恵庭OL殺人事件
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恵庭OL殺人事件(えにわオーエルさつじんじけん)は、2000年3月、北海道恵庭市の路上で、絞殺されたうえ灯油(弁護側は航空燃料の可能性を主張)で焼かれた苫小牧市在住の女性会社員の遺体が発見された事件。
[編集] 事件の概要・経過
同年5月、恋愛問題のもつれによる犯行として、同僚の女性が逮捕・起訴された。事件の直前に、容疑者の恋人が被害者と交際を始めたこと、容疑者のロッカーから被害者の携帯電話が発見されたこと、その携帯電話の電波発信記録の動きと、容疑者の足取りがよく似ていること、容疑者が事件発生後所持していた灯油を破棄(発見されていない)し、直後に買い直していることなどが状況証拠とされている。しかし、犯行場所とされる容疑者の車内に、被害者の痕跡がないなど直接証拠が無く、また遺体の状況が男性による強姦殺人の可能性を示唆する要素を持つことと、それにもかかわらず実際に行われた検死における司法解剖で強姦の有無を調べていないことを指摘する著名法医学者の指摘もあり、被告人側は「冤罪」を主張している。
2003年3月、一審の札幌地裁判決では状況証拠などから被告人の犯行と認定し、懲役16年を言い渡した。被告人側は直ちに控訴した。
2005年9月、二審の札幌高裁判決は、性犯罪の可能性を否定し、一審同様に状況証拠から被告人の犯行と認定、控訴を棄却した。被告人側は、最高裁に上告した。 2006年9月25日、最高裁は、被告の上告を棄却した。 2006年9月29日、被告人は、最高裁に異議の申し立てを行ったが、同年10月12日に棄却され、懲役16年が確定した。