即席爆発装置
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即席爆発装置(そくせきばくはつそうち)/IED(Improvised Explosive Device)とは、あり合せの爆発物と起爆装置等で作られた正規の兵器でない簡易手製爆弾の総称である。
道路脇などに仕掛けられたIEDを一般に路肩爆弾、道路脇爆弾、路上爆弾(英語では"Roadside bomb")などと呼んでいる。
車両に搭載・設置されたIEDはVBIED(Vehicle Borne IED/車両運搬式即席爆発装置)というが、一般には車爆弾、自動車爆弾と呼ばれる。
概念・実例は古くからあるが、IEDの呼称はイラク戦争時から用いられるようになった。
[編集] 概要
最近ではテロリストや非正規の武装勢力が密造・使用する事が多く、チェチェン紛争ではロシア連邦軍、アフガニスタンやイラクでは駐留するアメリカ軍を始めとした治安維持部隊などを狙った攻撃の際に頻繁に使われており、爆発物には榴弾砲や迫撃砲といった大砲の砲弾や、地雷などが主に使われている。使用する際は道路下か道路脇に隠すように設置・埋設し(偽装されている場合が多い)、車両等がIEDの側を通過するのを見計らって携帯電話等を使い起爆させている模様である。威力については使われる爆発物やその数により差異があるが、真下で爆発した場合は装甲戦闘車両をも戦闘不能(横転も含む)にさせる事がある。また、複数のIEDを埋設し、一回目の爆破で被害にあった車両を救出・捜索に来た人間を、二回目の爆破で攻撃するといった戦術も使われている。