化製場
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
化製場(かせいじょう)とは、死亡した家畜の死体などを処理する施設の総称。法律及び業務内容から、死体の解体及びその後の埋却もしくは焼却のみを行なう「死亡獣畜取扱場」と、真の意味での化製場(後記参照)とに分けられるが、殆どの場合は一つの施設で両方の役割を担っている事が多い。
設置に際しては「化製場等に関する法律」に基づいた都道府県知事の許可が必要になり、鶏などの家禽及び魚介類のみを扱う場合でもこの法律が準用される。また、原料の調達はその会社自らが行なっている場合が多く、原料を運ぶ車輌はそれ専用の物が必要となる。このため、「動物質原料運搬業」の営業許可を併せて取得している場合が殆どである。
施設の外見は普通の工場と大差はないが大雑把に言うと、家畜を食用目的でと殺する際に生じた食用に適さない部分(内臓や骨など)を主な原料として油脂類・ゼラチン類のほか、石鹸・ペットフード・肥料・化粧品の原料、及び肉骨粉などを製造する工場である。原料はこの他に食肉加工場でトリミング(形を整えたり、重量を揃えるための行程)を行なう際に生じた屑肉や余分な脂肪、食用目的でと殺する前に農場で死亡した家畜の死体そのもの(感染症で死亡したものは除く)なども含まれている。
食肉の生産に伴う残渣を処理するために古くから存在している重要な施設であるが、施設そのものや名称自体に馴染みが薄かった。しかし、BSEが社会問題化した際に注目を集めるようになった。