テイルズオブザテンペスト
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
テイルズ オブ ザ テンペスト | |
---|---|
ゲーム | |
ゲームジャンル | ロールプレイングゲーム |
対応機種 | ニンテンドーDS |
開発元 | ディンプス |
発売元 | バンダイナムコゲームス (ナムコレーベル) |
キャラクターデザイン | いのまたむつみ |
メディア | DSカード |
プレイ人数 | 1~3人 |
発売日 | 2006年10月26日 |
販売価格 | 5,040円(税込) |
レイティング | CERO:A(全年齢対象) |
その他 | DSワイヤレスプレイ対応 予約特典: オフィシャルファンブック (設定資料集、 B6サイズ・32ページ)、 フキフキ巾着 |
『テイルズ オブ ザ テンペスト』 (TALES OF THE TEMPEST) は、2006年10月26日にバンダイナムコゲームスから発売されたニンテンドーDS用RPG。「本格RPGをニンテンドーDSで」をコンセプトとしており、携帯機では初の正規タイトルとなるテイルズシリーズの第9作目である。テイルズ独特の固有ジャンル名は今作では『魂を呼び覚ますRPG』。
キャラクターデザインはいのまたむつみ。主題歌は『テイルズオブシンフォニア』の主題歌を担当したday after tomorrow(現在は活動停止状態)のボーカルで、ソロデビューを果たすmisonoのデビュー曲「VS(ヴァーサス)」。CDは2006年3月29日発売。
略称は「テンペスト」、もしくはタイトルの頭文字をとって「TOT」。
目次 |
[編集] 概要
当初は2006年4月13日に発売予定であったが、「更なるクオリティアップの為」という名目で、発売日を6月8日に延期するとシリーズ公式サイト「テイルズチャンネル」にて発表。その後、さらに発売日が2006年内と変更され、予約キャンペーンも一時中止された。発売日決定後は予約キャンペーンも再開している。大きな発売延期の影響もあり、主題歌のCDの発売日から本作の発売日まで6ヶ月も間隔を開く異例の状態となった。その為か、CMでは主題歌ではなくイメージソングが流されている。
しかし同時期に『テイルズオブデスティニー』『テイルズオブデスティニー2』『テイルズオブファンタジア』の移植&リメイク版が発表され、本作は注目を集め難い非常に不利な状況でのスタートとなってしまった。特にPS2リメイク版『テイルズオブデスティニー』とは1ヶ月しか発売間隔が無く、テイルズファンの注目や購買意思は、新作より過去の人気作リメイクに集中してしまい、本作の売上は15万本前後と厳しいもので『テイルズオブレジェンディア』『テイルズオブジアビス』に続き不振状況から脱却できなかった。
さらに、初代から続くテイルズシリーズ最大のウリである「キャラが喋る」という部分は携帯ハードである影響からか、テイルズの最新RPGにしては退化してしまった。テイルズシリーズではエターニアからフルボイスシステムを採用していたが、今回は戦闘でしか喋らず、それ以外はイベント等であっても殆ど喋らなくなっている。また、オープニングムービー(以下、OP)にも大幅な変更があり、大部分が3Dで描かれている。今までのテイルズシリーズのOPは細部まで行き届いた、地道な労力を要する多量動画のアニメーションで構成されている(例外として、エターニア等では背景の一部に3Dを使っている)事を考えると、多少の違和感を感じられる。
[編集] 戦闘システム
テイルズシリーズの最新鋭バトルシステム、3on3(スリー・オン・スリー)-リニアモーションバトルシステム。3on3とは、3Dと3ラインの意味で、過去作テイルズオブリバースの「3ライン-リニアモーションバトルシステム」では2D(一部術技は3D)だったのに対し、今作では全て3Dで表現されている。そのため、さらにリアルで奥行き感のある戦闘を魅せてくれる。また、ニンテンドーDSのタッチパネルとダブルスクリーンを活かして、技の使用やアイテムの使用がシームレスにバトルと結合している。 術技にも変化が見られ、今回は新たに「必殺技」が追加された。本作の必殺技は「特技を放った後、コマンド入力によってさらに追撃を与える」と言ったもので、奥義とTOD2の追加特技の中間の位置に値するような物になっている。必殺技からさらにコマンド入力によって奥義を出すことも可能だが、連携する技の他に、その奥義(必殺技)を覚えていないと使用できない。
