ワニガメ
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ワニガメ | ||||||||||||||||||||
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分類 | ||||||||||||||||||||
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学名 | ||||||||||||||||||||
Macroclemys temmincki | ||||||||||||||||||||
英名 | ||||||||||||||||||||
Alligator Snapping Turtle |
ワニガメ(鰐亀・学名Macroclemys temmincki)は、カメ目・カミツキガメ科に分類されるカメの一種。北アメリカ南部の淡水域に生息するが、飼育個体とみられる個体が日本各地で発見され問題となっている(後述)。
最大で甲長80cm・体重80kgに達する大型のカメである。甲羅はマタマタのような規則的な凹凸がある。尾も長く後方へ伸びる。さらに肋甲板と縁甲板の間にさらに1列の甲板(通常は4対)がある。この上縁甲板は化石種には存在するが、現生種ではワニガメが唯一この原始的形態を残している。また、口の中に小さな赤色の突起が1対あり、餌を捕食する際はこの突起を揺り動かし疑似餌として餌を誘い込むことが知られている。
外見はカミツキガメに似ているが、さらに大型で、頭も大きい。カミツキガメが攻撃性が強いのに対し、神経質な性質とされている。怒りやすいカミツキガメに対し、ワニガメはあまり怒らないため普段はカミツキガメ程の危険はないが、カミツキガメより大型で力も強いため、怒らせるとこちらの方が危険である。見た目に反し、いざという時には素早く動ける。
北アメリカ南部に分布し、湖沼や池などに生息する。産卵以外、生涯の殆どの時期を水中であまり動かずに過ごす。寿命は50年ほどとみられる。
食性は肉食性が中心と見られ、魚、両生類、爬虫類など、近づく小動物を貪欲に捕食する。顎の力は非常に強く、小さなカメや貝類も噛み砕いて食べてしまう。また木の実やドングリなどの植物性の餌も好んで食べる。
大映のガメラシリーズに登場する怪獣ガメラのモデルとされる。人気もあるが、長寿で大きく成長するうえ、噛まれると非常に危険なので、飼育するには相応の装備と覚悟、さらに卵や子ガメのうちから飼育するなら後継者も必要である。カミツキガメと同様、2000年12月から動物の愛護及び管理に関する法律により危険動物に指定され、日本国内での飼育は各地方自治体の許可が必要となっている。
しかし、持て余した飼い主による捨てガメは後を絶たず、1990年代後半頃からは年に数度ほどの割合で日本国内で巨大なワニガメが発見され、その度にマスコミを騒がせる事態となっている。
2006年6月11日午前7時頃、東京都台東区の上野恩賜公園にある不忍池近くで、産卵中のワニガメが通行人により発見され、近くの交番に届け出られた。届け出を受けた警視庁・上野署員3人が駆けつけ、ワニガメは間もなく捕獲された。日本国内の自然界での産卵が確認されたことで、繁殖による人などへの危害や、生態系への影響が懸念される。