幸福
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幸福(こうふく、Happiness、Happy)とは、欲求が満たされ、不足や不安を感じず、安心している心理的状態。ヒトに拠らず、様々な生物にもこれに相当する状態があるとされる。
[編集] 概要
この状態は、極めて主観的なものである。故に個人・個性の数だけ、その様式が存在し、万人が幸福である状態というのは中々得がたい物である。他方では客観的(または観察者の主観)に於いて不幸(幸福ではない)な状況であっても、それが当人にとって幸福だというのであれば、それは幸福の一形態と呼べる。
又、幸福は相対的なものであり、以前に満たされなかった欲求が満たされれば、それは以前の状態に比べて幸福である。しかし、この欲求の正体が分からず、自分が何を求めているかが理解出来ずに焦燥感に駆られる人も少なくない。この辺りは「曲肱の楽しみ(曲肱:肘枕で寝る事・貧しい事の例え)」等の語が端的に表している通り、楽しい・幸福であるという状態は、その主観において見出す事で、如何なる状況にも転がっているとされている。
なお、基本的人権には幸福追求権が含まれ、これは誰でも等しく幸福になる権利を有していると考えられている。この幸福追求権は、他人の幸福追求権を不当侵害しない限りに於いて、制約される事は無い。だが同時に、当人が当人なりの幸せを追求する目的で、客観的には不幸な状況に進もうとも、それは当人の自由の範疇である。