ゼルダの伝説 ふしぎの木の実
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『ゼルダの伝説 ふしぎの木の実』(ぜるだのでんせつ ふしぎのきのみ)は2001年2月27日に任天堂から発売されたゲームボーイカラー用アクションアドベンチャーゲーム。
任天堂とカプコンの共同開発という制作方法はゼルダの伝説シリーズとしては初めての試みであった。
このゲームは、内容が互いに独立しながら対となる『ゼルダの伝説 ふしぎの木の実 大地の章』(―だいちのしょう、The Legend of Zelda: Oracle of Seasons)および『ゼルダの伝説 ふしぎの木の実 時空の章』(―じくうのしょう、The Legend of Zelda: Oracle of Ages)の2作品からなる。この2作品間で互いにパスワードを入力したりケーブルを介して通信することにより、他方のゲーム内容やストーリーを継承した内容を遊ぶことが出来る仕組みが用意されている。
ちなみに、元々は力の章、勇気の章、知恵の章の3作品構成だったが、力の章が大地の章となり、勇気の章が時空の章の2作品になってしまった。(知恵の章でヒロインとして登場するはずだったフロルは、両作品のパスワードを入力する場所で会う事が出来る)
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
目次 |
[編集] ゲームの内容
このゲームは大地の章と時空の章とが別々に発売された(北米版ゲーム名は『大地の章』が"The Legend of Zelda: Oracle of Seasons"、『時空の章』が"The Legend of Zelda: Oracle of Ages"である)。任天堂の公式ホームページによると「お互いをつなぐ(リンクする)ことによって、さらに深く冒険の世界を楽しめる」と書かれている。つまり1つのゲームだけでも楽しめるが、2つ持っていればもっと楽しめるというものである。それを可能にするのはそれぞれのゲームで登場する「あいことば」である。これによってこれまでになかった新たな冒険を楽しめる。これは「リンクシステム」と呼ばれている。これがなければ最大まで強化できない能力も多々ある他、このゲームに登場するアイテムをコンプリートすることもできない。
このゲームは指輪と木の実が大きくかかわっており、これなしではゲームをクリアすることすらできないほど重要となってくる。
ゲームは、オープニングのデモでハイラル地方の大地を馬で駆けるリンクの姿を映すところから始まる。深い森に埋もれたある神殿にたどり着いたリンクは、その中でトライフォースを見つけ、試練を受ける。
[編集] 大地の章
ゼルダの伝説 ふしぎの木の実 大地の章 | |
---|---|
ジャンル | アクションアドベンチャーゲーム |
対応機種 | ゲームボーイカラー |
開発元 | カプコン |
発売元 | 任天堂 |
人数 | 1人 |
メディア | カートリッジ |
発売日 | 2001年2月27日(日本) 2001年5月14日(米国) 2001年10月5日(欧州) |
売上本数 | 世界累計 396万本 |
その他 | ゲームボーイカラー専用カートリッジ |
[編集] あらすじ
リンクは気づいたときにはホロドラムという大地の森の中にいた。そこでリンクは大地の巫女ディンと出会ったものの、直後にディンは悪の権力者ゴルゴンにさらわれてしまった。さらにゴルゴンは四季を乱して大地の恵みを奪ってしまった。そしてリンクはディンを救い出し乱れた季節を取り戻そうとするのである。
[編集] 大地の章のゲーム内容
ディンを救い出し乱れた季節を取り戻すことが目的なのだが、四季のロッドを使って季節を変えることで起こる変化を利用して謎を解くゲームである。たとえば春ならば花が咲きその花を利用して行けないところに行ったり、冬になれば木は枯れ、池は凍り、通行の邪魔であったところを通れたりして冒険を進める。このほかにもいろいろなアイテムを使わないと先に進めないという、少し頭を使わないといけない場面がよく見られる。
そしてこれらを駆使して四季の乱れを取り戻すために「大地のことわり」を手に入れていき、ゴルゴンを倒すのである。
[編集] 大地の章の登場キャラクター
以下は時空の章にも登場するキャラクターも見られるがその場合は一部を除き説明を割愛する。
- リンク(Link)
- 本編の大地と時空での主人公。もちろん悪のボスを倒すのも彼である。