また、本作では新たに獣人化と呼ばれる一種の覚醒能力のようなものも追加された。これにより容姿が変貌し戦闘力が上がるが、代償として術や技が使用出来ないと言う欠点も持つ。これはリカンツの血を引いているカイウスとフォレストが使用出来る(ただし、最初からは使用できない)。
[編集] ストーリー
かつて、大陸アレウーラには「世界を破滅させた種族」がいた。
それは「リカンツ」と呼ばれる猛々しい外見の種族で、彼らは「獣化」という異能を秘めており、そのことから「獣人」の呼び名を馳せていた。彼らは、その高い身体能力と精神力でアレウーラを支配し、独自の文明と進化を遂げていた。しかし、ある時、リカンツでない別の勢力が、封印されていた技術を用いて、多くのリカンツを虐殺する事件が起きた。それは決して、その勢力の確信的なものではなかったが、のちに「獣人戦争」と呼ばれる戦争を引き起こすこととなった。 その騒乱により、リカンツの個体数が急激に減少し、結果、少数で弱小種族であった「ヒト」が国家を立ち上げ、アレウーラの支配権を得ることとなった。それから、ヒトはリカンツの撲滅運動を始めた。それは、リカンツの異能がヒトにとって脅威となる存在であるからである。勅命を受けた教会や騎士団達は、報奨を目的に「リカンツ狩り」を起こし、世界からリカンツの存在を根源から消滅させるべく活動を始めた。
ある日、カイウス達の住む辺境の町フェルンに傷ついた騎士がやって来る。カイウスとルビアは彼を助けるものの、看病の甲斐も無く騎士は息絶えてしまう。死ぬ寸前にカイウスは彼の持っていた赤い結晶「ペイシェント」を渡されるが、カイウスが受け取った後に突如結晶が光りだした。さらにその直後魔物が現れ、カイウスはルビアと共に魔物を追い払おうとしたが、そこにいたカイウスの養父がリカンツに変身、魔物を次々と倒していく。しかしその事で村人達にリカンツだとバレてしまい、養父は村から追い出されかけたが、間一髪でルビアの両親に助けられ、話し合いで決まるまでは家に篭るように養父に命令する。家で真相を問い詰めたカイウスは、養父から自分の出生と父の存在を知る。しかしその後、ルキウスとロミー率いる「異端審問官」によってカイウスの養父は捕まり、養父を庇ったルビアの両親もロミーの陰謀により殺されてしまう。そして、養父の指示で逃げ出した2人、ルビアは両親の仇を取るため、カイウスは養父を救うべく、そして実の両親を探すため首都ジャンナへと向かう。
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
[編集] 登場人物
- カイウス・クオールズ (Caius Qualls)
- 年齢:15歳 性別:男性 身長:165cm 体重:56kg 声:高城元気
- 本作の主人公。アレウーラの辺境の村で獣人の養父と二人暮らししている。ヒトとリカンツのハーフ。純粋なリカンツでないため、自由に獣人化することが出来ない。ある日、偶然出会った傷ついた兵士から、赤き結晶「ペイシェント」を託されるが、その結晶に導かれるように「スポット」と呼ばれる異形の生物が村に襲いかかってきた。カイウスと養父はスポットを退治するものの、その際に養父がリカンツだと村人たちに知られ、追い立てられるような形で彼らは村を出ることを決める。しかし、その道中で養父が教会に捕まり、彼との別れ際にカイウスは本当の両親のことを聞かせられる。そして、カイウスは本当の両親を探すため、首都を目指こととなった。自らも似たような赤い結晶を持っており、騎士から渡されたペイシェントと共鳴する所から恐らく同じものと思われる。
- 『テイルズシリーズ』の主人公の中でも良識人な方である。しかし、ルビアにからかわれて本気になったり、子供扱いを極端に嫌うなど子供っぽい一面もある。また、過去の作品でもハーフという存在(TOPのアーチェ、TOSのジーニアス・リフィル、TORのヒルダ等)は何度か登場したが、主人公が異端の存在であるケースは珍しい(TOAのルークも異端といえば異端)。カイウスが、自分をリカンツだと知り、どう折り合いをつけていくかがこの物語のメインの一つでもある。
