ツガ
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ツガ | ||||||||||||||||||
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コメツガの葉(2006年10月撮影) |
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分類 | ||||||||||||||||||
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ツガ(栂)は、マツ科ツガ属の常緑高木。ヒマラヤから東アジアにかけてと北米に分布する。日本にはツガとコメツガの2種が分布する。秋篠宮文仁親王の印に用いられている。
- ツガ Tsuga sieboldii は本州中部から屋久島にかけてと韓国の鬱陵島の暖温帯(照葉樹林)から冷温帯(落葉広葉樹林)の中間地帯(中間温帯林)に主に分布する。モミと混成することがあるが、モミが山腹に生育するのに対して、ツガは尾根筋によく生育する。葉は扁平な針状で先端が二つに分かれる。モミに似ているが、モミは先端が尖っているのに対して、ツガは丸まっている。また、枝からの葉の付き方がモミとは若干異なっていることで識別できる。樹皮は茶色で亀甲状にはがれる。球果は小柄で楕円形、枝先にやや下を向いてぶら下がる。
- コメツガ Tsuga diversifolia は九州(祖母山)・四国・本州の近畿から青森までの、ツガより高い高度の冷温帯上部から亜高山帯にかけての山岳地帯に分布する。ツガと酷似するが、自生する高度の違いと葉がやや小さい点で識別できる。
海外のツガ属の樹木には
- Tsuga brunonianum ヒマラヤツガ
- Tsuga chinensis タイワンツガ
- Tsuga canadensis カナダツガ
- Tsuga heterophylla アメリカツガ
- Tsuga mertensiana 日本名不詳、北米産。カナダツガ・アメリカツガと総称してしばしば「ベイツガ」と呼ばれる
- Tsuga caroliniana カロライナツガ
などがある。