フィン人
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フィン人 (英:Finn/Finnish、フィンランド語:Suomalaiset)は北ヨーロッパに居住する民族の一つ。居住域「フィンランド」と呼ばれ、現在のこの地域にはフィンランド共和国がある。同共和国国民(フィンランド人)を構成する主要な民族である。
[編集] 概要
フィン人は主にフィンランド語を話すが、この言語はヨーロッパの他の民族の言語がインド・ヨーロッパ語族に属するの対して、ウラル語族である。いわゆる民族島の典型(もう一つはハンガリーのマジャル人)。そのため、スウェーデン人などと同様に容貌が金髪碧眼であっても、ルーツは明らかに異なると言える。
言語学な見地から見えることはサーミ人ともっとも近く、ついで近縁にあるのがエストニア人である。現在のフィンランド語はエストニア語とは通訳なしで通じるのに比べて、サーミ語とは全くと言っていいほど言葉が通じない事実からすれば奇異に見えるが、これはフィン人とエストニア人が絶え間ない交易により接触していたために近接化したのに比べ、サーミ人とは断絶していたために起った現象である。
紀元前3000年ごろには定住し、古代ローマの歴史家タキトゥスの記録に登場するため、2000年以上前には歴史に登場した思われる。タキトゥスの記述した「フェンニ」がフィン人の語源になったことは間違いないが、フェンニが古代フィン人のことを指していたかどうかは詳らかではない。もし違うのならフェンニの誤用がフィンランドの正式になったということになる。
彼らのルーツは民族叙事詩「カレワラ」に詳しい。冷涼の土地に定着したのに関してフィンランド人の間では「『ウラル語族』のなかの愚かな人々がうっかり定住するところを間違えたのがわれわれフィンランド人だ(それに対し賢かったのはハンガリー人)」と自嘲気味に語られることがある。
人口が少なく、古代には自然崇拝に基づいた、スオミ族、ハミ族、カレリア族の三部族に分かれての生活を送ってきた。しかし、その三部族の部族内でさえバラバラで、そのため統一国家樹立を実現する前に、ノルマン人のスウェーデン人による北方十字軍の征服を受け、キリスト教化しヨーロッパ世界に組み込まれた。スウェーデンによる支配は長く続き、宗教や文化などで強い影響を受けている。その後19世紀にはスラブ人のロシア帝国の支配を受けると、漸く民族主義が高まり1918年にはフィンランド共和国を樹立した。
[編集] 居住域
ほとんどが現在のフィンランド共和国に居住している。一部がスウェーデンおよびロシアのカレリア地方に居住している。スウェーデンにいるフィン人は職を求めて移住した人びとが多い(フィンランドもスウェーデン系の人々がいる)。しかしフィンランド人の国外居住者の最大グループはアメリカ合衆国のミシガン州のいくつかのカウンティである。
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