東京都立航空工業高等専門学校
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
東京都立航空工業高等専門学校(とうきょうとりつこうくうこうぎょうこうとうせんもんがっこう)は、東京都荒川区南千住にある都立高等専門学校。英語表記はTokyo Metroporitan College of Aeronautical Engineering(略称 TMCAE)である。学生や近隣住民からは、航空高専、航専等と呼ばれている。
東京都立航空工業高等専門学校 | |
設立年月日 | 1962年4月1日 |
創立記念日 | 11月3日 |
所在地 | 〒116-8523 |
|
|
電話・FAX | 03-3801-0145 03-3801-9898 |
外部リンク | 公式サイト |
目次 |
[編集] 概要
- 全国60数校ある高専の中で、唯一、航空工学科が設置されている。
- 航空高専では現在、水上飛行機(産学連携)や人工衛星などの研究開発/設計製作が行われている。
- アイデア対決・全国高等専門学校ロボットコンテスト(ロボコン)の全国大会にて優勝経験がある。
- 鳥人間コンテスト選手権大会で3位入賞経験がある。
- 2006年度から東京都立工業高等専門学校と統合し新たに東京都立産業技術高等専門学校を設立、専攻科を設置した。同年度に開学した公立大学法人首都大学東京産業技術大学院大学と連携し、高専から専門職大学院に至る、全国初の9年間一貫のものづくり教育を目指している。また、2007年度から運営を東京都から公立大学法人首都大学東京に移管する計画がある。ちなみに、航空高専は2009年度に閉学予定であり、現在本科2~5年生までの学生が在籍している。
[編集] 設置課程
[編集] 本科
[編集] 2005年度入学生まで
- 航空工学科
- 機械工学科
- 電子工学科
学生の所属はないが、上記学科の他に一般教養科目(外国語、文学、数学、物理学等)を担当する一般科がある。
[編集] 沿革
- 1938年4月1日 - 東京府航空工業学校して設立。機体製作科、航空機関科、精密機械科を設置。
- 1943年4月1日 - 東京府航空工業専門学校を併置。航空機工学科、航空発動機工学科を設置。
- 1946年2月7日 - 東京都立城北工業学校、理工専門学校とそれぞれ改称。設置学科をそれぞれ工業理科、機械科に改組。
- 1948年4月1日 - 学制改革により、東京都立城北工業高等学校となる。機械科とし、機械工作課程、機械設計課程、製造機械課程、工場経営課程を設置。
- 1951年3月17日 - 東京都立理工専門学校を発展的解消(東京都立大学の一部として昇格)。
- 1954年4月1日 - 製造機械課程及び工場経営課程をそれぞれ航空機体、航空原動機の両課程に改組。
- 1955年4月1日 - 東京都立航空工業高等学校と改称。
- 1958年4月1日 - 機械工作課程、機械設計課程を機械科とし、航空機体課程及び航空原動機課程をそれぞれ航空機体科、航空原動機科に改組。
- 1962年4月1日 - 東京都立航空工業高等専門学校となる。航空機体工学科、航空原動機工学科、機械工学科を設置。
- 1964年3月31日 - 東京都立航空工業高等学校閉校。
- 1972年4月1日 - 東京都立航空工業短期大学校舎を移管。
- 2006年4月1日 - 東京都立産業技術高等専門学校へ改組、東京都立産業技術高等専門学校の荒川キャンパスとなる。
- 2009年 - 東京都立航空工業高等専門学校閉学(予定)
[編集] 所在地
[編集] 住所
[編集] 鉄道でのアクセス
なお都電荒川線の三ノ輪橋駅、京成電鉄京成本線京成関屋駅から徒歩でも時間はかかるがアクセス可能である
[編集] バスでのアクセス
南千住駅東口より都バス上46で都立航空高専前停留所まで8分。停留所からは徒歩0分
[編集] 学生生活
- 航専祭(学園祭)
- 体育祭
- 部・サークル活動
体育系の団体はアリーナ棟、文科系の団体は部活棟に部室があり、多くの学生が部・サークル活動に参加をしている。 鳥人間コンテスト選手権大会での3位入賞経験がある人力飛行機同好会やアイデア対決・全国高等専門学校ロボットコンテスト(ロボコン)全国大会優勝、ロボコン大賞受賞経験のあるロボット研究会などが有名である。
- 寮・寄宿舎
基本的に都民であることが条件となっている都立の高専であるため、自宅から通学できることが条件となっており、学生寮は設置されていない。他の公立高専も同様の理由で学生寮は設置されていない。
