小川範子
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小川 範子(おがわ のりこ 、本名吉田 重美(よしだ しげみ)、1973年7月20日 -)は、東京都立川市出身の女優・歌手 。B型。東京都立代々木高等学校、早稲田大学社会科学部卒業。T156,40kg,B74,W59,H78。所属は、東京宝映を経て、現在はブルックカンパニー。子役時代は、結婚による改姓前の本名である谷本重美(たにもと しげみ)として活動。
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[編集] 来歴
[編集] 「Shigemi」
6歳のころから劇団に属し、谷本重美の名で子役として活躍するが、同時におりしもブームを迎えつつあったロリータ写真集のひとつ『Little Angels 少女の詩』(近藤昌良撮影、世文社刊、1980年3月31日)に「SHIGEMI ~ 6歳」として登場。また1981年のロリータ写真集『街には女の子たちがいっぱい』(近藤昌良撮影、群雄社刊、のち笠倉出版社から再販)にも、マグドナルドでポテトを食べている姿で映っている。ロリータモデルのSHIGEMIとしての活動はこの2冊。オムニバス写真集『Little Angels』におけるSHIGEMIの写真は12カットほどあり、一応芸術的な視点から撮影された写真ではあるものの、少女の性器を無修正ではっきり撮る「ワレメブーム」時代のものであり、全裸4カットなど明らかに狙って撮られた写真が掲載されている。これらはのちに「小川範子」としてアイドル人気を得たさなかに「発掘」され、本がプレミア価格となったり、関連写真がさまざまな雑誌に転載されることになった。
[編集] 「谷本重美」
初期の子役としてテレビドラマ「鉄道公安官」(ANB) (1979年)。80年から舞台で活躍、82年よりテレビ出演が増える。1980年は舞台『瓦礫の詩』。1981年にはテレビドラマ『岡っ引きどぶ』(CX)、舞台『曠野の花嫁たち』・舞台『たけくらべ』に出演、そして舞台『青い鳥』では主演。82年にも舞台『マッチ売りの少女』で主演を務める。
1982年からテレビ『噂の刑事トミーとマツ』をはじめ、テレビドラマへの出演が多くなり『大戦隊ゴーグルV』『夫婦さかさま』などを経て、1982年人気番組『やすきよ笑って日曜日』(ANB)にレギュラー出演。同時に、テレビと並んでいくつかの映画にも出ている。1986年には人気ドラマ『特捜最前線』(ANB)「青い殺意・優しい放火魔!」での名演技や、TVのCM『ペプシコーラ/マウンテンデュー』に登場して知られるようになった。特にこの時期、昼ドラマとして異例のヒットを記録したTVドラマ『愛の嵐』1986年(CX)のひかる役でも注目を浴びている。 また、改名直後に出演した『スタンドバイミー~気まぐれ白書~』(TBS)では、主人公である反抗期の少女役を好演している。
[編集] 「小川範子」
1987年より「小川範子」に芸名を変更し、歌手としてもデビュー、本格的なアイドル路線へと進んだ。1987年のテレビドラマ『魔夏少女』から小川範子として出演している。「水曜ドラマスペシャル」で放送された過激なホラー作品『魔夏少女』はその内容が話題を呼び、彼女の存在感もアピールされ、昭和の名作ホラーと長く語り継がれている。また人気番組『3年B組金八先生スペシャル6』(TBS)1987年12月25日放映の「新・十五歳の母」に妊娠する中学生役で出演。人気アイドルとしての地位を確立する。長寿番組となったテレビ朝日「はぐれ刑事純情派」には安浦刑事の娘役で88年からレギュラー出演。このドラマは彼女の代表作となっている。
歌手としては、1987年11月には『涙をたばねて』(トーラスレコード)でデビュー。「こわれる」(1988年7月)「ガラスの目隠し」(1988年11月)とヒットを重ね、この当時、大学学園祭で最も多く招聘された歌手の一人であり、大学生の間で高い人気を誇った。
