ヘルムート・レンネンカンプ
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ヘルムート・レンネンカンプは、銀河英雄伝説の登場人物。
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[編集] 概要
ローエングラム陣営の主要提督の一人で、有能な軍人。バーラトの和約後は高等弁務官に就任。乗艦はガルガ・ファルムル。
[編集] 略歴
時系列上の初登場は「黄金の翼」。イゼルローン要塞に赴任したラインハルトとキルヒアイスの上司として登場した。当時の階級は大佐。ラインハルトに対して公平な態度を取った為、その人柄を買われ、後日元帥府に登用される事になる。「奪還者」ではラインハルトに特殊任務を打診する役として、「千億の星、千億の光」ではヴァンフリート4=2上空での艦隊戦で味方に誤射された戦艦の艦長として登場している。
元帥府に登用されたのは、アニメ版ではリップシュタット戦役の直後。アイゼナッハとともに提督の列に加わっている様子が描かれている。原作小説では、ガイエスブルク要塞のワープ実験に立ち会ったラインハルトの幕僚として名前が登場した。ラグナロック作戦ではロイエンタールの配下としてイゼルローン回廊での陽動作戦に参加。この時、指揮下にクナップシュタインとグリルパルツァーがいた。
バーラトの和約後、高等弁務官として自由惑星同盟に留まるが、オーベルシュタインに唆され功を焦り、ヤンを謀殺しようとして逆にヤン一党に捕縛され、それを恥じて自殺する。死後、その行いの卑劣さが仇となり、元帥への昇進は見送られる。その生き様、死に様は部下であったクナップシュタインとグリルパルツァーの両名に大きな影響を与え、間接的にロイエンタールにも災いをなしたと言える。
なお、死んだ後に彼の死をしばらくの間隠すためにフレデリカ・グリーンヒル・ヤンによって死化粧をほどこされた。
[編集] 能力
「軍人としての能力は高く、上司には忠実で部下には公平である」と、亡命後のメルカッツなどにも評価されている。だがその一方で、軍事を離れると途端に視野が狭くなるという評価も存在した。
[編集] 人柄
ラグナロック作戦に於いてはロイエンタールの配下としてイゼルローン攻略部隊に参加したが、視野と価値観の異なるロイエンタールに対して反感を抱いていた。その心理状態が作用してアッテンボローのおとり作戦に引っ掛かり、同盟領侵攻後もヤンの心理作戦に翻弄される。ロイエンタール等の分析によると、この2度の敗退が、(後の高等弁務官職における)不公正な行為に繋がったとされている。
「黄金の翼」での彼の当時の年齢は29歳だったが、本伝で同年齢だった時のミュラーより老けて見えるといわれている。
ヤンは「レンネン」と姓を省略して呼んでいた。場合によっては「ミスター・レンネン」と呼んでいたが、尊敬からではなく、むしろその頑迷さをからかう故の尊称であると思われる。