ドラゴンセイバー
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ドラゴンセイバー | |
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ジャンル | シューティングゲーム |
対応機種 | アーケード[AC] PCエンジン[PCE] プレイステーション[PS] |
開発元 | ナムコ |
発売元 | ナムコ |
人数 | 1~2人 |
メディア | [PCE]HuCARD [PS]CD-ROM1枚 |
発売日 | [AC]1990年12月10日 [PCE]1991年12月27日 [PS]1997年10月30日 |
『ドラゴンセイバー』(DRAGON SABER –AFTER STORY OF DRAGON SPIRIT–) は、1990年12月にナムコ(現・バンダイナムコゲームス)より発売された業務用縦スクロールシューティングゲーム。副題のとおり1987年6月に発売された『ドラゴンスピリット』の続編である。
目次 |
[編集] 概要
『ゼビウス』以来の対空対地を撃ち分ける縦スクロールシューティングとして、これまで敵役として登場していた「ドラゴン」をプレイヤーキャラクターに起用し斬新さを与えた『ドラゴンスピリット』から3年半後にその続編としてリリース。主な追加要素として2人同時プレイが可能となり1Pはブルードラゴン、2Pはレッドドラゴンを操作し、一人がプレイ中にもう一人が途中参加可能になった。
マザーボードがドラゴンスピリットで使用されたシステムIからシステムIIになったことにより背景の回転・拡大・縮小の表現が加わり、音質が向上した。
ドラゴンの首が1本でも対空と対地が同時に攻撃出来、プレイヤーがしばらく対空攻撃ボタンを押さないでいるとドラゴンにエネルギーが溜まり、フルに溜まった時点で対空攻撃ボタンを押すと超強力な対空攻撃が出来る「エクスプロードショット」が備わった。
ライフは前作では2~3回ダメージを受けるとミスであったが、今作はライフなし(1回ダメージを受けるとミス)、ライフあり(2~4回ダメージを受けるとミス)が店側で設定出来た。ライフは回復しない。
ライフのなしあり設定は全面クリア時の残機ボーナスにも影響する(ライフなしで1機につき20万点、ライフありで1機10万点)。それによりこのゲームで高得点を取る方法は前作と異なり、ライフなし設定でノーミス全面クリアすることが重要となってくるが、今作はゲームランクの自動調整機能が備わっており、ノーミスでいる時間が長いほど難易度は高く、敵の攻撃は激しくなり、逆にミスやコンティニューをするほど難易度は下がる。ノーミスで進んだ時、最終面でのアンチ(パワーダウンアイテム)を大量にバラまく敵には圧巻する。ストックは前作同様得点でエクステンドがあり、更にアイテムによるエクステンドがある。
全9ステージで構成されており、ステージ8以外の各ステージの最後でボスが現れる。ステージ9の最後に登場するカオスを倒すと、エンディングが始まる。隠しモードとして、クレジットを投入して1Pの対空対地両方のボタンを押しながらスタートすると、ステージ1~6の道中とエンディングのBGMが、前作ドラゴンスピリットのアレンジバージョンに変わる。さらにエンディングでは、ナムコゲームの歴史パート2として1987年7月の『ブレイザー』から1990年12月の『ドラゴンセイバー』までのリストが見られる(ただし、1988年『メルヘンメイズ』と1989年『ブラストオフ』の2作品がこのリストから洩れている)。
[編集] ストーリー
遥か彼方の世界。人々は利己主義により戦争や環境破壊などの愚かな歴史を繰り返してきた。それにより世界の何処かで超進化した異次元の生命体が数多く産み出され、世界は瞬く間にその生命体に支配されていった。一方その頃、かつて聖龍ブルードラゴンとともに魔王ザウエルを封じ込めた太陽神アーリアは、ヒューイとシリアという勇敢なる2人の若者に龍の力を得られる聖剣を与え、諸悪の根源の討伐を託した。2人は巨龍に変身し戦いの旅に出たのであった。
[編集] アイテム
前作同様アイテムによるパワーアップシステムがあり、地上に存在する卵を破壊することで出現するアイテムと白く点滅する敵を撃つと出現するアイテムがある。以下にアイテムのリストを示す。
- 赤玉(パワーアップ)
- 地上のオレンジ色の卵を破壊すると出現。1つ取ると対空攻撃が1段階パワーアップする。最大2段階まで。
- 青玉(ノーマルドラゴン)
