木山光
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木山 光(きやま ひかり、1983年-)は日本の現代音楽の作曲家。
目次 |
[編集] 略歴
岡山県金光町出身。2002年岡山県立岡山城東高校音楽コース卒業。2006年東京音楽大学卒業。2006年9月よりオランダ王立ハーグ・コンセルヴァトワールのソノロジーコースでさらに研鑽を積んでいる。
岡山時代は山下耕司、久留智之、糀場富美子に師事した。東京音楽大学在学中は糀場富美子、成田和子、久田典子、三木稔らに学びつつも、自由にクラスを移動して池辺晋一郎、西村朗、伊左治直など多くの作曲家に学んだ。学外でも秋吉台の夏など公開レッスンやゼミナールなどで湯浅譲二、松平頼暁、莱孝之、ハンス=ぺーター・キーブルツ、ベアト・フラー、原田敬子、夏田昌和などの著名な作曲家に学んだ。篳篥と笙を西原祐二、橋本あやに学ぶ。
2002年、トングピアノデュオ作曲コンクールに最上位入賞し、日本国外で初めてその作品が演奏される。同年、第7回東京国際室内楽作曲コンクール入選および現音主催コントラバス・フェスタII公募に入選。翌2003年、吹田音楽コンクール作曲部門第2位。2004年には原田力男追悼記念演奏会におけるピアノ作品公募にて入選(審査員:大井浩明)。日本初のインターナショナル・アンサンブル・モデルン・アカデミーのアクティブ・コンポーザーに選出。アンサンブル・モデルンにより作品が東京芸術劇場において公開実演され、メンバー間の激しい賛否両論を引き起こした[要出典]。
2005年、頸部圧迫による一時的な呼吸停止、前胸部擦過傷、右手延位端骨折の重傷を負い、本人は「2005年7月24日逝去(享年22歳)2006年rebirth.」[要出典]と自己を転生した存在とみなしている。その後も後遺症により療養中である。
2006年9月、ガウデアムス音楽週間内若手作曲家対象国際コンクールで、室内オーケストラ作品がノミネートされ、オランダの実験アンサンブルLOOSにより演奏された。これは2006年度最年少のノミネートとなった。この年にはAssociazione Musici Mojanesi主催作品公募木管四重奏部門にて第1位を獲得したことにより、イタリアのArsPublicaから作品の演奏と出版が予定されている。
Young Composers' Meeting 2007 のためにオーケストラと5人の声楽の曲
http://www.ereprijs.nl/php/engine.php
heidelberger-fruehling2007 のためにトリオを作曲予定
http://www.heidelberger-fruehling.de/content/e267/e274/index_ger.html
[編集] 作風
十代初頭より作曲活動を始め、二十歳前に独自の個性へ到達したとされる。同音連打の乱用、極度の音量への偏愛と共に、書法は演奏者への過酷な要求を伴う。本人の弁では「(音が)でかく、きたなく、そして、はやい」[要出典]といったキーワードから、生命力に富んだ鋼のような音像が繰り広げられる。近年では奏者の発声など、劇場的な表現にも興味を移している。
またノイズの中から特殊な音程を伴う旋法性が聴かれる事も大きな特徴の一つである。彼が使う旋法の一つにA, Bb, B, D, Eb, E, G, G#があり、隣接する音程を3つ重ねると半音クラスターになることから、「きたない」音質を効率的に生んでいる。その一方で平易な全音階も用いられ、作品全体のトーンに幅を与えている。旋法を用いつつ、先鋭性を持つことで新しい音色を得ることに成功しているとされる[要出典]。また、サクソフォン四重奏のための作品は依頼に応じて調性を用いて書かれている。
日本の現代音楽史に突如現れた変異のような扱われ方をされることが多い[要出典]ものの、木山は実に幅広い影響を「正当に」自作へ織り込んでいる。「国歌斉唱」の冒頭のくだりは松平頼暁の「シンポジウム」と同種の技法と見なせるし、多くの作品で見られる不協和音と半音階の連続から全楽器の絶叫が絶妙に決められるシーンはヤニス・クセナキス中期の「アカンソス」を髣髴とさせる。演奏された音源をさらに醜く加工する技法は、タージマハル旅行団のエコーマシンの操作の隔世遺伝である。デビュー初期には彼本人の発話のイントネーションがそのまま楽器に割り当てられたかのようなラインを見出すことができるが、これは彼本人の即興からの直截な引用でありジャチント・シェルシのリハビリ中の自修イヴェントとの関連を見出さないわけにはいかない。
かつての池辺晋一郎は「60人の奏者のためのエネルゲイア」の作品解説で『弦楽器、管楽器などという、一つ一つの楽器の個性を区別しない音響体』の創作プロセスを語った。そのプロセスを現実のものとした木山の作品においては、初期から楽器編成に特徴がみられ、「妨げられ、罵られ、虐げられるもの(2004)」ではモダン・チェンバロとチェレスタのような強音に不向きな楽器ですら、強音のための一素材と化している。また、同一作品上にて楽器編成を異にした複数のヴァージョンを用意することもあり、例えば近年の作品「スリーシェルズ」では各パートにarmと名づけられ、音域の合う楽器で可能な限り全てのヴァージョンを試すことが演奏家に要求されている。
本人がプロフィールで「古代エジプト/ギリシャ音楽から現代音楽、ロックまであらゆる音楽を作曲、復元作曲、蘇曲しようとしている」[要出典]と記しているように、クラシック以外の音楽からの影響も少なくない。近年組織的に使われることの多い激昂後の沈黙はマゾンナからの影響が見られる。
作品を演奏できる演奏家がなかなか見つからないことが当初は多く、作曲家本人や有志メンバーで演奏されていた。デビュー作となった「Music for Twins for piano duo」では、2人の初演者は作曲家の意向とは逆にテンポを演奏可能なところまで落とし、音色もクラシック音楽演奏の場で使われるものにとどめた結果、意外なほどにスタンダードな作品に聞こえてしまった。クセナキス鍵盤作品のスペシャリストである大井浩明すら、委嘱作品の完全な演奏をギブアップしたという。また、ランダムに演奏される音群に「演奏技巧の限界から」パターン化が見られること、強音の連続から素材の使用に飽きが見られることなどは、彼の作品に好意的でない人々からの多くの批判を受けた[要出典]。この点は彼の作品を十分に演奏できない人からもさらに批判された。
