ライフ (信販)
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株式会社ライフ(LIFE CO.,LTD.)は、「ライフカードブランド」を展開する信販・クレジットカード会社である。但し、消費者金融大手のアイフル子会社であり、いわゆるサラ金系である。サラ金系という事もあり、消費者金融専業会社と同様に雑居ビルに店舗を展開しており、営業収益(売上高)の7割をキャッシングなどの融資事業が占めている。(信販会社の中では最大の依存度。)キャッシングの収益が高い反面、クレジットカードのショッピング稼働率は極めて低い。
参考までに言うと同程度の規模のジャックス、アプラス共に融資収益比率は4割程度となっている。またクレジットカード会員数が1200万人強にも関わらず、それよりも会員数の少ないオリエントコーポレーションやセントラルファイナンスなどよりもショッピング(総合あっせん)収益は低い。
スーパーマーケット「ライフ」を展開する株式会社ライフコーポレーションとは無関係。
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[編集] 概要
1952年に「協同組合チケットひろしま」の名称で信販業として広島市八丁堀(現中区八丁堀)で創業した。予てからメインバンクが日本長期信用銀行であった。法人化・会社化・商号変更を経て、1976年に現商号に変更し、ライフカードを発行した。 1977年に平和紙業と合併して株式の額面を変更ののち、1978年に広島証券取引所ついで1979年に大阪証券取引所に上場を果たした。広島本社と東京本社(駿河台)の2本社制をとる。
バブル期には三上博史や加勢大周など、当時の人気スターを起用し大掛かりな広告展開を行い、また不動産業者やゴルフ場などのリゾート開発企業に積極的な融資を行った。しかしバブル崩壊で主力事業のひとつであった法人向け融資で、焦げ付きや抵当割れが発生し、リース事業と共に法人事業を縮小、個人向けの信販・クレジットカード事業に特化する方針を採った。
しかし1998年度決算で貸倒引当金の積み増しや有価証券の評価損を計上した事が要因で20億円近くの当期損失を計上した上、長銀が破綻したため資金繰りが難しくなり、1999年に既にレイクを買収していた米国GEキャピタルとの資本提携を発表したものの、予てからの法人向け融資絡みの債権資産が劣化し、1999年度決算で1000億円近くの債務超過に陥る事が判明した為、2000年5月に自ら会社更生法の申し立てを行った。この時の負債額は9663億円で、当時では戦後4番目の規模であった。
(この上位3社はすべてリース業・金融業の会社である。)
なお、2000年3月に広島証券取引所と新潟証券取引所の合併(閉鎖)により上場銘柄が東京証券取引所に移管され、短い間ながらも東証一部上場企業であった。
2000年暮れにアイフルがスポンサーに名乗り、2001年4月に減資した上で同社が全額出資することで短期間で再生を果たした。
クレジットカードの発行は公称1200万枚強と会員数は国内でも有数のカード会社。但し、会員証や商業施設のポイントカードに強制的にLife(クレジットカード機能)が附いたものも多い事から、カード稼働率(1年間の全体のカード取扱額を全カード枚数に割ったもの。またはカード一枚毎の実際の年間利用回数)はあまり高くない。この首位はクレディセゾンとジェーシービーグループである。
負の遺産を一掃したことで、自己資本比率、経常利益率等は他の信販会社に比べ突出しており、優良企業に生まれ変わっている。企業格付けはR&IではA-。
提携カードに強く、1998年に「GLAY」や「踊る大捜査線THE MOVIE」とタイアップした提携カードの発行を皮切りに、エンターテイメント系にも進出している。
全カード会員の1000万名以上が提携カード会員である。
アイフルグループのカード部門を担うカード会社の位置づけであるが、信販会社としてノウハウを蓄積してきた個品斡旋事業を営業基盤としている。特徴的なのがアイフルの与信ノウハウを全面的に移植できたことで、与信能力が高まった事により、キャッシング専門店であるライフキャッシュプラザ(後述)の積極展開が可能となった点である。200店舗を越える規模に拡大したライフキャッシュプラザで取り扱うプレイカードの融資残高は着実に増加しており、高収益企業としての基盤強化に貢献している。信販会社としてそれまで取り扱ってきたオートローンなどは収益率が低いため、現在は取り扱っていない。不動産担保ローンについては最近取り扱いを再開した。
最近ではタレントのオダギリジョーをイメージキャラクターに起用したWeb連動型広告(CM演出は「ハチミツとクローバー」の高田雅博)で話題を呼び、カード会員を大きく増やすことに成功した。
2003年から広島本社がある地元Jリーグチームサンフレッチェ広島のユニフォームスポンサーになる。
反面、アイフルの傘下となったことにより、同社の負の体質をも受け継ぐ事となり、先般の違法取立てなどの問題について、「アイフル被害対策全国会議」はライフに対しても訴訟を行っている他、CM放映の中止も要請している。
[編集] クレジットカードについて
MasterCardのプリンシパルメンバーであり、同ブランドを用いた「ライフMasterCard」を主力としている。
ちなみに、親会社であるアイフルもプリンシパルメンバーである。
VISAについては発行の権利(イシュア)を有していない為、当初は国際カードビジネス協会と提携し発行していた。但し、住友信託銀行(住信)の子会社で、ライフも出資しているすみしんライフカード株式会社がVISAのプリンシパルメンバーである事から、同社の権利を利用する形へと順次移行している。
[編集] ローンカードについて
かねてからローン専用カードの「プレイカード」を発行しているが、その展開に合わせて、消費者金融と同じように駅前の雑居ビル内を中心に「ライフキャッシュプラザ」という融資・カード申込受付を行う小規模な窓口(店舗)が設置されている。これはアイフル傘下となった後さらに店舗を増やし、近年ではアイフル店舗にライフキャッシュプラザを「兼業」している所もある。
また、キャッシュプラザとは別に、街中やキャッシュプラザ内でATMを設置している所があり、そのATMを用いてプレイカードの他に、ライフカードでもキャッシングやショッピングのリボルビング払い等の入金・弁済が出来るようになっている。
(大手信販のクレジットカードでATMを用いた入金の取扱ができるのはライフが初と思われる。)
[編集] 本社所在地
再生計画を完了すると、本社を広島から東京(日比谷)・横浜へ移転した。
[編集] 加盟する信用情報機関
クレジットカードなどの信用審査を行う為に以下の信用情報機関に加盟する。
- 株式会社シー・アイ・シー(略称「CIC」)
- 全国信用情報センター連合会(略称「全情連」)
※ライフは信用情報機関のCCB(シーシービー)には加盟していない。。
(現在、CCBの加盟会社はJCB、三井住友カードといったクレジットカード専業会社を含め、オリコ(略称)、ジャックス、CF(略称)、アプラスなど、ライフが属する信販会社や銀行、信金、リース、消費者金融専業など幅広い会社が垣根を越えて加盟している。)