友野詳
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友野詳(ともの しょう、1964年 - )はグループSNE所属のゲームデザイナー、小説家である。大阪府出身。大阪府立大学卒業。
汎用世界テーブルトークRPG『ガープス』第3版の日本版のサンプルワールドとして発表された「ルナル」、ギャグファンタジー世界「ファイブリア」、古代中国風の仙人世界「央華」、山本弘と組んで制作した現代社会に生きる妖怪を描いた「妖魔夜行」など、さまざまな作品世界を創造。それを舞台とするゲームや小説を多数発表している。
目次 |
[編集] 概略
1990年代前期、角川書店より発行されていた『コンプRPG』誌(後の『ゲームクエスト』)でのガープスの展開とともに注目を集め、同中期に『ルナル・サーガ』や『妖魔夜行』シリーズでのリプレイや小説を担当している。これに先立つソード・ワールドRPGの展開においては、アザーン諸島の設定を抜け駆けで作り上げ、諸先輩に認めさせてしまうという奇功を立てている。アザーン諸島の設定は2006年現在展開中の『猫の街の冒険』(清松みゆき一門が牽引する、中原を舞台としたソードワールドリプレイの最新作)の誕生にも繋がっている。短編小説の分野では『瞳輝ける夜』を執筆した。
特撮番組の愛好家としても知られ、特撮番組の悪の幹部を彷彿とさせる著作あとがきでの高笑い(作品によっては忍び笑い)は代名詞の一つとなっている。また、自己紹介では「(目標が)600万部の男」と自称していた。これらは単なる趣味や大言壮語に留まらず、敵側サイドの物語を描く際にほの暗さをふっと吹き込む独特のカラー、他作品のあからさまなパロディ化やクロスオーバー的展開を平気で行ってしまう大胆な筆運びとなって作品に現われている。この道化となること怖がられることも厭わずの姿勢はイベントなどでも貫かれており、JGC1997においては『執筆戦士ショウブレード』なるキャラクターを誕生させ、会場を沸かせていた(同イベントにおいてはこのほかにも、ルナルイベントにおいて熱心なファンのあからさまに狙ったボケに対してきっちりツッコミを入れたり、悪ふざけめいた記念写真を撮影するなど、道化として盛り上げた実例は数多い)。こうしたキャラクターには業界内でも定評があり、近年ではJGC閉会式でトークを披露するのが定番となっている。 1990年代後期以降、『ドラゴンマーク』シリーズを手がけるなど作品の幅をさらに広げている。
また、SFファンでもあり、大学の学部を選択する際、『宇宙船ビーグル号の冒険』にちなんで「総合科学部」(同作の主人公が部長を務める部門と同名)にした、というエピソードを本人が披瀝している(なお、学部統廃合により、現在は同学部は存在しない)。
1997年、毎日放送のラジオ番組『グーチョキパー アニゲでポン』内のコーナー「友野詳の電撃大将」(文化放送「電撃大賞」と混同されることが多い)にレギュラー出演。
[編集] 作品
[編集] 小説
[編集] ファイブリアシリーズ
いずれも角川スニーカー文庫。
- コクーン・ワールド
- 黄昏に踊る冒険者
- 真夜中に騒ぐ冒険者
- 夜明けに笑う冒険者
- ティルト・ワールド
- 天下無敵の冒険者
- 縦横無尽の冒険者
- 天地無用の冒険者
- アビス・ワールド
- 冥土に羽ばたく冒険者
- 魔界に夢見る冒険者
- 奈落にときめく冒険者
- ラスト・オブ・ファイブリア かくも偉大な冒険者
- ファイブリアと呼ばれる異世界を舞台としたギャグファンタジー。SNEの看板作品であるソード・ワールドRPG等の舞台となる世界フォーセリアのパロディでもある。
[編集] ルナル
七つの月のある異世界「ルナル」を舞台としたファンタジーシリーズ。
- ルナル・サーガ(角川スニーカー文庫])
- 赤い瀑布
- 青い聖堂
- 黒の海流
- 緑の迷路
- 銀の深淵
- 白い峻嶺
- タイトルの色は、ルナルの七つの月のうち「万色の彷徨いの月」を除く六つに由来。
- ルナル・サーガ完結篇(上下巻)
- ルナル・サーガ外伝(角川スニーカー文庫)
- 虹色の予兆
- 影色の追跡
- ルナル・ヒーローズ(角川スニーカー文庫)
- <龍>を守る者
- ルナル・ヒーローズは、ルナル・サーガの補完作的位置づけにある友野を含めた3名の著者による短編作品集である。あとがきにはシリーズ化を予定しているとあったが、実際には最初の1冊しか出なかった。
- ルナル・ジェネレーションズ(角川スニーカー文庫)
- 月の夜は謎を追え!
- バドッカの牙を折れ!
