専門職大学院
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専門職大学院(せんもんしょくだいがくいん)とは、「大学院のうち、学術の理論及び応用を教授研究し、高度の専門性が求められる職業を担うための深い学識及び卓越した能力を培うことを目的とするもの」のことである(学校教育法第65条第2項)。
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[編集] 概要
大学院は、学術の理論及び応用を教授研究し、その深奥をきわめ、又は高度の専門性が求められる職業を担うための深い学識及び卓越した能力を培い、文化の進展に寄与することを目的としている(学校教育法第65条第1項)。専門職大学院は、大学院のうち、高度専門職業人の養成などを行うものである。
専門職大学院の課程は、「各大学におかれる大学院」に専門職学位課程(専門職学位課程については大学院の項目を参照のこと)をおくことで設けられる。専門職学位課程(専門職大学院の課程)の標準修業年限は、通例2年であるが、専攻分野の特性により特に必要があると認められる場合は、1年以上2年未満である。修了するには、各専門職大学院が定める30単位以上の修得その他の教育課程の履修により課程を修了することとされている。
専門職大学院には、担当する専門分野に関し高度の教育上の指導能力があると認められる専任教員を、専攻ごとに一定数置くものとされている。この専任教員には、博士の学位は、法令上は求められていない。
専門職大学院であって、法曹に必要な学識及び能力を培うことを目的とするものは、法科大学院と呼ばれる。法科大学院の課程の標準修業年限は、通常の専門職学位課程(専門職大学院の課程)と異なり、3年である。法科大学院の課程を修了するには、93単位以上の単位を修得しなければならない。
専門職大学院の課程を修了すると授与される学位は、専門職学位とされ、法科大学院の課程を修了すると「法務博士(専門職)」の学位が、その他の専門職大学院の課程を修了すると「○○修士(専門職)」(○○内は専攻分野)の学位が授与される。法科大学院の課程を修了して授与される専門職学位は、呼称上はアメリカ合衆国のロー・スクールにならい、「博士」となっている。もっとも、法科大学院の課程を修了して研究者を志望する者は、現在の制度では博士後期課程に進学することから、この場面では修士と同等に扱われることになる。
[編集] 主な専門職大学院
専門職大学院には、次のようなものがみられる。
- 法科大学院 - 法曹養成のための大学院で、修了者は司法試験を受験できる。
- 会計大学院 - 会計分野を中心に展開する大学院で、修了者は公認会計士の受験科目が一部免除される。
- 公共政策大学院
- 技術経営大学院 - MOT(技術経営)を専門とする大学院。
- 公衆衛生大学院
- 教職大学院
[編集] 専門大学院
専門大学院(せんもんだいがくいん)は、専門職大学院の制度を定めるときに母体となった制度である。「高度の専門性を要する職業等に必要な高度の能力を専ら養うことを目的とする修士課程」をいった。専門職大学院制度の創設とともに廃止された。
[編集] 関連項目
[編集] 外部リンク
- 全国専門職大学院リンク (京都大学大学院医学研究科社会健康医学系専攻健康要因学講座)
- 専門職大学院設置基準(平成15年文部科学省令第16号) (文部科学省)
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