ブレザー
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ブレザー(英Blazer)とは、背広にネクタイタイプの制服を指す。金属製のボタンが用いられること、胸のポケットに揃いのエンブレムが施されること、耐久性のある生地で作られていることが特徴である。
学校、航空会社、ヨットクラブ、セキュリティ会社、スポーツ大会に出場する選手団などの制服、ユニフォームとして用いられることが多い。何れも目的はスタイルによる視覚的な統一性の向上にある。 日本で初めて向上高校がブレザースタイルの制服を導入し、当時新聞等でも取り上げられるほど有名になった。
近年になって、この統一されたスタイルと言う枠組みから逸脱して、アイビーファッションなどにおいてカジュアルな服装としても用いられるようになってきた。
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[編集] ブレザーの起源
ブレザーの起源は以下の2つが知られている。
[編集] 軍艦ブレザー号
1837年に、英海軍の軍艦ブレザー号(HMS Blazer)が当時の女王ヴィクトリアの観閲を受ける際に、ブレザー号の乗組員全員がネービーブルーのダブルのスーツで揃えて観閲に臨み、これを見た他の艦でも、揃いのユニフォームとして採用し始めた。こちらがダブルのブレザーの起源である。
[編集] 燃えるような真紅
一方1877年頃、ケンブリッジ大学とオックスフォード大学の対抗レガッタにおいて、ケンブリッジ大学のボート部がユニフォームとして燃えるような(Blazer)真紅のユニフォームとして採用したのが、シングルのブレザーの起源とされている。
[編集] 細部
[編集] エンブレム
胸ポケットの部分に所属する組織のエンブレムのバッチ若しくは刺繍が施される。このエンブレムも統一性を高める効果がある。
[編集] ボタン
ボタンの数は2つが一般的である。一番下のボタンは閉じないのが一般的である。ボタンは金属製で、金、銀などのメッキが施される。
[編集] 色
当初のブレザーの色は、ネイビーブルーが一般的であったと考えられている。
ブレザーは何らかの組織のスタイルを統一するために用いられるため、用いられる色は非常に重要である。ブレザーの配色には、ナショナル・カラーなどの所属する組織を体現する色が用いられる場合が多い。
[編集] パンツ
ブレザーはユニフォームとして用いられる場合が多いため、これに合わせるパンツも統一されたものとなる。大抵の場合、紺や、グレーのスラックスである場合が多いが、半ズボンやハーフパンツで合わせる場合もある。
ブレザーがカジュアルに用いられるようになるとジーンズを併せるスタイルも誕生した。ブレザーとジーンズの組み合わせを編み出したのは、アメリカのポップアート・アーチスト、アンディー・ウォーホルといわれている。
[編集] いろいろなブレザー
[編集] 審判ブレザー
アメリカメジャーリーグや日本のプロ野球、アマチュア野球の審判員が着用するブレザーは、現在は色が濃紺でサイドベンツ、パンツはグレーが一般的。左胸のパッチポケットにリーグのエンブレムが付く。メジャーリーグでは1970年代にワインレッドのブレザーとパンツが着用され、日本のプロ野球でも、パリーグが1978年シーズン途中から1992年までは青のブレザーとパンツを着用した事があった。
そのほかの機能としては、両肩がノーフォーク仕様で両ポケットがボール袋を兼ねて大型に設計されている事である。以前は背中の腰部分に「背バンド」と呼ばれる模様が入ってたが、現在は入っていないのが主流である。また、ブレザー全体に撥水加工が施された物もある。
しかし、現在の野球試合では、ブレザーを着用して裁く事は少なくなり、専ら塁審、外審はブルゾン(ジャンパー)を着用しての審判で、球審だけ半袖シャツかブレザーというのが主流である。