バールレ・ナッサウ
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バールレ・ナッサウ(Baarle-Nassau、もしくはバーレ・ナッサウ)は、オランダの北ブラバント州の町。ベルギーとの国境より5km程度オランダ側にある。
21箇所ものベルギーの飛び地が町の中に点在しており(さらに、場所によってはベルギーの飛び地の中にオランダの飛び地がある)、国境線だらけの町として有名。ベルギーの飛び地はバールレ・ヘルトフという町である。
バールレ・ナッサウ(NL)の人口は約6,000人、バールレ・ヘルトフ(BE)の人口は約2,000人である。なお、家の中を国境線が通っている場合はその家に住む全員が正面玄関がある方の国民ということになっている。
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[編集] 歴史
ローマ帝国の殖民都市として、紀元前1世紀ごろに築かれたと言われている。歴史書に初めてその名前が記されたのは992年である。
12世紀末に起こった係争の結果、現在のオランダ領であるブレダ南部の広大な領地を、ブラバント公爵 (Duke of Brabant) がブレダ伯爵 (Lord of Breda) に対して封建領地として与えたといわれている。この頃は、まだ人が住んでいない林と平原の土地だったとされている。
しかしながら、ブラバント公爵は自ら所有する土地として現在のバールレ・ヘルトフ(ベルギー領の地区)を手元に残していた。
1648年のヴェストファーレン条約(ウエストファリア条約)により、ブレダ伯爵領は北の地方(オランダ)側の土地となり、ブラバント公爵領が取り残される形となった。
この状況は1843年にオランダとベルギーの間に国境線が引かれた後も変わることが無かった。
[編集] 観光
シント・ヤンストラートバス停で下車したら、バス進行方向に向かって歩き左折する。およそ100mほど行くと左手に観光案内所(VVV)がある。
観光案内所で、町の概略地図や歴史を書いた紙をもらうことが出来る。この地図には全ての街路が記載されているわけではないので、住宅地内に複雑に走っている国境線をたどるためには、あらかじめ町のオフィシャル・ホームページで地図を入手していくことを推奨する。
St. Remigiuskerkの東側にある広場には、(屋外に)町の模型が飾られている。
住宅地内を走る国境線を見たい場合は、VVVより北の住宅街を目指すとよい。
VVVのある街の中心部には、雑貨店やみやげ物や、レストランなどがある。ティルブルクやブレダに向かうバスは1時間に1本の割合で走っている。
[編集] 地図
町の中心部の地図。オレンジ色で着色したところがベルギー領のバールレ・ヘルトフ。それ以外の白の部分はオランダ領のバールレ・ナッサウ。
この地図の南北の端から端までの距離は、1.5km程度。
[編集] 交通アクセス
[編集] バス
- ブレダ(Breda)よりティルブルフ(Tilburg)行きバス(bba 132系統)に乗り、シント・ヤンストラート(Sint Janstraat)下車。所要40分。
- ティルブルフよりブレダ行きバス(bba 132系統)に乗り、シント・ヤンストラート下車。所要40分。
- テュルンハウト(Turnhout)よりバールレ・ヘルトフ行きバス(De Lijn 460系統)に乗り、終点シント・ヤンストラート下車。所要20分。
[編集] 鉄道
鉄道は通っていない。最も近い鉄道駅までの行き方。
- アムステルダムから:スヘルトヘンボス('s-Hertogenbosch)までICで行き乗り換え。ローゼンダール方面行きの快速もしくは各停に乗車してティルブルフもしくはブレダで下車。合計所要時間1時間30分~2時間。
- デン・ハーフ(デン・ハーグ)から:アイントホーフェン(Eindhoven)方面行きICに乗車して、ブレダもしくはティルブルフで下車。所要1時間。
- アントワープから:快速テュルンハウト行きに乗車。所要50分。