吉岡秀隆
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
吉岡秀隆(よしおか ひでたか、1970年8月12日 - )は、日本の俳優。埼玉県出身。亜細亜大学中退。元妻は、女優の内田有紀。
目次 |
[編集] 来歴・人物
5歳で劇団若草に所属し間もなくテレビ時代劇『大江戸捜査網』でデビュー。1977年、野村芳太郎監督の『八つ墓村』で萩原健一演じる主人公・寺田辰弥の少年時代役を演じ、映画初出演。その後山田洋次監督に見出され『男はつらいよ』第27作「浪花の恋の寅次郎」から最終作の特別篇まで寅次郎の甥満男役でレギュラー出演した。
また1981年より2002年までフジテレビの看板シリーズだった『北の国から』に黒板純役でレギュラー出演。その後も山田洋次監督や『北の国から』製作スタッフ出身の監督・脚本家の作品に数多く出演し、またCM・映画などの声の出演も増えている。
体の線が細く、それもあいまって繊細な演技が持ち味。思い悩む青年を演じさせると右に出るものはいない。 芸能人でありながら、ほぼ一般人に近いイメージを持つ。普段も見たままの物静かな性格であるが、小さい頃から黒澤明や山田洋次、杉田成道など厳しいと有名な監督らと仕事をしているためか『良い作品』を作る意識が人一倍高いらしく、撮影に入るととても熱くなると言われている。 また、トーク番組などにはほとんど出演したことがなく、現在は数少なくなった本格派の俳優と言える。だが、たまに出演するドラマのメイキングドキュメントなどでは、明るい一面もさらけ出している。
2002年に『北の国から2002遺言』で共演した元歌手・女優の内田有紀と結婚し、『北の国から』の舞台・富良野市での挙式が話題になったが、2005年12月21日に離婚。わずか3年の結婚生活だった。華やかな内田に吉岡の性格が合わなかったとも、長期ロケが多い吉岡の生活に内田がついていけなかったことが理由とも(それが理由だとしたら最大の要因は『Dr.コトー診療所』であるとも)言われている。
歌手でもあり、映画『ラストソング』で演じた一也の歌った「ラストソング」は彼自身の作詞作曲である。
[編集] 逸話
- 『ラストソング』撮影の際、監督の杉田成道から、「ギターを練習しろ」と言われ練習していると、今度は「だったら曲を作れ」と言われ戸惑いながらも作った曲が、他の候補曲を退け主題歌、劇中歌として使われた。杉田は、「吉岡の歌がせつなくて心に響くいい歌なのを知っていたので、彼に作詞・作曲もしてもらいました」と語っている(『キネマ旬報』2005年 11月下旬号より)。
- 『学校II』で養護学校の生徒を演じる際、中学時代の恩師に頼み三日間実際に養護学校に転入した。
- 『四日間の奇蹟』に出演した際には、『北の国から』のイメージが強いことから原作で雪山のシーンだった部分を、映画では海辺に変更されている。監督曰く、雪山に吉岡がいると黒板純になってしまうからということらしいが、吉岡本人は「海辺ではコトーになってしまうと思う」と語っている。
[編集] 交流関係
- 尾崎豊とは、「オレのことを兄と思ってくれていいよ」と故人に言われるほどの仲だった。今でも尾崎からもらったネックレスをプライベートでは常につけている。
- 『男はつらいよ』での共演者たちを慕っている。倍賞千恵子とは今でもつきあいが深く特技のマッサージをよく頼まれるらしい。また『ALWAYS 三丁目の夕日』で日本アカデミー賞最優秀主演男優賞を獲った際の受賞コメントで、渥美清に感謝の言葉を述べている。
[編集] 主な出演作品
[編集] テレビドラマ
- 愛の償い(1976年、TBS)
- ドラマ人間模様「絆」(1980年、NHK)
- 金曜劇場「北の国から」(1981年、フジテレビ)
- ドラマスペシャル「北の国から」(1983年 - 2002年、フジテレビ)
- 東芝日曜劇場「くもりのちハーレー」(1988年、TBS)
- ドラマスペシャル「1970 ぼくたちの青春」(1991年、フジテレビ)
- 年末時代劇スペシャル「忠臣蔵 風の巻 雲の巻」(1991年、フジテレビ)
- フジテレビ開局40周年記念番組「少年H」(1999年、フジテレビ)
- BSドラマアベニュー「喪服のランデヴー」(2000年、NHK衛星第2)
- Dr.コトー診療所シリーズ(2003~06年、フジテレビ)
- drama W「心の砕ける音~運命の女~」(2005年、WOWOW)
- 死亡推定時刻(2006年、フジテレビ)
[編集] 映画
- 八つ墓村 (1977年)
- 遥かなる山の呼び声(1980年)
- 男はつらいよシリーズ(1981~95年)
- キネマの天地(1986年)
- 優駿 ORACION(1988年)
- 八月の狂詩曲(1991年)
- リトル・シンドバッド 小さな冒険者たち(1991年)
- まあだだよ(1993年)
- ラストソング(1994年)
- 青空に一番近い場所(1994年)
- 学校II、III(1996、98年)
- 虹をつかむ男(1996年)
- 虹をつかむ男 南国奮斗篇(1997年)
- 鉄道員(1999年)
- 雨あがる(2000年)
- ジュブナイル(2000年)
- 釣りバカ日誌12 史上最大の有給休暇(2001年)
- 海は見ていた(2002年)
- 阿弥陀堂だより(2002年)
- 障害者イズム このままじゃ終われない -自立への2000日-(2003年)※ナレーション
- 半落ち(2004年)
- 隠し剣 鬼の爪(2004年)
- 花とアリス(2004年)※声のみ
- またの日の知華(2005年)
- 四日間の奇蹟(2005年)
- ALWAYS 三丁目の夕日(2005年)
- 博士の愛した数式(2006年)
- ダメジン(2006年)
- ALWAYS 続・三丁目の夕日(2007年)
[編集] 劇場版アニメ
- 雲のむこう、約束の場所(2004年)
[編集] ナレーター
- スキマの国のポルタ(2006年、NHK教育テレビ)
[編集] CM
- NTT 企業(松たか子共演 1996年)
- SHARP エコロジーライフ宣伝キャンペーン(ナレーション 2004年)
- サントリー「鏡月グリーン」(2004年)
- NTT東日本「あたりまえを、もっと、ずっと」(ナレーション 2005年)
- NTT東日本「光で、安心を、もっと。」(ナレーション 2006年)
[編集] CDシングル
- ラストソング(1994/01/07)
- 月(1994/04/21)
[編集] CDアルバム
- ラストソング オリジナルサウンドトラック(1994/01/21)
- 分岐点(1994/05/20)
- つづく(1996/03/21)
- 裏(2002/07/24)
[編集] 受賞歴
- 第14回日本アカデミー賞優秀助演男優賞(1991年)
『男はつらいよ ぼくの伯父さん』『男はつらいよ 寅次郎の休日』
- 第18回日本アカデミー賞優秀助演男優賞/話題賞(1995年)
『ラストソング』
- 第51回毎日映画コンクール 男優助演賞(1996年)
『学校Ⅱ』
- 第20回日本アカデミー賞優秀助演男優賞(1997年)
『学校Ⅱ』
- 第28回日本アカデミー賞優秀助演男優賞(2005年)
『隠し剣 鬼の爪』
- 第29回日本アカデミー賞最優秀主演男優賞(2006年)