「Distortion Orchestra 2005(2005)」はオランダの放送局のアナウンサーの目に留まり、オランダ初演後即座に部分が放送された[1]。LOOSはエレクトロニクス部分の音色を細めの音質にしたうえで目立たない背景のように扱い、一番目立ちやすいサキソフォンのハードブロウと打楽器のソロイスティックな箇所を鮮明に浮かび上がらせた。the Rumor festivalのディレクターGunther Bartenからの要請により、ユトレヒトでの再演が予定されている。
楽譜の外観も初期にはフォントの選択から綴りまで誤りがとても多かったが、最近の作品では徐々にそのようなミスも減っている。
[編集] 主要作品
[編集] 管弦楽作品
- Double Concerto EDEN for Clarinet,Harp and Orchestra
- 妨げられ、罵られ、虐げられるもの for chamber orchestra (2004)
- Concerto for 2 Pianos (2004)
- Concerto for Electric Violin (2005)
- Concerto for Alto Sax (2006)
[編集] アンサンブル作品
- kailominoth for chamber ensemble (2002)
- uvala erring for wind ensenble (2002)
- evil dead for 12 players (2003)
- Guan-sheng-di-qun(Concerto for B.Sax, Piano&Percussion) (2004)
- Distortion Orchestra 2005 for 7 players with electronics (2005)
- 666 (2006)
[編集] 室内楽作品
- eden (1997)
- √3, 悲鳴, 碑銘, 金閣寺 for 1 voice performer , 1 Trumpet , 1 piano (1998)
- as fast as possible for Trombone(1999)
- for Flute Marimba 2 Violins
- for Viola and cello
- In the Garden for Flute and Piano (1999)
- The SAD INSECT for Violin and Piano
- BEETLE for Violin solo
- 永遠に光は我らを虐げ(INSECT) for String Quartet (2001)
- 5,image・いじめ・明治 ユーアンダスターン?(転生済みですか?) for Violin Solo (2002)
- Music For Twins for piano duo (2002)
- 深い悲しみが、この子の眼を曇らせてしまう for 4cbs (2002)
- XERYUSROUGE for Flute,Clarinet and Violin
- 我らはそこに 窪地を抜けて for 2 Oboes and Metronome (2003)
- Trombone sonata (2003)
- Episexis for fl,cl,vn,vc (2003)
- √2 for fl,cl,vn,vc (2003)
- 変態×100 for Marimba(2003)
- 王の死 for Saxophone and Piano
- 「Delution」 Saxophone Quartet (2003)
- Benedictus for Soprano Recorder doubling Tenor Recorder and Alto Flute
- Benedictus 2 for Clarinet in Bb and Viola
- 「Throunchicaprymce」から for Alto Recorder and Tenor Recorder (2004)
- 1000(01414213562)for 3 Contrabasses (2005)
- Rhythm Reflection II for Woodwind Quartet (2006)
[編集] 邦楽器のための作品
- なぜ境地を隠してしまうのかわからない for 13-strings koto
- McBEE for Traditional-Japanese instrumental ensemble
- Addiction for Traditional-Japanese instrumental ensemble (2003)
- Tatahgata Vhailorcyana for Shamisen (2005)
- D・T・TRAIN for Shakuhachi and Shamisen (2006)
- Z century concerto for 2koto and shakuhachi(2006)
[編集] ピアノ独奏作品
- 塵肺症 (1998)
- 美貌は妬み深く車軸の上に編んだ天蓋から自らを振り切ろうとしている (1999)
- 苦しむ中層雲-1 (2000)
- Infection (2001)
- 苦しむ中層雲-2 (2004)
- 荒み、罵り、虐げ、蔑み
- 外傷性打撲 L123部 打診痛(+)動揺(+) (with electronics,2005)
- 3 Shells (piano version,2006)
- 4 Shells (piano version,2006)
[編集] 声楽作品
- はし for Chorus
- Stabat Mater for Shakuhachi in D,Voice Performer&electronics (Works with electronics) (2005-6)
- 国歌斉唱(創造神は十代で逝去したとされている for 4 voice performers&Percussion (2005)
[編集] その他の作品
- 暗黒舞踏伴奏曲 for Vn and Percussion(2003)
- 国立国ゾンビ展のための音楽 for 4 Zombie Performer,E.guitar,vc,mac,noise machine and percussion(2006)(他3名の作曲家との合作)
[編集] 付記
以上、未初演の作品も多数含まれる。創作リストは武満徹没後の1996年から始まっている。
[編集] 注
[編集] 外部リンク
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