ナラタケ
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ナラタケ Armillaria mellea (Vahl.:Fr.) Kummer subsp. nipponica Cha et Igarashi |
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この画像はフランス産のもの。 |
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分類 | ||||||||||||||||
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学名 | ||||||||||||||||
Armillaria mellea (Vahl.:Fr.) Kummer subsp. nipponica Cha et Igarashi |
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和名 | ||||||||||||||||
ナラタケ |
ナラタケ(楢茸、Armillaria mellea (Vahl.:Fr.) Kummer subsp. nipponica Cha et Igarashi)はハラタケ目キシメジ科ナラタケ属に分類され、主として木材腐朽菌として生活しているキノコ。以前はナラタケ属はナラタケモドキとナラタケの2種類にされていたが、最近は顕微鏡的特徴や生化学的手法によってさらに多くの種に細かく分類されている。
狭義のナラタケは、晩春、晩秋に広葉樹の枯木や生木から発生する。傘は黄色で饅頭型から中高扁平型。周辺に条線があり、ささくれは少ない。ひだはやや疎で垂生し、若いものは白いが、成熟すると褐色。つばは膜質。肉は白色で少し甘みや渋みがある。柄は傘と同じ色で中実。つばの上に条線がある。
この種は枯死植物を分解吸収して生活するのみならず、生きている植物に対する寄生性、病原性も強い。ナラタケの寄生による病害は「ならたけ病」と呼ばれ、リンゴ、ナシ、モモ、ブドウ、クリなどの果樹、サクラやナラ類などの木本類、ジャガイモ、ニンジンなどでの発生が報告されている。
枯死植物や生木の寄生部分で生活する菌糸体はその部分だけで生活史を完了するのではなく、黒い木の根のような菌糸束を形成してこれを地中に伸ばし、離れたところに存在する枯れ木や生木に接触すると、これにも新たに菌糸を伸ばし、寄生する。一方、ラン科の腐生植物であるツチアケビやオニノヤガラはナラタケの菌糸束を地下茎や根に呼び込み、表層部の細胞内で消化吸収して栄養素を摂取している。
生で食べると中毒するが、まれに火を通しても中毒することがある。毒成分は不明。
[編集] 参考文献
- 池田良幸『北陸のきのこ図鑑』ISBN 4893790927
- 長沢栄史『日本の毒キノコ』 ISBN 4054018823
- 日本植物病理学会・編『日本植物病名目録』 ISBN 4889260668
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