マイトマイシンC
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マイトマイシンC
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IUPAC命名法による物質名 | |
(1aS,8S,8aR,8bR)-6-Amino-4,7-dioxo-1,1a,2,8,8a,8b-hexahydro-8a-methoxy-5-methylazirino[2,3:3,4]pyrrolo[1,2-α]indol-8-ylmethyl carbamate | |
識別 | |
CAS登録番号 | 50-07-7 |
ATCコード | L01DC03 |
PubChem | 5746 |
DrugBank | APRD00284 |
化学的データ | |
化学式 | C15H18N4O5 |
分子量 | 334.327 |
薬物動態的データ | |
生物学的利用能 | - |
血漿タンパク結合 | 8.4~12.8% |
代謝 | 主に肝臓 |
半減期 | α相:1.3~5.2分 β相:32.9~50.2分 |
排泄 | ? |
Therapeutic considerations | |
胎児危険度分類 | |
Legal status | |
投与方法 | 静脈注射、膀胱内注入 |
マイトマイシンC (MitomycinC : MMC)とは、抗腫瘍性抗生物質に類する抗悪性腫瘍剤(抗がん剤)。
マイトマイシンは、1955年北里研究所の秦ら[1]によって発見されたStreptomyces caespitosusの培養濾液から得られる一群の抗腫瘍性抗生物質である。その中から安定性が高く、最も強い抗腫瘍活性を有するマイトマイシンCが若木ら[2]によって紫色の結晶として分離された。
商品名はマイトマイシン(販売:協和発酵工業株式会社)。
ハーバード大の岸義人氏が合成に成功。
目次 |
[編集] 効能・効果
慢性リンパ性白血病、慢性骨髄性白血病、胃癌、結腸・直腸癌、肺癌、膵癌、肝癌、子宮頸癌、子宮体癌、乳癌、頭頸部腫瘍、膀胱腫瘍
[編集] 副作用
溶血性尿毒症症候群、微小血管症性溶血性貧血、腎障害、骨髄抑制、間質性肺炎、肺線維症、ショック、アナフィラキシー様症状、食欲不振、悪心・嘔吐、倦怠感など。
[編集] 作用機序
マイトマイシンCは、様々な酵素により還元されて複数の活性代謝物となり、DNAへの架橋形成、アルキル化、フリーラジカルによるDNA鎖切断を介してDNAの複製を阻害し、抗腫瘍効果を示すと考えられている。[3]
[編集] 関連事項
[編集] 外部リンク
[編集] 参考資料
- ↑ Hata T, et al. J Antibiot. Jul; 9(4): 141-6, 1956 PMID 13385186
- ↑ Wakaki S, et al. Antibiot & Chemother, 8, 228, 1958
- ↑ 『マイトマイシン注用2mg, 10mg』医薬品インタビューフォーム・2006年10月作成(協和発酵工業)