ヴィゴ・モーテンセン
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ヴィゴ・モーテンセン(Viggo Mortensen, 1958年10月20日 - )は、ニューヨーク・マンハッタン生まれの俳優、詩人、写真家。本名はヴィゴ・ピーター・モーテンセン(Viggo Peter Mortensen)。身長180cm(5フィート11インチ)。
父はデンマーク人の農場経営者。母は元ノルウェー大使館勤務のアメリカ人。弟二人は地理学者。
父親の事業の関係で2歳からアルゼンチンなど数カ国で過ごし、英語、スペイン語、デンマーク語など数ヶ国語が話せる。
11歳のとき両親が離婚。母親の故郷であるニューヨーク北部へ戻る。地元のウォータータウン高校を卒業後、カントンにあるセントローレンス大学に進学し、政治学とスペイン語の学位を取得。
1980年にデンマークへ渡り、伯父の家に居候しながらウェイターをしたりアイスクリーム売りや花売りなどの様々な仕事を経験した後、イギリスへ。 2年後にニューヨークへ戻った後は、ウォーレン・ロバートソンのシアター・ワークショップで演劇の基礎を学ぶ。
1982年に舞台デビュー。その後、1984年TVドラマ「George Washington」でデビュー。また1985年には「刑事ジョン・ブック/目撃者」でスクリーンデビューした。
1987年に「T.V.サルベーション」で共演したLAパンクバンドXのヴォーカリスト、エクシーン・セルベンカ(1956年2月1日 - )と結婚するが、1992年には別居。1998年に正式離婚した(1991年別居、1997年離婚との説も)。2人の間には長男ヘンリー(1988年1月28日 - )がいる。
目次 |
[編集] エピソード
- 母方の家系にはジョニー・アップルシードことジョン・チャップマンと、バッファロー・ビルらがいる。
- “育児”の名の付くものはヴィゴの仕事だったため、ブレイク後も息子のために家事全般をこなしていたようだ。
- 1987年に出演した舞台「ベント」では収容所のナチ将校を演じ、Dramalogue Critics' Awardを受賞した。同作品は偶然にも後の共演者イアン・マッケランの代表作のひとつでもある。
- 新婚時代、モーテンセン家には脚本家のマイケル・ブレイクが居候しており、彼の代表作「ダンス・ウィズ・ウルブズ」は夫妻への新婚祝いとして執筆されたらしい。そのため主人公ジョン・ダンバー中尉は、もともとヴィゴを想定して書かれていた。
- 俳優のデニス・ホッパーとは仲がよく、2001年には2人でオランダ・アムステルダムへ旅行をした。この旅行の模様は写真集「Signlanguage」に収められている。
- 同年のカンヌ国際映画祭で映画監督のデヴィッド・クローネンバーグと知り合い、「ヒストリー・オブ・バイオレンス」(2005年)、「Eastern Promises」(2006年秋撮影予定)出演のきっかけになった。
- 離婚後は特にこれといったスキャンダルも無いが、2000年頃には画家のジュリアン・シュナーベルの長女で芸術家のローラ・シュナーベルと親密という噂があった。
- 「ロード・オブ・ザ・リング」シリーズのアラゴルン役で世界的に有名になった。アラゴルン役に抜擢されたのは撮影がはじまってからのことで、スチュアート・タウンゼント降板の為、急遽撮影に参加することとなった。出演依頼を受けた際、息子の一言により出演することを決めたという。
- 同シリーズでは口数少ないキャラクターを演じていたが、ホビットを演じたイライジャ・ウッドやドミニク・モナハンらによれば、実際は留守番電話に向かって5分話し続けるほどおしゃべりだそうだ。
- 映画出演の他、元ガンズ・アンド・ローゼズのギタリスト、バケットヘッドらとジャズやポエトリー・リーディングのCD作製をしたり、詩集や写真集の出版や、個展を開くなど、多方面で活躍しているアーティストでもある。
- 2002年には出版機会に恵まれないアーティストを支援するため、画集や写真集、詩集などを専門とした出版社パーシヴァル・プレスを設立した。同出版社からはデニス・ホッパーも作品集を出版している。
- 好きな映画は「ベニスに死す」(ルキノ・ヴィスコンティ監督)、「ディア・ハンター」(マイケル・チミノ監督)、「夢のチョコレート工場」(メル・スチュワート監督)、「裁かるゝジャンヌ」(カール・テオドア・ドライヤー監督)、「女優フランシス」(グレーム・クリフォード監督)。音楽では、ジャズトランペット奏者兼シンガーのチェット・ベイカーが1954年に歌った「My Funny Valentine」が好きらしい。
