バルログ (ストリートファイター)
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バルログ プロフィール
- 初出作品: ストリートファイターII
- 出身地: スペイン
- 生年月日: 1967年1月27日
- 身長: 186cm
- 体重: 72kg
- スリーサイズ: B121 W73 H83
- 血液型: O型
- 好きなもの: 美しいもの、自分自身
- 嫌いなもの: 醜いもの、敗者の返り血
- 特技: 自己陶酔、壁張り付き
バルログ(Balrog)は、カプコンが製造・販売している対戦格闘ゲーム、ストリートファイターシリーズに登場するキャラクター。
なお、欧米では彼の名前はVega(ベガ)となっていて、代わりに日本でバイソンと呼ばれているキャラが「Balrog」の名を名乗っている(これは肖像権等の問題が原因と言われている。ベガ、マイク・バイソンの項目を参照)。
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[編集] キャラクターの設定
スペインの没落貴族だった母と大富豪だった父との間に生まれる。幼少時に醜い父親が美しい母親を殺したのを見、即座に父親を殺した事がトラウマになっている。その美貌と美意識はその母親から受け継がれたものである。究極のナルシストで、通称「仮面の貴公子」。悪の組織「シャドルー」の一員であるものの、世界征服には全く興味が無く、目的はあくまで美の追求。
戦う時は自分の顔が返り血や怪我で崩れぬよう仮面を付け、汚らわしいものに触れぬように3本の長い爪を付けている。華麗な身のこなしで相手を斬り付ける。彼のステージでは戦闘開始直前に金網が下りてくるという演出があり、彼のステージでは一部の必殺技においてこの金網に飛びつくことにより飛びついている間は無敵となる。これらの戦術は幼少時に日本で学んだ「NINJUTSU」(忍術)がベースとなっている。初代ストリートファイターに登場する「激」とは日本国に於ける好敵手であった。言動からは知的さが伺えるが、取りようによっては小難しく、同時に狂気も秘めている。尚、CAPCOM VS. SNKシリーズの掛け合いなどでは他のキャラクターに相手にされてない事が多い。がさつなマイク・バイソンの事は嫌悪している。バルログとリュウを対極に表すとバルログが「無自我」、リュウが「大自我」である。
ZEROシリーズでは洗脳され自我を失ったキャミィを見てシャドルーの在り方に疑問を感じ、ベガに反旗を翻す場面も見られた。エンディング後はキャミィを保護したようであるが、これはストIIシリーズのキャミィの「記憶喪失」の設定と矛盾すると思われるため正史ではないとするファンが多い。
対戦格闘ゲームの美形キャラクターの元祖にあたる。またその奇抜な風貌やインパクトから色物(アメコミではケンに「オペラ座の怪人」と揶揄された)として見られる事もありキャラクター人気自体は高い。カプコンがストリートファイター15周年の際に行ったキャラクターランキングでは総合5位にランクインする健闘を見せた。
漫画や劇場アニメなどで春麗と対決、または彼女に何らかの形で関わることが多い。また、TVアニメ「ストリートファイターIIV」のみバルログ・ファビオ・ラ・セルダというフルネーム、闘牛士であることが設定されている。
[編集] キャラクターの特徴
初代ストIIでは四天王の二人目として登場。他の四天王と同じく『ダッシュ』からプレイヤーが操作できるようになった。春麗を凌いで全キャラ中最高のスピードを誇り、飛び込みに対する迎撃も非常にやりづらく、熟練したプレイヤーが操れば攻撃を当てることすら困難であった。また爪を装備しているため長いリーチを誇り、中距離での牽制では無類の強さを誇った。しかし、相手の攻撃を連続で受ける、またはガードすることにより爪が外れることがあり、こうなってしまうと攻撃力とリーチがかなり低下してしまい一気にピンチとなる。また、当初は対空技に乏しいという致命的な弱点があり、空中の相手は空中で迎撃する、いわゆる「空対空」の戦術が必要とされた最初のキャラクターとも言われる。
『ダッシュターボ』ではゲーム全体のスピードアップの恩恵を受け、画面内を超スピードで動き回るバルログは当時の相手プレイヤーにとっては脅威となったが、反面イズナドロップ等一部の必殺技の威力が低下してしまい、苦しい戦いを強いられる場面もあった。
『スパIIX』では念願の対空技であるスカーレットテラーを習得。また爪が外れてしまっても画面内に残り、再び装着することができるようになり、ほとんどの弱点を克服。最強キャラの一角とさえも言われるまでになった。 フライングバルセロナアタックやイズナドロップの際に叫ぶ「ヒョー」という声が非常に特徴的で、これらばかり出しているバルログはプレイヤーの間で『ヒョーバル』と呼ばれていた。
『CAPCOM VS. SNK 2 MILLIONAIRE FIGHTING 2001 』では全般的にカプコン悪役が異常な強さに設定されており、サガット・ブランカとともに最強クラスの一角で「サガブラバル」といわれた。
[編集] 必殺技
- フライングバルセロナアタック
- 画面端からジャンプして相手に飛び掛かり、両腕を広げつつ爪で斬り付ける。ターボまではヒットしてもその後がスキがあり、反撃されやすかったがスパⅡからはヒットすると相手が必ず転倒するようになった。
- イズナドロップ
- 画面端からジャンプして相手に飛び掛かり、相手を掴んでバックドロップで投げる。
- 金網張り付き
