小松島市
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小松島市(こまつしまし)は、徳島県のおよそ東部中央、紀伊水道沿岸に位置する市である。
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[編集] 特徴
小松島市は屋島に逃れた平氏を討つために源義経が小松島より上陸したという義経伝説や、阿波狸合戦、金長狸民話などで知られる市である。1980年代後半頃より「太陽と水とみどり豊かな港湾都市」の建設を目指し様々な開発が行われて来たが、旅客航路の撤退等にともない、近年は港を中心とした「港湾都市」から徳島赤十字病院などを中心とした「医療福祉都市」へと変わろうとしている。キャッチフレーズは、「優(YOU)・愛(I)タウン・小松島 -風と光のハーモニーが聞こえる未来(あした)へ-」。
市の中心地は小松島港付近であり、市役所や図書館などはそこに位置する。かつては関西から四国への玄関口として港を中心に二条通や千歳橋筋などの商店街も栄えていたが、国鉄小松島線の廃止、本四架橋による相次ぐ航路撤退などで徐々に衰退。国道55号線沿いに郊外型店舗(主に徳島県下で展開するキョーエイグループなど)が進出した事も衰退した一因となっている。現在は中心市街地活性化の為、東洋紡績小松島工場跡地に徳島赤十字病院を核としたビルが建設中。道路の拡張工事なども各所で行われており、かつての趣を一新しつつある。湾に面したところに小松島競輪場があることでも有名である。
[編集] 地理
徳島県東部、徳島市(県庁所在地)の南に位置し、紀伊水道に面している。国道55号線が市の中央を南北に縦断している。
- 山:日峰山(標高191m)
- 海:紀伊水道、小松島湾
- 川:勝浦川、神田瀬川、芝生川、田野川、天王谷川、立江川、太田川
- 池:菖蒲田池
[編集] 歴史
[編集] 市名の由来
小松島市は、平安時代には、篠原郷(前原、江田付近)、新居郷(新居見付近)、余戸郷(田野芝生付近)があった。このうち篠原郷は一時、京都の仁和寺の荘園であり、この仁和寺は京都の『小松郷』というところにあったために、この名にちなんで『小松島』の地名が生まれたものと考えられている。
[編集] 年表
- 1934年(昭和9年)5月「小」の字を錨で囲んだ図案の市章を定める。
- 1951年(昭和26年)4月那賀郡立江町と合併。
- 1951年(昭和26年)6月1日市制を施行。
- 1956年(昭和31年)9月那賀郡坂野町と合併。
- 1958年(昭和33年)1月小松島港を出航した南海汽船が沼島沖で遭難。
- 1965年(昭和40年)海上自衛隊小松島航空隊が開隊される。
- 1974年(昭和49年)市内唯一の海水浴場、横須海水浴場が閉鎖に。
- 1982年(昭和57年)市立体育館が完成。
- 1985年(昭和60年)3月国鉄小松島線廃止。
- 1991年(平成3年)2月国道55号赤石トンネルが開通。
- 1993年(平成5年)小松島フェリー廃止。
- 1999年(平成11年)南海フェリーが徳島港に発着場を移転、これにより発着航路がなくなる。
[編集] 行政
現在小松島市の財政は危機的状況にあり、このままのペースでいくと2007年度にも財政再建団体に陥る可能性が高い。この為市では財政非常事態宣言を行い、徹底した行財政改革に取り組む姿勢を示している。
[編集] 歴代市長
- 初代 西岡喜平(1951年6月-1957年2月)
- 第2代 酒井(1957年2月-1973年1月)
- 第3代 麻植豊(1973年1月-1977年1月)
- 第4代 麻植豊(1977年1月-1981年1月)
- 第5代 麻植豊(1981年1月-1986年1月)
- 第6代 麻植豊(1986年1月-1989年1月)
- 第7代 西川政善(1989年1月-1993年1月)
- 第8代 西川政善(1993年1月-1997年1月)
- 第9代 西川政善(1997年1月-2001年1月)
- 第10代 西川政善(2001年1月-2005年2月2日)
- 第11代 稲田米昭(2005年2月3日-)
[編集] 経済
[編集] 商業
かつては四国の東の玄関口として栄え、市内中心部には数多くの商店や劇場、宿屋等が軒を連ねていた。その繁栄ぶりは人口規模を遥かに上回るもので、徳島県下では徳島市に次ぐ程のものであったと言われている。しかし、その繁栄も国鉄小松島線の廃止や航路の撤退などで徐々に勢いを失い、中心部の商店街は衰退していってしまった。さらに追い討ちをかけるかの様に車社会が到来。国道55号バイパス沿いに相次いで建設されたロードサイド店に商店街は消費者を奪われ、壊滅的な打撃を受ける事となる。かつては船客や近隣町村の人々で賑わっていた商店街も今では僅かに地元の人が利用する程度。他地域の商店街同様、魅力のある商店街づくりが求められている。
