ニゴイ
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ニゴイ | ||||||||||||||||||||
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分類 | ||||||||||||||||||||
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学名 | ||||||||||||||||||||
Hemibarbus barbus (Temminck et Schlegel, 1846) |
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英名 | ||||||||||||||||||||
Barbel steed |
ニゴイ(似鯉) Hemibarbus barbus は、コイ科・カマツカ亜科に分類される魚の一種。急流でない川や湖沼などに生息する淡水魚である。
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[編集] 特徴
成魚の全長は60cmに達する。成魚の体色は緑褐色で、体色が一対のひげを持つなど和名どおりコイに似ているが、ニゴイは鼻先が前に突き出ていて、口は下向きにつく。体はコイよりも前後に細長い。背びれが小さくて三角形をしており、尾びれの二又が深い。
日本では本州、四国、九州北部に分布する。このうち中部地方以北の本州と九州北部のものはニゴイで、本州西部と四国のものはコウライニゴイ H. labeo (Pallas, 1813)とされている。ニゴイは日本の固有種だが、コウライニゴイは朝鮮半島から中国、台湾まで分布する。
川の中流や下流、池、湖などの淡水域に生息するが、汽水域にも生息でき、水の汚れにも強い。砂底がある水域を好み、水底近くを泳いでいることが多い。食性は雑食性で、水生昆虫や藻類などを食べる。
産卵期は4月-7月で、直径3mmほどの粘着性の卵を産む。稚魚は体側に黒い斑点が10個前後並んでいるが、成長すると斑点が消える。
ニゴイを目当てに漁獲することは少ないが、コイやフナ、ウグイ、ウナギなどの大型淡水魚と一緒に漁獲される。小骨が多いが唐揚げなどで食べられる。旬は春とされている。
[編集] 別名
ミノ(青森県)、セータ(関東地方)、アラメ(長野県)、マジカ(滋賀県、京都府)、キツネゴイ(大阪府)、ヒバチゴイ(奈良県)など
[編集] 近縁種
ニゴイ属(Hemibarbus 属)の魚は中国を中心とした東アジア地域に分布し、8種類ほどが知られる。
日本ではニゴイ、コウライニゴイの他にズナガニゴイ H. longirostris (Regan, 1908) が近畿地方と中国地方に分布している。全長は20cmほどで、体の背中側は黄褐色の地に小さな褐色の斑点がたくさんある。他の2種類に比べると小型で外見も異なる。