戦争を知らない子供たち (楽曲)
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「戦争を知らない子供達」(せんそうをしらないこどもたち)は1970年に発表されたジローズ(第二次)のヒット曲。作詞は北山修、作曲は杉田二郎。
1971年2月5日にレコードが発売されるとオリコンチャート最高11位、196,000枚を売り上げるヒット曲となった。ジローズはこの年の日本レコード大賞新人賞を、北山修は作詞賞を受賞した。1973年にはこの曲の歌詞を原案にした同名の映画が制作された。
[編集] 解説
1970年当時、世はベトナム戦争の真っ最中であり、憲法の制約のある日本政府もアメリカ合衆国の戦争遂行に基地の提供といった形で協力していた。日本国内でも一部の文化人や学生を中心に反戦平和運動は盛り上がりを見せていた。そのような中で発表されたこの曲は日本における代表的な反戦歌となった。
しかし、この曲を作った北山や杉田は反戦歌というとらえられかたに対して違和感あったと述懐している。 この歌の中には反戦のメッセージはまったく出てこない。この曲を作った北山、杉田とも終戦の翌年1946年に生まれた戦後第一世代でありいわゆるベビーブーマーと呼ばれる世代である。1960年代にこの世代が学生になり、大人になっていく過程で大人たちに言われたことは「俺たちは戦争で苦労したんだ。いま、お前たちが好き勝手なことができるのは俺たちが苦労したおかげなんだ。」「いまの若い奴等は軟弱だ。俺たちは軍隊で鍛えられているからお前たちとは違うんだ」というものであった。 「戦争を知らない子供たち」はこのような古い世代に属する大人たちの価値観に対する皮肉を含んだ反抗の歌であり、反戦歌という解釈は誤解である。