音楽プロデューサー:野崎圭一(ビクターエンタテインメント)、佐保歌名世(サンライズ音楽出版)
- プロデューサー:池谷浩臣(サンライズ)、桑園裕子(バンダイビジュアル)
- 企画プロデューサー:佐々木新(サンライズ)
- 制作協力:バンダイホビー事業部、バンダイビジュアル
- 製作:サンライズ
- テーマ曲:「STARGAZER ~星の扉~」根岸さとり(ビクター)
[編集] 関連項目
- 機動戦士ガンダムSEED
- 機動戦士ガンダムSEED DESTINY
- X plosion GUNDAM SEED
- ガンダムシリーズの登場機動兵器一覧
- ガンダムシリーズの登場艦船及びその他の兵器一覧
- ガンダムシリーズ関連用語一覧
[編集] 外部リンク
ガンダムシリーズ | |
シリーズ一覧: | ガンダムシリーズ一覧 - ゲーム作品一覧 - SDガンダム |
ガンダムシリーズの映像作品 | |
テレビシリーズ: | 機動戦士ガンダム - Ζガンダム - ガンダムΖΖ - Vガンダム - Gガンダム - ガンダムW - ガンダムX - ∀ガンダム - ガンダムSEED - SEED DESTINY - SDガンダムフォース |
OVA: | 0080 - 0083 - 第08MS小隊 - Endless Waltz - MS IGLOO - SEED STARGAZER - SD外伝 ジークジオン編 |
劇場版: | 逆襲のシャア - ガンダムF91 - G-SAVIOUR - GUNDAM THE RIDE - グリーンダイバーズ - SD外伝 聖機兵物語 |
その他: | GUNDAM EVOLVE |
ガンダムシリーズの劇中項目 | |
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