- 奇跡の光を探しだせ!
- ルナル・ジェネレーションF
- ルナル・ジェネレーションズはRPG版ルナル・サーガのサンプルキャラクターを主人公としたシリーズ。ザ・スニーカー誌で1990年代中期から後期に連載され、キャラクターおよび佐々木亮の四コマ漫画の醸し出すほのぼのとした雰囲気が好評であった。
- カルシファード青嵐記(角川スニーカー文庫)
- 風は吹きはじめた!
- 風雲の王城で
- 嵐をつきやぶれ!
- 風は砕けるか?
- カルシファード緋炎伝(角川スニーカー文庫)
- 炎、緑に燃ゆ
- 黒き焔の轟き
- 熱き銀の誓い
- 黄金の輝きを!
- ルナル・サーガの舞台となったリアド大陸の辺境に位置する島国カルシファード侯国を舞台とした作品。日本の幕末時代をモデルとした世界設定となっている。カルシファード関連の企画はゲームクエスト誌の末期から開始された。同誌もタイアップした1997年8月のJGC’97においては読者参画企画「カルシファード大軍議」が行われ、その後のサポートが期待されたが、ゲームクエストが休刊となったため雑誌で展開を追うことはできなかった。
[編集] 妖魔夜行・百鬼夜翔
[編集] 央華封神
[編集] その他
- 無法の牙(集英社スーパーファンタジー文庫)
- 妖人舞曲
- 夢限の都
- ドラゴンマーク(富士見ファンタジア文庫)
- 若き竜の覚醒(めざめ)
- 竜たちの戦場
- 竜よ、大地に吠えよ
- 竜が孵るとき
- 暗闇の竜と迷宮
- 竜は海原を燃やす
- ミラー・エイジ(グループSNEリレー小説)
- 第4話 赤いまなざし
[編集] テーブルトークRPG
- ガープス・ルナル(角川スニーカー文庫、角川スニーカーG文庫)
- ガープス・ルナル(完全版)
- ガープス・ユエル
-
- 鬼面都市の冒険(角川スニーカー文庫、角川スニーカーG文庫)
- ガープス・ルナル・モンスター(角川スニーカーG文庫)
- 月を追うものたち
- ガープス・ルナル・リプレイ第1部 四姉妹編(上下巻)
- ガープス・ルナル・リプレイ第2部 銀色の闇編(上下巻)
- ガープス・ルナル・リプレイ第3部 闇色の刻編(上下巻)
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- ルナル・サーガリプレイ 時の狂気篇(富士見ドラゴンブック)
- ルナル・サーガリプレイ 魔獣の夢篇
- ガープス・ルナル・リプレイ青嵐の島篇(上下巻)
- ルナル・サーガリプレイ 天空の蹄篇
- ガープス・ルナル・リプレイ月に至る子(全3巻)
- ガープスの版権が富士見書房に移ってからのもの。物語や登場人物は角川版から引き継がれている。
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- ルナル・サーガ・パーフェクトコレクション
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- ユエル・サーガリプレイ第1部 (全3巻)
- ルナルは友野の看板作品といえるシリーズである。リプレイは1990年代前期から中期にかけて、コンプRPG誌に連載され各種のサプリメントとともに角川G文庫から出版された。その後コンプRPG、ゲームクエストの休刊後は富士見ドラゴンブック作品が発表されている。コンプRPGでの連載末期には、読者からリプレイに登場したキャラクターのその後を投稿原案として受け付けるコーナーなどもあった。
- ユエル・サーガは、ルナル・リプレイ完結編である「月に至る子」編の結末を受ける形で、別の大陸ジャナストラが舞台となっている。時代設定はルナルの200年以上後となっているが、ルナルのキャラクターも幾人かNPC(ノン・プレイヤー・キャラクター)として登場する(作中では明言は避けているが)。また、完全版ルールに対応している。
- 妖魔夜行(角川スニーカーG文庫)
- 妖怪秘聞
- 妖魔荘の怪事件
- 戦慄のチェスゲーム
- 友野はコンプRPG、ゲームクエストにおいて妖魔夜行の読者投稿コーナーを担当している。ここで採用されたキャラクターは後に、リプレイにプレイヤーキャラクターとして登場し、妖魔夜行世界の幅を広げた。また未確認ながら、ガープス妖魔夜行に対応して作られた読者投稿データを実験するために製作されたと思しきシナリオも掲載されている。採用とはならずとも、場を沸かせたり読者オリジナルの妖魔夜行世界を広げる役を果たした投稿もあり、作者、読者のいずれからも非常に愛された、また有意義なコーナーであったと言って差し支えあるまい。
- 百鬼夜翔(角川スニーカー文庫、富士見ドラゴンブック)
- 央華封神(電撃ゲーム文庫)
- 妖怪どもをぶっとばせ!
- 空の果てまで飛んでいけ!