劇場版ポケットモンスター ミュウツーの逆襲
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劇場版ポケットモンスター ミュウツーの逆襲(げきじょうばん - ぎゃくしゅう、POCKET MONSTERS MEWTWO STRIKES BACK!)は、テレビアニメ「ポケットモンスター」の映画版第1作目である。同時上映作品は「ピカチュウのなつやすみ」。
ポケモンの映画化は以前から計画があったものの、1997年のポケモンショックによって、計画が一時危ぶまれた。しかし、放送再開後もポケモンの人気は衰えておらず、ポケモンの劇場版公開を待ち望む声は高かった。 日本では、1998年7月18日に公開。同時上映「ピカチュウのなつやすみ」。 日本国内の観客動員数は、のべ650万人を記録し国内興収は80億円、配給収入は41億円を記録した。また、本作は全世界で公開され、1999年11月12日にアメリカで「Pokémon The First Movie」として全米約3000の映画館で公開され、興行収入8000万ドルを記録し、日本映画初の週間興行ランキング初登場第1位という偉業を成し遂げた。
また、誕生して間もない頃のミュウツーを描いたラジオドラマを収録したCD「ミュウツーの誕生」、誕生して間もない頃のミュウツーのシーンと、所々でCGへの差し替えがなされたビデオ「ミュウツーの逆襲 完全版」が発売された。なお、後に発売されたDVD版はこの完全版が収録されている。さらにこの映画の続編「ミュウツー! 我ハココニ在リ」がテレビで放送され、こちらもビデオ版・DVD版が発売されている。
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
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[編集] ストーリー
幻のポケモン・ミュウのまつ毛を元に人間によって作られたポケモン「ミュウツー」はどうして自分は生まれたのか、どうして自分は此処にいるのか、「自分は一体何者なのか」と、自分自身の存在に苦しんでいた。そして、自分を作った人間たちに対しての逆襲をし始める。一方サトシ達は、最強のポケモントレーナーに招待され、絶海の孤島にあるその城に向かう。そのトレーナーがミュウツーである事も知らずに…。自分という存在のあり方、命の尊さを教えてくれる感動大作。
[編集] 評価
ポケモン初の劇場版である。ポケモンショックなどもあり、無事に公開されるのかと当初から話題は絶えなかった。しかし、作品としては賛否両論がある。戦闘描写がドラゴンボールチックであったり、ストーリーが単調であったり、これといって主人公に見せ場がないのが直接的に作用していると思われる。
もともと、テレビ放映の内容を踏まえた上でのストーリーとなるはずのものが、ポケモンショックでストーリーの進行が予定より大幅に遅れしまいテレビ放映の内容を一部先取りする構成となってしまった。そのため続篇や前史を知ることによってストーリー性が増し、ひとつの作品となるので、単発映画としてはやはり中篇的要素や外伝的部分が多い。
どちらかというと、アニメのレギュラーシリーズとは別のミュウツーサーガとして確立させた作品として評価すべきであるといえる。
[編集] 主な登場キャラクター
- サトシ(声優:松本梨香)
- アニメの主人公。世界一のポケモンマスターを目指して旅立つ。お調子者で、常に強いポケモントレーナーと戦う事を望む。前途有望のポケモントレーナーと見込まれて、最強のポケモントレーナーのいる城に向かう。現在、セキエイリーグベスト16の戦歴を持つ。
- ピカチュウ(声優:大谷育江)
- サトシのポケモン。電気ネズミ。モンスターボールに入る事を嫌い、移動の際はサトシの肩に乗るか、歩く。
- カスミ(声優:飯塚雅弓)
- ハナダシティジムの美人4姉妹の末っ子。自称「おてんば人魚」。10歳だが、露出度の高い服を着ている。水ポケモンが好きで虫ポケモンが嫌い。サトシに壊された自転車を弁償してもらう為にサトシについていく。威張った感じの女の子。
- トゲピー(声優:こおろぎさとみ)
- 体がタマゴの殻に包まれた赤ちゃんポケモン。カスミを親と思い込み、カスミに大事にされている。
- タケシ(声優:上田祐司)
- ニビシティジムのリーダー。世界一のポケモンブリーダーを目指してサトシの旅についていく。岩ポケモンを使う。家族全員目が細く(母除く)、兄弟が数人いる。美人に弱い。