アイドルとしては、子役として積んできた堅実なキャリアや演技力を核に、意志の強さやプロ根性、真面目な性格といったものをうかがわせ、汚れ役もきちんとこなせる女優であると共に情感のある歌い方の出来る歌手であり、カリスマ的なアイドル人気とは無縁な存在であった。それゆえ、発覚したロリータ時代のヌード写真は、スキャンダル性は非常に大きく、各雑誌に繰り返し掲載されその後の活動に多大な支障をきたした。発覚当時警視庁のポスターに登場することが決定していたが、このスキャンダルのせいかお蔵入りとなった。
歌手デビューして初めて歌った舞台が早稲田祭だという彼女は、入学試験の際、自己推薦入試にて幼少期からの多彩な芸能活動をアピールし、1993年入学。女優と大学を両立させて1997年に卒業した。ゼミは国際人権法。1990年代からマニュアルカメラでセルフポートレートを撮るようになる。 1998年、ひとり芝居『不真面目な17歳』では初めての恋でエイズウィルスに感染した17歳の少女の役を演じる。
2005年7月1日、TBS社員で「スタンドバイミー」制作に関わり交流のあった吉田秋生と結婚。
[編集] 出演
[編集] 映画
- ぼくの熊おじさん (1983年)
- グリーンレクイエム (1985年)
- 雪の断章 (1985年)
- はぐれ刑事純情派 (1989) 東映=テレビ朝日
- WINDS OF GOD (1995)松竹第一興行=ケイエスエス
- なにわ忠臣蔵 (1997) ケイエスエス 松竹
- ドルフィンスイム (2004)*カエルカフェ
[編集] テレビドラマ
- 魔夏少女
- スタンドバイミー~気まぐれ白書~
- 岡っ引きどぶ
- 噂の刑事トミーとマツ
- 大戦隊ゴーグルV
- 夫婦さかさま
- 愛の嵐
- 代議士の妻たち2
- 湯けむり純情~早春恋物語
- ひとりじゃないの
- 夏色の天使(1989)
- ゲーム・ザ・ヘブン(WOWOWのインタラクティブドラマ。 田口トモロヲ共演、秋原正俊制作 - 1993年)
- はぐれ刑事純情派(1988年-2005年)
- チェオクの剣(主人公チェオクの吹き替えのみ担当)
[編集] ラジオ
- Radio THISアイドル茶屋町学園(毎日放送)
- 小川範子 だって15才(ニッポン放送)
- 小川範子 素顔で片思い(ニッポン放送)
- 小川範子 アンバランスヒロイン(文化放送)
- おちゃめな夜だよいたずらレモン(ニッポン放送)
[編集] その他
- ビロードうさぎ (絵本が原作のCDドラマのナレーター)
- No.Ri.Ko (作中でヒロインとして登場。1988年12月4日にPCエンジンCD-ROM2用ソフトとしてハドソンから発売)
[編集] 音楽
[編集] シングル
- 「涙をたばねて」 (1987.11.25) c/w 嘆きの天使
- 「永遠のうたたね」 (1988.3.5)
- 「こわれる」 (1988.7.13) c/w 夜明けのクロスワード
- 「ガラスの目隠し」 (1988.11.15) c/w 頬に、胸に
- 「桜桃記」 (1989.3.8) c/w 翼の跡
- 「夏色の天使」 (1989.7.12)
- 「無実の罪」 (1989.11.15) c/w 矛盾
- 「ひとみしりAngel ~天使たちの Lesson ~」 (1990.3.14) c/w 一番遠い10センチ
- 「バスルームの幻想」 (1990.7.4) c/w 月光線
- 「マリオネットは眠らない」 (1990.12.5)
- 「寝た子を起こす子守唄」 (1991.3.27)
- 「8月のカレンダー」 (1991.9.27)
- 「素直にジェラシー」 (1992.7.22)
- 「恋をしようと思う」 (1993.3.24)
- 「愛されすぎて」 (1993.9.8)
- 「レクイエム」 (1994.11.9)
- 「信じていいよね」 (1995.3.29)
- 「それぞれの愛」 (1995.9.25)
- 「会いたいと思えたらいいね」 (1996.1.25)
- 「GURU・GURU・SURU・YORU」 (1996.4.25)
- 「波のトリコになるように」 (2004.11.21 アニメ「月詠 -MOON PHASE-」挿入歌。別の人が歌う同アニメエンディングテーマ「悲しい予感」と同時収録)
- 「悲歌・宿命」 (2005.12.14)
[編集] アルバム
- 『涙をたばねて~あなたへの独り言~』(ミニ・アルバム)(1987.12.25)
01.独り占め片思い
02.すなおになれたら
03.Chime
