八ツ森駅
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八ツ森駅(やつもりえき)は、宮城県仙台市青葉区新川にある、東日本旅客鉄道(JR東日本)仙山線の臨時駅である。2002年に快速「ホリデーもみじ号」が停車したのを最後に、2006年現在、臨時列車を含めて当駅に停車する列車は存在しない。
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[編集] 駅構造
単式ホーム1面1線の地上駅である。鉄パイプで組んだ構造の上に木の板を敷いたホームがある。駅舎、待合室、便所はない。愛子駅の管理下にある。駅名標には現在も「八ツ森仮乗降場」と書かれている。
広瀬川の支流、新川川のそばにあり、駅のすぐ東で線路が川を渡る。駅は周りより高い堤の上にあるが、深い谷底の水面はホームから見えない。かわりに対岸で川に臨む100メートル以上の絶壁を見上げる。
[編集] 駅周辺
新川地区の西端、初ノ小屋という集落のそばにあるが、もっとも近い人家まで200メートル以上離れている。国道48号から駅の近くまで舗装された道路が通じるが、駅から数百メートルは砂利道である。2005年現在、駅近くの集落まで仙台市営バスが運行している。平日は、八ツ森着の便が午前に一本、八ツ森発の便が午後に一本、設定されている。主に小中学生の通学のために設定されているという性格が強いためか、その間の間隔は非常に空いている。いずれも作並駅・白沢車庫から八ツ森を結ぶ路線である。
列車が止まらない上に、他の公共交通機関で訪れる事も難しいため、鉄道ファンの間では超一級の秘境駅と呼ばれている。仙山線では、事情は異なるが二つ隣の西仙台ハイランド駅にも列車が止まらない。
奥新川駅から八ツ森駅までは、新川川沿いに新川ラインというハイキングコースがある。
[編集] 歴史
付近にあった八森(はつもり)スキー場の利用者のため、1937年(昭和12年)に仮乗降場として設けられた。当初は枕木を並べただけのホームであった。日本国有鉄道が1961年(昭和36年)に新川ラインを整備すると、他の季節にも山歩きを楽しむ人が訪れるようになった。1967年度(4月から翌年3月)の一日平均乗降客数は145人であった。後に八森スキー場が廃止されると利用客が減り、春と秋にわずかな臨時列車が止まるだけになり、21世紀初めにそれも絶えた。
- 1937年(昭和12年)11月10日 - 八ツ森仮乗降場開業
- 1987年(昭和62年)3月31日 - 臨時駅になる。
- 1987年(昭和62年)4月1日 - 国鉄分割民営化により、東日本旅客鉄道の駅となる。
- 2002年(平成14年) 列車の停車がなくなる。