- ムサシ(声優:林原めぐみ)
- ロケット団の一員。サトシのピカチュウをゲットする為に卑怯な手を使うが、常に失敗する。姉御肌だが、いつも周りの人を振り回す困ったさん。
- コジロウ(声優:三木眞一郎)
- ロケット団の一員。ムサシと共にサトシのピカチュウをゲットしようとする。ムサシにきつく言われる事が多い。お金持ちの家に生まれ、ムサシに酷似した許嫁との結婚を押しつけられるが、それがいやでロケット団に入る。
- ニャース(声優:犬山犬子)
- 2足歩行して人間の言葉を喋るばけねこポケモン。ムサシとコジロウのペット的存在。辛いラヴストーリーを背負っている。
- ウミオ(声優:高木渉)
- 水ポケモンの使い手。ギャラドスに乗って海を渡りハリケーンを乗り越え、城にやってきた。
- ソラオ(声優:古谷徹)
- 飛行ポケモンの使い手。ピジョットに乗って空を飛んでハリケーンを乗り越え、城にやってきた。
- スイート(声優:佐藤藍子)
- 可愛いポケモンを使う。ジュゴンに乗って海を渡りハリケーンを乗り越え、城にやってきた。
- ジュンサー(声優:西村ちなみ)
- 巡査。嵐の為に渡し舟が欠航した事をトレーナー達に伝える。
- ボイジャー(声優:小林幸子)
- 波止場を仕切っている。港育ちの為、海の事はよく知っている。
- ミュウツー(声優/完成版:市村正親、幼き頃:(ラジオドラマ)瀧本富士子・(完全版)森久保祥太郎)
- ミュウの遺伝子で作られたポケモン。自分を生んだ人間への逆襲を画策する。強大な超能力を持ち、天候や人の心を操り、テレパシーで会話する。
- ジョーイ(声優:白石文子)
- ポケモンセンターの女医。ミュウツーに心を操られ、ミュウツーの城の使いとなっていた。
- ミュウ(声優:山寺宏一)
- 幻のポケモン。衝撃を吸収する泡のような物を作れる。
- サカキ(声優:鈴置洋孝)
- ロケット団のボス。ミュウツーを使って世界征服をしようとするが、ミュウツーが暴走した為に失敗する。
- 博士(声優:秋元羊介)
- 研究所でミュウツーを生み出したが、ミュウツーが暴走して研究所を破壊した為、死亡したと思われる。
- アイツー(声優:氷上恭子)
- 「ミュウツーの誕生」と「ミュウツーの逆襲 完全版」に登場。事故死したフジ博士の娘、アイのコピー。ミュウツーの母親的存在だが、ミュウツーが幼き頃に死亡してしまう。
[編集] 関連作品
- CD「ミュウツーの誕生」
- ラジオ番組「犬山犬子のポケモンアワー」で放送された、5話構成のラジオドラマ。タイトル通りミュウツーが誕生するまでの経緯が描かれている。
- 漫画「劇場版ポケットモンスター ミュウツーの逆襲」
- 映画公開に先駆け月刊コロコロコミックにて「電撃!ピカチュウ」の作者おのとしひろ氏が執筆した漫画版。ミュウツーに関するエピソードがメインとなっていてサトシ達がミュウツーの招待した島に向かうまでが綴られている。また、劇場版と違い、フジ博士がロケット団の命令に逆らいきれなくなったためミュウツーに自分ごと研究所を破壊させたことになっている。尚、上記の様にこの話は途中でストーリーが中断され「続きは劇場で」と言った終わり方となっている。その為か、現在でも単行本化されていない。
[編集] 主題歌
[編集] オープニングテーマ
- 「めざせポケモンマスター'98」
作詞:戸田昭吾 作曲:たなかひろかず 編曲:渡辺チェル 歌:松本梨香
[編集] エンディングテーマ
- 「風といっしょに」
作詞:戸田昭吾 作編曲:たなかひろかず 編曲:沢田完 歌:小林幸子(日本コロムビア)
[編集] スタッフ
- 原案:田尻智
- スーパーバイザー:石原恒和
- アニメーション監修:小田部羊一
- エグゼクティブプロデューサー:久保雅一、川口孝司
- プロデューサー:吉川兆二、五十嵐智之、森武源
- アニメーションプロデューサー:奥野敏聡、神田修吉
- 脚本:首藤剛志
- 絵コンテ:湯山邦彦、横田和
- 演出:日高政光、井硲清高
- キャラクターデザイン・総作画監督:一石小百合
- 色彩設計:吉野記通
- 美術監督:金村勝義
- 撮影監督:白井久男
- 音楽:宮崎慎二、たなかひろかず
- 音楽プロデューサー:斎藤裕二、吉田隆
- 音響監督:三間雅文
- 制作:小学館プロダクション
- アニメーション制作:OLM
- 監督:湯山邦彦
- 製作:ピカチュウプロジェクト98
[編集] 外部リンク
ポケモンの映画 無印 |