- 大型商業施設
- 主な商店街
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- 二条通商店街(飲み屋やパチンコ店、個人商店などが建ち並ぶ。昔に比べ衰退気味。)
- 千歳橋筋商店街(現在は道路拡張工事の為、更地になっている所が多い。)
[編集] 産業
- 特産品
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- ヤマモモ
- 干し海老
- 竹ちくわ
- フィッシュカツ
- 和田島ちりめん
- 主な企業、工場
[編集] 姉妹都市・提携都市
[編集] 国内
[編集] 海外
- 2006年12月現在なし。
[編集] 地域
[編集] 市内の町
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[編集] 教育
- 高等学校
- 徳島県立小松島高等学校
- 徳島県立小松島西高等学校
- 中学校
- 小松島市立小松島中学校
- 小松島市立坂野中学校
- 小松島市立立江中学校
- 小学校
- 小松島市立南小松島小学校
- 小松島市立櫛渕小学校
- 小松島市立北小松島小学校
- 小松島市立小松島小学校
- 小松島市立児安小学校
- 小松島市立坂野小学校
- 小松島市立芝田小学校
- 小松島市立新開小学校
- 小松島市立立江小学校
- 小松島市立千代小学校
- 小松島市立和田島小学校
- 専門学校
- 小松島赤十字看護専門学校
- 養護学校
- ひのみね養護学校
[編集] 交通
[編集] バス路線
[編集] 一般路線バス
[編集] 高速路線バス
[編集] 高速バス停留所
- 小松島バスストップ
- 大林バスストップ
[編集] 鉄道路線
[編集] 道路
- 高速道路
※現在、高速道路は走っていないものの、四国横断道の延長計画(小松島 - 鳴門間)がある。
- 市内には小松島インターチェンジが前原町付近に建設される予定。
- 一般国道
- 県道
- 徳島県道16号徳島上那賀線
- 小松島市内は以下の各地区を通過している。
- 徳島県道17号小松島港線
- 小松島市内は以下の各地区を通過している。
- 江田町、中田町、小松島町
- 徳島県道22号阿南勝浦線
- 小松島市内は以下の各地区を通過している。
- 車線数はすべて2車線である。橋、トンネル、鉄道交差部はない。市内の南西をかすめる様に走る県道だが、他の自治体を経由せずに小松島市と勝浦町を繋ぐ唯一の県道である。
- 徳島県道28号阿南小松島線
- 小松島市内は以下の各地区を通過している。
- (阿南市) - 櫛渕町、立江町、大林町、赤石町
- 徳島県道33号小松島佐那河内線
- 小松島市内は以下の各地区を通過している。
- 南小松島町、堀川町、神田瀬町、日開野町、田浦町 - (徳島市)
- 徳島県道120号徳島小松島線
- 小松島市内は以下の各地区を通過している。
- (徳島市) - 江田町、中田町、小松島町、松島町、南小松島町、横須町、金磯町、赤石町、大林町
- その他の市内を通る県道
- 徳島県道136号宮倉徳島線
- 徳島県道141号大林那賀川阿南線
- 徳島県道169号中田停車場線
- 徳島県道171号立江停車場線
- 徳島県道178号小松島港南小松島停車場線
- 徳島県道213号二条通新港線
- 徳島県道216号花園日開野線
- 徳島県道217号田野勢合線
- 徳島県道218号和田島赤石線
- 徳島県道273号大京原今津浦和田津線
- 徳島県道274号坂野羽ノ浦線
- 徳島県道276号勝浦羽ノ浦線
- 徳島県道16号徳島上那賀線
[編集] 船舶
- かつては和歌山港と小松島港を結ぶ航路(南海フェリー)と、大阪港と小松島港を結ぶ航路(小松島フェリー)があったが、1993年に小松島フェリーが廃止となり、1999年には南海フェリーも徳島港発着となったため今はない。
[編集] 名所・旧跡・観光スポット・祭事・催事
- 和田島砂嘴(さし)
- 日峰公園
- 弁天山砲台跡
- 四国八十八ヶ所
- 十八番札所恩山寺
- 十九番札所立江寺
- 金長神社(金長大明神)
- 旗山(源義経の騎馬像)
- 義経ドリームロード
- 小松島港祭り
- WALL・ART
- 岬フェスティバル
- どてカボチャコンテスト(現在は行われていない)
- 小松島競輪場
[編集] 出身有名人
[編集] その他
地元では通常「こまっしま」と発音される事が多い。県外の人からは、「こまつじま」と発音される事が多い。
[編集] 関連項目
[編集] 外部リンク
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