安息香酸
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安息香酸 | |
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IUPAC名 | 安息香酸(許容慣用名) ベンゼンカルボン酸(系統名) |
別名 | |
分子式 | C7H6O2 |
分子量 | 122.12 g/mol |
CAS登録番号 | [65-85-0] |
形状 | 無色固体 |
密度と相 | 1.3 g/cm3, 固体 |
相対蒸気密度 | (空気 = 1) |
融点 | 122 ℃ |
沸点 | 249 ℃ |
昇華点 | ℃ |
SMILES | C1CCCCC1C(=O)O |
出典 | ICSC |
安息香酸(あんそくこうさん、英:Benzoic acid、独:Benzoesäure)は、芳香族化合物でカルボン酸の一種。ベンゼンの水素原子1個がカルボキシル基に置換された構造を持つ。酸性 (pKa = 4.2)。
ユストゥス・フォン・リービッヒとフリードリヒ・ヴェーラーにより、1832年に構造決定がなされた。
安息香(ベンゾイン)は香料として用いられる樹脂の一種であり、この中に安息香酸のエステルが多いことからこの名がとられた。
安息香酸のカルボキシル基に対してオルト位の水素原子がヒドロキシル基に置換されると、サリチル酸となる。
安息香酸はアルキル側鎖を1つ持つ芳香族(たとえば、トルエンやエチルベンゼン、クメンなど)を酸化することで得られる。この反応ではベンゼン環に隣接する水素-炭素間の結合が攻撃される。ベンジル位に C−H 結合がない場合はベンゼン環が酸化される。 また、ベンズアルデヒド (C6H5CHO) の酸化によって得ることも出来る。
抗菌作用があるので、水溶性のナトリウム塩、安息香酸ナトリウムなどは飲料等の保存料として使用されている。
ドイツ連邦リスク評価研究所 (BfR) の報告によれば、清涼飲料水中に安息香酸とアスコルビン酸が共存する場合には微量のベンゼンが生成する可能性があり、生成量は pH、温度、他の不純物(主に金属イオンが影響するものと思われる)、紫外線の影響を受けるという[1][2]。
ベンゼンの暴露は各種のガンや骨髄性白血病のリスクを高めるが、試験結果によればベンゼン濃度は最大でも 20 ppb 程度に留まり、BfRも現時点でのリスクは評価できないとしている。
なお、ベンゼンの摂取許容量(時間荷重平均濃度 1 ppm、40年暴露での白血病リスク増加はみとめられなかった)を定量的に考慮すると、直ちに健康被害が発生するとは考えづらい。