- 地上の青色の卵を破壊すると出現。1つ取るとドラゴンの首が1本増え、対空と対地の攻撃力がアップする。最大3本まで。エクスプロードショットではザコ敵を貫通するショットを前方に発射。また以下のファイアー、アックス、スパーク、スチールの各ドラゴンからノーマルドラゴンに戻る。
- ファイアードラゴン
- ステージ2の赤色の卵を破壊すると出現。取るとファイアードラゴンに変身。エクスプロードショットでは強力なファイアーブレスで攻撃。ドラゴンの色は1Pは銀色、2Pはオレンジに変わる。
- アックスドラゴン
- ステージ3の水色の卵を破壊すると出現。取るとアックスドラゴンに変身。エクスプロードショットでは扇状にショットを発射。ドラゴンの色は1Pは青緑、2Pはピンクに変わる。
- スパークドラゴン
- ステージ4の黒色の卵を破壊すると出現。取るとスパークドラゴンに変身。エクスプロードショットでは強力な電撃で対空の敵全体を攻撃。ドラゴンの色は1Pは黒色、2Pは赤茶に変わる。
- スチールドラゴン
- ステージ6の白色の卵を破壊すると出現。取るとスチールドラゴンに変身。エクスプロードショットでは敵を自動追尾するホーミングショットを発射。ドラゴンの色は1Pは白色、2Pは薄ピンク色に変わる。
- スモールドラゴン
- ドラゴンが小さくなり、当たり判定が小さくなる。前作と異なり他のパワーアップドラゴンと併用できず、ノーマルドラゴンがそのまま小さくなった状態になる。ドラゴンの色は1Pは緑色、2Pはピンク色に変わる。赤玉を取ると首の数が増え、他のパワーアップアイテムを取ると通常の大きさに戻る。
- パワーウィング
- ドラゴンの左右にバリアを張り、一定時間敵や敵の弾から身を守る。
- ダイア
- 1000点のボーナス得点が加算される。
- ハート
- 3個取るとドラゴンのストックが一つ増える。取るごとに画面下中央に卵→雛のグラフィックで表示され3個目を取るとストックが追加される。2P同時プレイでは3個目を取ったプレイヤーのほうにストックが追加される。前作と異なり、卵、雛状態でゲームオーバーになっても次のプレイには引き継がれない。
- アンチ
- 1つ取ると対空攻撃が1段階パワーダウンされるマイナスアイテム。スモールドラゴンの状態で取ると元の大きさに戻ってしまうが、ファイアー、アックス、スパーク、スチールの各ドラゴンからノーマルドラゴンに戻ることはない。
[編集] エリア構成
- STAGE1:水没都市
- 都市の大部分が水に沈んだ海と島のみの地帯。
- ボス:アキラ
- STAGE2:火山
- 地殻変動が起き、溶岩が流れて巨大な炎が噴き出す地帯。
- ボス:ヒッポカンパス
- STAGE3:化石
- 左右に動く壁が行く手を阻む遺跡のような地帯。
- ボス:エイリアンキング
- STAGE4:地蕈(ちじん)
- 異次元の植物が眼下に広がる地帯。
- ボス:ウッディ
- STAGE5:渓谷
- 迷路のように曲がりくねった岩壁を高速で進む。
- ボス:ロックヘッド
- STAGE6:氷穴
- 左右に尖った氷の壁が行動範囲を狭める氷の洞窟。
- ボス:アイススネーク
- STAGE7:魔界
- 異次元の生命体や細胞壁で構成された異様な地帯。
- ボス:ドラゴンゾンビ
- STAGE8:暗黒
- 悪の本拠への入り口。エリアは短く、立っている石像から多くアイテムを出す。
- ボス:(ボーナスステージ扱いのため、ボスは存在しない。)
- STAGE9:最終
- 悪の本拠。近未来の機械要塞。
- ボス:カオス
[編集] BGM
BGMは前作に引き続き細江慎治が担当。前述のとおり裏技で前作のアレンジBGMでプレイが出来る。ステージの順番通りではなく、そのシーンに即した選曲である。
- STAGE1 → The Paleozoic Era(ドラゴンスピリットAREA1)
- STAGE2 → Volcano(同AREA2)
- STAGE3 → Cave Road(同AREA5)
- STAGE4 → Jungle(同AREA3)
- STAGE5 → Grave Yard(同AREA4)
- STAGE6 → Glacier Land(同AREA6)
- エンディング → (同エンディング)
なお、全面クリア時のネームエントリーBGMは前作でいったんボツになったものが採用された。
[編集] 移植版
移植作としては、
でそれぞれ発売された。プレイステーションでのナムコミュージアムシリーズでは1990年代の作品で唯一このゲームが収録されている。
[編集] こぼれ話
9面のラストボス、カオスから出てくる魚介類の敵は、開発中にあった深海エリアに登場するはずの敵だった。 しかし、深海エリアはお蔵入りとなってしまった。