- テレビは見ないがスポーツ鑑賞は好きで、サッカーではアルゼンチンのサン・ロレンソ、野球ではニューヨーク・メッツのファン。
- 政治的には明確に民主党支持でリベラルな言動が目立ち、そのため保守派からは言動を非難されることも多い。
- 「Eastern Promises」後は、ジェイソン・アイザックスとの「GOOD」、そしてエド・ハリス監督作の「Appaloosa」が控えている。役柄は「Eastern Promises」では謎のロシア人マフィア、「GOOD」ではナチスに巻き込まれる大学教授、「Appaloosa」ではエド・ハリス演じる保安官の部下エヴェレット・ヒッチを演じる予定。
[編集] 主な出演作
- 刑事ジョン・ブック/目撃者 Witness (1985)--モーセ・ホッフライトナー
- 柔らかい殻 The Reflecting Skin (1990)-- キャメロン・ダヴ
- インディアン・ランナー The Indian Runner (1991)--フランク・ロバーツ
- ヤクザvsマフィア American Yakuza (1993)--ニック・デイビス
- ゴッド・アーミー/悪の天使 God's Army (1994)--ルシファー
- クリムゾン・タイド Crimson Tide (1995)--ピーター‘ウェップス’インス
- 聖なる狂気 The Passion of Darkly Noon (1995)--クレイ
- アルビノ・アリゲーター Albino Alligator (1996)-- ギィ・フォッカード
- ある貴婦人の肖像 The Portrait of a Lady (1996)--キャスパー・グッドウッド
- G.I.ジェーン G.I.Jane (1997)--ジョン・ジェームス‘ジャック’ウルゲイル
- ダイヤルM A Perfect Murder (1998)-- ディビッド・ショウ
- サイコ Psycho (1998)-- サミュエル・ルーミス
- オーバー・ザ・ムーン A Walk on the Moon (1999)-- ウォーカー・ジェローム
- 28DAYS 28 Days (2000)-- エディ・ボーン
- ロード・オブ・ザ・リング The Lord of the Rings: The Fellowship of the Ring (2001)--アラゴルン
- ロード・オブ・ザ・リング/二つの塔 The Lord of the Rings: The Two Towers (2002)--アラゴルン
- ロード・オブ・ザ・リング/王の帰還 The Lord of the Rings: The Return of the King (2003)--アラゴルン
- オーシャン・オブ・ファイヤー Hidalgo (2003)--フランク・ホプキンス
- ヒストリー・オブ・バイオレンス A History of Violence (2005)--トム・ストール
- Alatriste (2006)--Diego Alatriste{公開未定}
[編集] 作品集
[編集] 詩
- Ten Last Night(1993年)
[編集] 本
詩、写真、絵画、散文などをまとめた作品集。
- 1991(1991年)
- Recent Forgeries(1998年)
- Signlanguage(2002年)
- Coincidence of Memory(2002年)
- The Hole Of The Sun(2002年)
- 45301(2003年)
- Miyelo(2003年)
- Mo Te Upoko-o-te-ika/For Wellington(2003年)
- The Horse Is Good(2003年)
- LINGER(2005年)
[編集] CD
- Don't Tell Me What To Do(1994年)
- One Less Thing To Worry About(1997年)
- The Other Parade(1998年)
- One Man's Meat(1999年)
- Pandemoniumfromamerica(2003年)
- Please Tomorrow(2004年)
- Intelligence Failure(2005年)
- I forget you for ever(2006年){予定}
[編集] 外部リンク
- PERCEVAL PRESS(英語)
カテゴリ: アメリカ合衆国の俳優 | デンマーク系アメリカ人 | ニューヨーク州の人物 | 1958年生