- 当初、フライングバルセロナアタックとイズナドロップはバルログステージにおいては金網によじ登った後に相手に飛び掛かる技であったが、スパII以降ではバルログステージであっても金網によじ登らなくなった。しかし、ZERO3では特殊入力で「金網張り付き」が可能になった。(バルログステージ限定)
- 海賊版では何もない背景によじ登るという奇妙な光景が見られた。
- ローリングクリスタルフラッシュ
- 地面を転がりながら体当たりし、最後に爪で斬り付ける。
- スカイハイクロー
- スパIIから追加。画面端からジャンプして爪を前に突き出しながら、相手に飛び掛かる。
- スカーレットテラー
- スパIIXから追加。前方にバク宙しながら攻撃する。EXシリーズではスーパーコンボ扱いになっている。
- バックスラッシュ
- バク転で後方に回避する技。バク転中は完全無敵だが終わり際に隙がある。
- ショートバックスラッシュ
- スパIIから追加された、バックスラッシュのバリエーション。下がる距離が少ない分動作時間が短い。
- アタッチイングクロー
- EXシリーズの技。EXシリーズでは爪を失うとすぐ消えるため、この技で爪をつける。また、ファントムディストラクション / スカーレットテラーで浮かせた相手が落下してくる際、この技でダメージを与えることも出来る。
[編集] スーパーコンボ
- ローリングイズナドロップ
- イズナドロップの強化版。スパIIXでは投げが確定するまでゲージを消費しないため、非常に使いやすい技であった。しかし、ZERO3以降では画面端からジャンプした時点でゲージを消費するようになったため、大幅に弱体化した。なお、初代カプエスのEXキャラでスパIIXの仕様は復活を見せている。また、EXシリーズではメテオコンボ(LV3専用)扱いである。
- フライングバルセロナスペシャル
- ZERO3で追加された技で、フライングバルセロナアタックの強化版。しかし、ローリングイズナドロップのハズレの印象が強い。
- スカーレットミラージュ
- ZERO3で追加された技で、スカーレットテラーの強化版。前方へのバク宙を繰り返し、攻撃する。ガイルのサマーソルトストライクにも似ている。
- レッドインパクト
- ZERO3で追加されたLV3専用技(SVC CHAOSではEXCEED)。前方に爪を突き出し、ヒットした場合は相手を自分の真上に放り投げ、落下してくる相手を爪で貫く。ZERO3ではヒットさせても放り投げた後に空中受け身され、ダメージがほとんど入らないという事態になりかねなかったが、後の作品ではそうした事はなくなった。SVC CHAOSでは落ちてくる相手を貫く際、巨大な赤い薔薇が出現する演出が追加されている。
- グランドクリスタルフラッシュ
- EXシリーズの技で、ローリングクリスタルフラッシュの強化版。
- スカイハイイリュージョン
- EXシリーズの技で、スカイハイクローの強化版。画面端からジャンプして爪を前に突き出し、きりもみ状に回転しながら相手に飛び掛かる。
- ファントムディストラクション
- EX2限定の技で、膝で蹴り上げ、ヒットした相手を宙に浮かせる。追加入力でスピニングイズナドロップに派生可能。
- スカーレットテラー(スーパーコンボ)
- EXシリーズの技で、EX2 PLUSでファントムディストラクションの代わりに追加された。前方にバク宙し、ヒットした相手を宙に浮かせる。EX3では追加入力でスピニングイズナドロップに派生可能。
[編集] 登場作品
プレイヤーまたはボスキャラクターとして登場する作品のみ。
- ストリートファイターIIシリーズ(ダッシュからプレイヤー使用可能)
- ストリートファイターZEROシリーズ(ZERO3から)
- ストリートファイターEXシリーズ(EX2から)
- カプコン バーサス エス・エヌ・ケイ ミレニアムファイト 2000
- CAPCOM VS. SNK 2 MILLIONAIRE FIGHTING 2001
- SNK VS. CAPCOM SVC CHAOS
[編集] 声優
- 速水奨(ドラマCD「春麗飛翔伝説」)
- 塩沢兼人(劇場版、TVアニメ、ストリートファイターEXシリーズ)
- 上田祐司(ストリートファイターZERO3、CAPCOMvsSNKシリーズ)
- 成金屋清富(五島清富)(ガンスパイク、SNK VS. CAPCOM SVC CHAOS)
- 石川和之(ストリートファイターZERO・OVA)
[編集] その他
- 開発中に描かれた最も古いデザインは「ブランカに仮面をつけただけ」としか言いようのない、およそ美しさとは程遠い姿であった。
- カプコン・彩京共同開発のアクションシューティングゲーム「ガンスパイク」に同名の、かつ酷似した性格と技を持つキャラクターが存在する(同一人物であるかどうかは不明)。
- カプコンのゲーム、ストライダー飛竜の3面の舞台は「空中戦艦バルログ」である。
- コーエーのゲーム、真・三國無双シリーズの張コウのデザイン、アクション、キャラクター設定はあからさまにバルログの影響を受けている。
- ごく初期の設定では、「エドモンド本田の太ももが気になっている」という同性愛的な描写があったがすぐに消え、本田も「醜いもの」として嫌悪の対象になっている。
- 『スーパーストリートファイターIIX』では、勝利後に仮面を外して「ヒッヒッヒヒ」とナルシストな笑いをする。
- 初代ストリートファイターでバルログが負けた後のグラフィックは鼻血の色が誤って青色に表示されているため、鼻水を出しているようにしか見えない。
- 『CAPCOM VS. SNK 2 MILLIONAIRE FIGHTING 2001 』では、あまりの美的意識から、山崎までもが「…おい、コイツどうにかしろ!」と言っている。