松川ダム
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松川ダム(まつかわダム)は、長野県飯田市、天竜川水系松川に建設されたダム。高さ 84.3 メートルの重力式コンクリートダムで、洪水調節、不特定利水、周辺地域への上水道用水供給を目的とした多目的ダムである。
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[編集] 歴史
中央アルプス(木曽山脈)に端を発する松川は、飯田市中心市街地を経て天竜川へと合流している。出水時には被害をもたらす松川の治水、および飯田市の水道用水源の確保、また渇水期における不特定用水補給を目的として松川ダムを1974年(昭和49年)に完成させた。1986年(昭和61年)にはダム管理・運営に必要な電力をまかなう小規模な管理用水力発電所(最大出力1,200キロワット)をダム直下に新設した。
しかし、長年にわたって繰り返される出水により、上流から大量の土砂が松川ダム湖に押し寄せている。長野県はこれまでにもダムの機能を維持するため堆積した土砂を取り除く作業を行ってきたが、出水のたびに押し寄せる土砂に対し有効な対策として、美和ダム再開発時に採用された洪水バイパストンネルが注目された。美和ダムもまた堆砂に苦慮していたダムのひとつであったが、バイパストンネルの新設により恒久的堆砂対策を図っている。松川ダムにおいてもバイパストンネルを新設する再開発事業が計画された。
1988年(昭和63年)より施工が開始されたが、小説家の田中康夫が長野県知事に就任すると再開発事業の先行きが不透明になった。「脱ダム宣言」によって県営のダム事業を全て中止した田中知事は、松川ダム再開発事業に関しても見直しを言明した。2003年(平成15年)3月、田中知事は松川ダム再開発事業について、「美和ダムの再開発事業の状況を見極めて、場合によっては(再開発の)一時中断も検討しなければならない」と答弁。既に国土交通省によって進められていた美和ダム再開発事業(排砂バイパストンネル工事)の施工状況などをチェックしながら松川ダムに関しても再検討するとの考えを示した。その後10月に長野県は松川ダム再開発事業の一時中止を発表したが、この時は3月の時とは異なり「財政的問題が大きい」という理由であった。
ところが、翌2004年(平成16年)3月17日の長野県議会土木委員会において、事業を一時中断するための変更請負契約案が否決され、「中止」という方向性が変わっていった。その後の状況は田中知事の落選などにより不透明となっているが、2011年(平成23年)に再開発事業は完成する予定となっている。
[編集] 周辺
松川ダムは、飯田市中心市街地から長野県道8号飯田南木曽線(大平街道)を木曽地域方面に向かって進んだ先にある。松川ダム管理事務所周辺は公園となっており、駐車場・公衆トイレを設置。ダムの見学も自由である。事務所入口で待ちかまえる黒色の番犬は名物。