七重奏曲 (ベートーヴェン)
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七重奏曲作品20はルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェンの作曲した七つの独奏楽器による室内楽曲である。
ベートーヴェン初期の傑作で、明るい旋律と堂々としたリズムをもち、作品が公開された当初から広く親しまれたとされる。作曲されたのは1799年から1800年にかけてで、同時期に作曲されたものに交響曲第1番などがある。ベートーヴェンの作曲人生の中では古典派音楽の勉強と自らの独自性を模索する時期といえる。モーツァルトのディヴェルティメントのように、娯楽的でサロン向けの音楽として書かれているが、旋律やリズム、構成の面などでその後のベートーヴェンらしい作品の登場を予感させる部分も随所に見られる。第五楽章のスケルツォはそのひとつである。作曲者によるピアノ三重奏版も存在する(Op.38 After The Septet)。
難易度はヴァイオリンを除きそう難しくはない。 ホルンに関しては作曲当時は自然管の楽器しかなかった為、自然管ホルンで演奏する場合は倍音にない音はゲシュトプ奏法を用いるなど難易度は高いが、ロータリーのある現代楽器を用いる限りは難しくはない。
シュポーアやフンメルなど、古典派~初期ロマン派の作曲家にこの編成は多いが、ブランやブルッフのようにロマン中期の作曲家にも同編成での作品がある。
シューベルトはこの作品に影響されて八重奏曲を書いたとされる。八重奏曲の楽器編成はベートーヴェンの七重奏曲にもう一艇ヴァイオリンを増やしたものになっている。
[編集] 楽器編成
各1ずつ
演奏時間は40-45分程度
[編集] 曲の構成
- 第一楽章 Adagio - Allegro con brio 変ホ長調 4/4拍子
ソナタ形式。序奏のあと、ヴァイオリンが堂々とした主題を奏でる。
- 第二楽章 Adagio cantabile 変イ長調 9/8拍子
いわゆる緩徐楽章。クラリネットが美しいメロディーを奏でる。
- 第三楽章 Tempo di Menuetto - Trio 変ホ長調 3/4拍子
メヌエット。主部は弦楽器が旋律を奏でる堂々としたメヌエット、トリオでは管楽器が活躍する。
- 第四楽章 Tema con variazioni : Andante 変ロ長調 2/4拍子
- 第五楽章 Scherzo-Trio - Allegro molto e vivace 変ホ長調 3/4拍子
スケルツォ。ホルンの分散和音とバイオリンの応答で始まる軽やかなスケルツォとチェロが流麗な旋律を奏でるトリオからなる。
- 第六楽章 Andante con moto alla marcia-Presto 変ホ長調 4/4拍子
ソナタ形式。厳粛な序奏のあと、チェロの伴奏に乗ってヴァイオリンが堂々とした第一主題を奏でる。第五楽章で見られたホルンの分散和音がリズムを変えて再現されたあと、ヴァイオリンとチェロが流れるような第二主題を奏でる。展開部の終わりでは協奏曲で見られるようなヴァイオリンのカデンツァ風ソロがある。再現部で各主題が再現され、最後は第1主題が帰ってきてベートーヴェンらしく、明るく堂々と曲を閉じる。
[編集] 関連項目
- 八重奏曲 (シューベルト)
- 七重奏曲 (シュポーア)
カテゴリ: ベートーヴェンの楽曲 | 室内楽曲