大学院大学
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大学院大学(だいがくいんだいがく)とは、大学院を中心とする大学のことである。
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[編集] 概要
通例、大学院大学とは、学校教育法(昭和22年法律第26号)の第68条に規定がある学部(学部以外の教育研究上の基本となる組織を含む)をおくことなく大学院をおく大学のことを指す。独立大学院大学(どくりつだいがくいんだいがく)ということもある。なお、このような大学におかれる大学院は、独立大学院(どくりつだいがくいん)という。なお、すでに廃止された法律であるが、国立学校設置法(昭和24年法律第150号)では、国立の大学院大学のことを「国立大学院大学」と称していた。大学院大学には、国際大学(IUJ)のような人材開発のための民間レベルでのものもある。
また、大学院大学は、学部を持つものの大学院に重点をおいている大学のことを指す場合もある。大学内のすべての教育研究組織が大学院重点化(部局化)を完了している国立大学には、いわゆる旧7帝国大学および筑波大学、広島大学、一橋大学、東京工業大学、東京医科歯科大学の12大学がある。また1990年代以降日本全国で進められている大学院重点化の結果、博士の学位を有する者の数が増加する一方で、大学の教員や公的機関の研究者などのポストは増えていない。そのため2003年には、大学院の博士課程(博士後期課程など)の修了者(課程博士)の就職率が54.4%になるなど、博士の学位を有する非就業者である「余剰博士」(オーバードクター)の増加が社会問題化している。このような状況を受けて文部科学省は、2005年から、博士課程修了者の就職問題対策をとることを決定した。
なお、アメリカ合衆国の大学の医師の養成課程のように、学部 (undergraduate) の医学部 (faculty of medicine) というものがそもそも存在せず、メディカル・スクール (medical school) といった場合(それは医学部ではなく「医科大学院」なのではないかといった場合)においては、メディカル・スクールが日本の医学部に相当するので、特に大学院大学という言い方にはならない。
2003年度に専門職大学院の設置が認められたことにともない、大学院は、単なる教育と研究のみを目的する組織に留まらず、高度専門職業人の養成を重視するという側面も持つようになった。専門職大学院には、法科大学院、公共政策大学院、会計大学院などの設置が進んでおり、アメリカ合衆国の制度を参考にしつつ新しい試みが行われている。特に2003年度以降においては、学部(相当組織を含む)をおくことなく大学院をおく大学が増加しているため、近年では、大学院大学の意味は、「学部を持ちつつ大学院に重点をおく大学」のことではなく、「学部(学部以外の教育研究上の基本となる組織を含む)をおくことなく大学院をおく大学」のこととされることが増えてきている。
[編集] 大学院大学の一覧
学部(学部以外の教育研究上の基本となる組織を含む)をおくことなく大学院をおく大学。
[編集] 国立大学
- 北陸先端科学技術大学院大学 (JAIST)
- 奈良先端科学技術大学院大学 (NAIST)
- 沖縄科学技術大学院大学(OIST)
- 総合研究大学院大学 (SOKENDAI)
- 政策研究大学院大学 (GRIPS)
[編集] 公立大学
- 産業技術大学院大学(AIIT)
- 情報科学芸術大学院大学 (IAMAS)
[編集] 私立大学
- 京都光華女子大学院大学
- 映画専門大学院大学
- LCA大学院大学
- 大宮法科大学院大学
- 京都情報大学院大学
- グロービス経営大学院大学
- 神戸情報大学院大学
- カーネギーメロン大学日本校
- 国際大学 (IUJ)
- 国際仏教学大学院大学 (ICABS)
- 事業創造大学院大学
- 情報セキュリティ大学院大学
- 桐朋学園大学院大学
- 日本教育大学院大学
- 光産業創成大学院大学
- ビジネス・ブレークスルー大学院大学
- 文化ファッション大学院大学
[編集] 大学院重点化による大学院大学
[編集] 関連項目
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