巨大数
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巨大数(きょだいすう)とは、日常生活において使用される数よりも巨大な数のことである。非常に巨大な数は、数学、宇宙論、暗号理論などの分野でしばしば登場する。天文学的数字と呼ばれることもある。
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[編集] 実社会に登場する巨大数
巨大数は専門的分野において使用されることがほとんどであり、巨大な数や微小な数を処理するために特殊な数学記号が使われている。だが巨大数の中には、実社会に登場するものもある。
実社会に登場する巨大数の例を、次に示す。
- アメリカで一年間に吸われているタバコの本数 (約 1012 本)
- 一般的なコンピュータのハードディスクの容量 (1012 ~ 1013 ビット)
- 人間の体の細胞の数 (1014 個以上)
- 人間の脳のシナプスの数 (約 1014 本)
- アボガドロ定数 (約 6.022 × 1023)
[編集] 「天文学的」な巨大数
巨大数は、天文学の分野にも登場する。
MD5のハッシュキーの長さは128ビットであり、2128 (約 3.402×1038 )通りのハッシュ値をとる。これは非常に良好なハッシュ関数であり、あるドキュメントが特定のハッシュ値をとる確率は 2-128 となっている。これは実質的にはゼロに等しい値である(ただし、誕生日のパラドックスに注意)。
しかしながらこの数は、地球上に存在する原子の総数と比較するとまだまだ小さな数であり、観測可能な宇宙に存在する原子の総数よりも遥かに小さい数といえる。
[編集] 一般の巨大数
急速に発散する関数に、組合せ関数がある。一意な要素の集合についての順列の数である階乗関数は、非常に急速に発散する関数である。
組合せ関数は、統計力学で扱われる巨大数を生成するために使われることがある。統計力学の分野で使用される数は、一般に対数を用いて表される。
- グーゴル (10100) は、本来は グーゴルプレックス (10googol) の概念を構築するために定義された数である。
- センティリオン (米・加では10303、欧州(英連邦)では10600)
- スキューズ数 (第一および第二がある)
- グラハム数 (階乗では表記不能)
- モーザー数
- シュタインハウスのメガ
- シュタインハウスのメジストン
[編集] 計算不可能な巨大数
ビジービーバー関数 Σ は、発散速度が急速であるために計算不可能である関数の一例である。ビジービーバー関数は、引数が比較的小さな値であっても巨大な値を返す関数である。n = 1, 2, 3, 4 に対して、Σ(n) の値はそれぞれ 1, 4, 6, 13 である。Σ(5) は未知であるが、4098以上の値をとる。Σ(6) は少なくとも 1.29×10865 である。
[編集] 無限数
上述の数はすべて非常に巨大な数であるが、それでも有限である。 数学の一部の分野では、無限大や超限数という定義をしている数がある。
- アレフ0 () は、整数の集合の濃度である。
- アレフ1 () は、アレフ0 の次に大きい基数である。
- アレフ () あるいは は、実数の濃度である。命題 は、連続体仮説として知られている。
- 巨大基数 は、ZFCではその存在が証明できないような大きな基数である。例えば、(弱・強)到達不可能基数、マーロ基数、(弱・強)コンパクト基数、可測基数等がある。
[編集] 注釈
巨大な「巨大数」を厳密に定義するため、多くの数学者が独特の表記法を考え出した。
クヌースの矢印(タワー表記)は、指数の積み重なりである指数タワーを記述するための、非常に単純な表記法である。
シュタインハウスの多角形表記やモーザーの多角形表記は、その考え方をさらに拡張したものであり、巨大数を示すために多角形を使用している。
また、その他にもアッカーマン関数や超階乗、モーサー表記、チェーン表記、ハイパー演算子などもある。