04.あなた(朗読)
05.涙(朗読)
06.涙をたばねて
- 『こわれる~好きとつたえて 好きとこたえて~』 (1988.7.24)
01.渓のおくりもの
02.甘い涙
03.水浴プラネット
04.架空の思い出
05.こわれる
06.花のような嘘つきに
07.永遠のうたたね
08.目覚め
09.秋天的童話
10.夜はやさし
- 『ガラスの目隠し~聖らかな夜ひとりで…』(ミニ・アルバム)(1988.12.4)
01.聖らかな夜
02.寂しまぎれ
03.冬の嵐
04.悲しみを愛してた
05.青空に花火
06.ガラスの目隠し
- 『そのとき』 (1989.7.26)
01.夏色の天使
02.砂のページ
03.等身地図
04.夢・星・風
05.イギリス海岸
06.桜桃記(ひとひら)
07.あれが最後のほほ笑み
08.ウイスパー・ダンス
09.星の地図
10.果てしない物語
- 『無実の罪』(ミニ・アルバム)(1989.12.8)
01.ONE SIDED X'MAS
02.恋愛小説
03.無実の罪
04.虹が消えた
05.Dreamy Dynamite
06.午前4時の不眠症
- 『吟遊少女』 (1990.3.28)
01.涙をたばねて
02.永遠のうたたね
03.こわれる
04.ガラスの目隠し
05.駱駝の秘密(朗読)
06.桜桃記~ひとひら~
07.夏色の天使
08.無実の罪
09.ひとみしりAngel ~天使たちのLesson~
10.旅(朗読)
- 『彼と彼女』(1990.7.18)
01.気まぐれ天体(ステラ) SARA PERCHE TI AMO
02.彼と彼女
03.悲しき選択
04.悲しみにかくれて
05.カフェ・カルデサック
06.B.F(ボーイフレンド)
07.バスルームの幻想
08.八月、雨の朝
09.夜の平行線
10.LE POLLEN
- 『好奇心』 (1990.12.5)
01.恋人達のクリスマス・イヴ
02.好奇心
03.可愛い私
04.月光果実店
05.Snow Blue あなたは知らない
06.サスペンス
- 『おもちゃ箱あけない』 (1991.9.27)
01.ひとり想い
02.写真
03.霧雨にMiss You
04.たそがれはピアニッシモ
05.強風波浪注意報発令
06.Sunday Rain
07.8月のカレンダー
08.ゆめ……
09.星に願いを
10.おもちゃ箱あけない
- 『Remix Best 八月のカレンダー』 (1991.12.20)
- 『どうしてこんなに好きなんだろう』 (1992.8.12)
01.どうしてこんなに好きなんだろう
02.恋より嬉しい雨はない
03.かきかけの手記のように
04.それでも好き
05.雨の休日
06.今日の日を胸に忘れない
07.これでいいの
08.素直にジェラシー
09.あたたかなほほえみ
10.橋
- 『小川範子サマー・コンサート'92 Dix Neuf Ans』(1992.10.28)
- 『リクエスト』(ミニ・アルバム)(1992.12.2)
- 『恋をしようと思う』(1993.9.29)
01.風の中で
02.彼女(オードリー)になりたい
03.恋をしようと思う(with strings)
04.愛されすぎて
05.おばあちゃんの老眼鏡
06.二度と眠れない
07.禁じられた愛情
08.BLUE SKY
09.もう一度会いたい
- 『湿地帯と金魚』 マキシ・シングル Ogawa
- 『人喰い』 Ogawa (2000.7.20)
- 『ホオズキ』 Ogawa (2001.10.7)
- 『ただ愛のために~Aimez-moi pour amour~』(2002.11.30)
- 『LIVE NORIKO OGAWA IN GLORIA CHAPEL』ライブDVD 2003/3/21キリスト品川教会
[編集] 書籍
- 写真集『こわしたくない…』(講談社)1988年
- 写真集『季節絵日記』(ワニブックス)1989年
- 吟遊少女 (CBS・ソニー出版)1989年
- 写真集『TAKAN』(白泉社)1990年
- 小川範子のおっこらせ日記 フォトエッセイ集(角川書店)1990年
- 夢・シンフォニー 小川範子(文)+おおた慶文(画) (白泉社)1991年
- 月刊 小川範子(新潮社)(写真 藤代冥砂)2000年