- ルビア・ナトウィック (Rubia Natwick)
- 年齢:15歳 性別:女性 身長:155cm 体重:46kg 声:門脇舞
- 本編のヒロインにして、カイウスの幼い頃からの幼馴染。花をイメージした服装をしている。
- 教会の僧である両親を持ち、彼女自身も近い将来、首都に赴き僧兵の修行を受けるはずだったが、リカンツであるカイウスの養父を捕らえるために現れた、異端審問官の「ロミー」に両親を殺されてしまう。両親を殺したロミーに復讐するために、彼女もカイウス達と共に村を離れることを決める。
- 戦闘では杖を武器に持ち、炎・水・光属性の魔法(プリセプツ)で戦う。
- 性格は幼いころから僧の修行を受けていたからか、とても生真面目な性格。言葉たくみにカイウスを操る場面もあり、なかなかの腹黒キャラでもある。
- その一方で、ティルキスを「お兄様」呼ばわりしたり、敵の虚言を真に受けたりするなど、カイウス同様子供っぽい一面も残している。
- ティルキス・バローネ (Tilkis Barone)
- 年齢:18歳 性別:男性 種族:ヒト 身長:178cm 体重:68kg 声:山崎たくみ
- アレウーラの辺境にある小国の王子。聡明で、博学。また、端整な顔立ちが特徴的。昨今の、祖国の天変地異の原因を突き止めるために、従者のフォレストと供にアレウーラの首都に赴く。その道中でカイウス達と出会うことになる。身の丈ほどもある大剣を扱う。
- フォレスト・ルドワウヤン (Forest Ledoyen)
- 年齢:45歳 性別:男性 種族:リカンツ 身長:195cm 体重:95kg 声:乃村健次
- リカンツ(獣人)の大男。過去にジャンナを襲った8人のリカンツの1人で、処刑される前に牢屋から脱出し、ティルキスの国へ移住した。現在はティルキスの従者。アレウーラの地理に詳しく、水先案内人としてティルキスの旅に同行している。無口で外見から怖い人だと思われがちだが、実はとても優しい性格。大斧を扱う。
- アーリア・エクバーグ (Arria Ekberg)
- 年齢:18歳 性別:女性 種族:ヒト 身長:165cm 体重:52kg 声:荒木香恵
- 教会の僧侶。武器は杖で、風・地・雷・闇属性の魔法(プリセプツ)を得意とする。
- リカンツ迫害に疑問を抱いていつつも、最近地下の下水から首都に発生するようになった魔物を一人で食い止めている。カイウスを助けた事で彼らと知り合い、フォレスト救出作戦の時は「カイウスの友人なら私の友人だから」と言って仲間に加わった。
- ルキウス・ブリッジス (Lukius Bridges)
- 年齢:15歳 性別:男性 身長:165cm 体重:56kg 声:斎賀みつき
- アレウーラのリカンツ狩りを強行する異端審問官。教皇の右腕として教会の僧侶達を率いる。カイウスの持っている赤い結晶を狙っている。顔をマスクで隠しており、その素顔を伺うことは出来ない。(初回特典のガイドブックでは仮面を取った時の設定が書いており、素顔を見ることができる。)ちなみにカイウスと年齢・性別・身長が全く同じである。
- コンビを組んでいるロミーより非好戦的で落ち着いた性格をしているが、時には短杖を手にカイウスたちの前に立ち塞がることも。
- ロミー (Rommy)
- 年齢:15歳 性別:女性 種族:ヒト 身長:161cm 体重:49kg 声:瀬那歩美
- 異端審問官の少女。ルキウスと共にフェルンへ現れ、カイウスの養父を陥れるためにルビアの両親を殺した。仮面の下の可愛らしい素顔とは裏腹に、目的の為なら手段を選ばず、残忍で冷酷な性格をしている。
- アルバート・ミュラー (Albert Mueller)
- 年齢:20歳 性別:男性 種族:ヒト 身長:183cm 体重:72kg 声:麻生智久
- 首都ジャンナを警備している黒騎士団の団長。若干20歳ながら騎士団長まで上り詰めた剣術の達人であり、武器は大剣。ティルキスと同じ剣技を使用する。
- 彼もルキウス同様、ペイシェントと騎士についての情報を得ようとカイウスを狙う。過去作に登場したアッシュやミルハウスト、バルバトス等の宿敵に位置するキャラクターである。