- 食堂
見晴らしのよい全面ガラス張りの食堂が実験棟2階にある。現在、航専には売店、生協などが設置されておらず、多くの学生は不満を抱いている。しかし、校舎移転前までは売店があり、現校舎移転後も売店があった時期があったが、現校舎2,3年して売店が無くなり以降、設置されていない。
[編集] 施設
- 本館
北、南、東の三つのWINGから構成されている。 2005年のロケットボーイズ(小説)では『特撮映画に出てくる科学防衛隊の基地みたいな建物』と表現された。
- 実験、工場棟
合計すると3棟あるが、すべて繋がっている為からか3棟あるとは実感はない。
- 汐黎ホール
綺麗なホール。講演会や式典、音楽部や奇術部等の公演に利用される。
- 科学技術展示館
世界的にも貴重な航空機やロボット等が展示されている。展示されている航空機は航空工学科の実験や卒研でも用いられる。
- ヘリポート
Hマーク(着陸可)ではなくRマーク(ホバリング可)であるが、建物の構造上実用に適しているとは言えない。防災訓練の際に石原都知事が降り立ったと言われる。
- 総合情報センター
本館1階にあるガラス張りの部屋(通称金魚鉢)。教育、研究活動に 必要な諸機能を全学に提供している。
- 共同研究センター
地域産業界との共同研究、受託研究の推進並びに地域産業の振興に寄与することを主な目的として設置された(実際はロボット研究会の部室という声もある)。
- 図書館
所蔵数は約70000冊。1階には閉架書庫、2階閲覧室となっている。
- グラウンド
防災関連のイベントでヘリコプタが着陸する計画が有ったが、事前にパイロットが視察に来た際「ココには着陸出来ない」と判断し、計画が見送られた経緯がある。
- テニスコート
[編集] 教員
- 深谷直樹(機械工学科助教授)
航空高専航空工学科の卒業生。 若い.生まれは1972年。乙女座のA型。『永遠の先輩』の二つ名を持つ。 身長を聞くと話をそらす。たぶん身長165cmだと思われる。別にhydeではない。 つい最近婚約発表(学生に暴露された)をした。奥さんは深谷先生より身長は低いらしい。
[編集] 著名な卒業生
- 後藤治 - 元ホンダF1プロジェクトリーダー。後にフェラーリ、ザウバーなどでエンジン開発責任者を務めた。
- 平山ユージ - プロフリークライマー(中退)。
- 稲田浩司 (1964年 - ) - 漫画家。主な作品に『ダイの大冒険』『冒険王ビィト』がある。
- 荒井昌一 - 元格闘技FMW社長(3年時中退)。
[編集] こぼれ話
- 自転車禁止
ある学年で、現地集合・現地解散の校外学習の際に、自転車を使用する学生があまりにも多かった為、翌年の「しおり」から『自転車の使用禁止』の一文が追加される様になった。
- エクスポネンシャル星人
2000年、就職等のストレスに耐えきれずに、放送室のマイクを乗っ取り全校へ向けて「ワレワレはインテグラル星からやって来たエクスポネンシャル星人だ!航空高専を乗っ取った!今からお前らを微分する!」 と放送ジャックを行った。
- 半ライス大盛り
「汐黎」に、食堂で半ライス大盛りを頼むと何が出てくるのだろうと考えた勇者の執筆文があった。 いざ半ライス大盛りを頼んで出てきたのはライス超大盛りだったという。 その後、腹痛で授業どころではなかったとか。
- 現校舎の正体は要塞か?
本館の奇抜さから、学生からは「航空高専は要塞ではないのか?」と言う噂がある。また、本館は耐爆・耐核構造とも言われている。また、現校舎移転前、「今度の校舎は回転するので、日当たりはどこも良い」「ロボットに変形する」など吹聴する教授がいた。この奇抜とも言える校舎は、校章の三つのプロペラを模したものであるが、これは校舎設計段階に航空工学科の教授の冗談から始まった形といわれている。その奇抜な本館校舎の写真(前述したヘリポートも含む)はここから見ることが出来る。
- 病院化
以前、ある都議会議員が「高専を潰して病院にしよう」と提案したことがあった。
- 小学校
航専の道路を挟んだ向かいに汐入小学校があるが、あえて校門を航専側に設けなかったと言われている。
- 東京理科高等専門学校(東京理専)
東京理科高等専門学校として2005年のロケットボーイズ(小説)の舞台にもなっている。
- 郵便番号
大口郵便番号が割り振られているので航専への郵便は、〒116-8523のみで届く。
- 消人栓
本館4階の消火栓の一部が『火』の字が壊れ『人』になったものである。 別に行方不明者が出たわけではない。