- ディン(Din)
- 見かけは踊り子だが本当は大地の巫女。そのことを知ったゴルゴンにさらわれる。
- ゴルゴン(Gorgon)
- 闇の将軍。自分の世界を作り上げようと四季の力を乱す。
- マカの木(Maku Tree)
- ホロドラムを守る神木。とぼけた性格で、しばしば、というよりほとんど寝ている。
- ゼルダ姫(Princess Zelda)
- ハイラルの王女。だが普通にゲームをやっているだけでは登場しない。
- インパ(Impa)
- ゼルダ姫の乳母。何かとリンクにアドバイスを教えてくれる。
- メイプル(Maple)
- 魔法使いの見習い。箒にまたがって飛行するがうまく飛ばなく、リンクとのアイテム争奪戦が起こる。物語が進むと、何故か掃除機やUFOに乗って現れる。
- ボスブリン(Bossblin)
- ブタブリン族のボス。爆弾を製造しているがスケールは小さい。
- ペックとラミン(Peck and Ramin)
- ホロドラムに住んでいる夫婦。ガチャの実について詳しい。
- タロンとマロン(Talon and Malon)
- コッコというニワトリを飼っている親子。父タロンはコッコ山に行ったきり帰ってこない。
- ソクラ
- 歌人であり予言者。一番の暇人という評もある。
- 船長
- 海賊を率いており、ただ骸骨のままになっても生き続けている。
- ルール村長
- ガチャの実に夢中な村長。
- ウーラ族
- 違う世界に住む民族。語尾に「ウラ」と強調するかのように言っている。
- ゴロン族(Goron)
- ゴロン山に住む民族。やはり語尾に「ゴロ」と強調している。
- カーノ
- 指輪の鑑定士。男だがいい男には目がない。
- ウィウィ
- 子どものドドンゴ(角竜のようなもの)。激流でも逆らわずに進める。
- ムッシュ
- 翼をつけた熊のようなもの。得意技はヒップアタックである。
- リッキー(Ricky)
- 見たまんまカンガルー。トルネードショットが得意。
- シロップ(Syrup)
- 大魔法使い。薬などを売っている。彼女の家へはある季節しか行くことが出来ない。
- その他色々
[編集] 大地の章の町とダンジョン
- ホロン村
- 勇者のどうくつ
- LEVEL1 根っこのダンジョン
- LEVEL2 蛇のなきがら
- LEVEL3 どくがの巣穴
- LEVEL4 龍の舞うダンジョン
- LEVEL5 一角獣のどうくつ
- LEVEL6 古代の遺跡
- LEVEL7 冒険者の墓
- LEVEL8 剣と盾のダンジョン
- ゴルゴン城
[編集] 時空の章
ゼルダの伝説 ふしぎの木の実 時空の章 | |
---|---|
ジャンル | アクションアドベンチャーゲーム |
対応機種 | ゲームボーイカラー |
開発元 | カプコン |
発売元 | 任天堂 |
人数 | 1人 |
メディア | カートリッジ |
発売日 | 2001年2月27日(日本) 2001年5月14日(米国) 2001年10月5日(欧州) |
売上本数 | 世界累計 396万本 |
その他 | ゲームボーイカラー専用カートリッジ |
[編集] あらすじ
リンクは気づいたときにはラブレンヌという場所にいた。そこでリンクは途中で出会ったインパとともにネールという女性に出会った。しかしインパがネールを見つけると、インパに取り憑いていた闇の司祭ベランが姿を現してネールの体に乗り移り、彼女の力を使って時空を乱し始めた。リンクは正気を取り戻したインパから頼まれ、過去へ連れ去られたネールを取り戻し乱れた時空を直そうとしたのである。
[編集] 時空の章のゲーム内容
ネールを救い時空の流れを取り戻すことが目的なのだが、しばらく後に登場する時の竪琴で過去と現在を行き渡って謎を解くゲームである。たとえば現在では行けないところがあれば、過去の世界で何かを行って現在の世界に変化を起こす、という風に利用して行けない所を切り開いて冒険を進める。このほかにもいろいろなアイテムを使わないと先に進めないという、少し頭を使わないといけない場面がよく見られる。
そしてこれらを駆使して時空の乱れを取り戻すために「時空のことわり」を手に入れていき、ベランを倒すのである。
[編集] 時空の章の登場キャラクター
以下は大地の章にも登場するキャラクターも見られるが、その場合は一部を除き説明を割愛するとともに大地の章の登場キャラクターを参考にしてほしい。
- リンク
- ネール(Nayru)
- 時の巫女。彼女の歌を聴きに来る動物も多くいる。しかし、時の巫女ということを知ったベランにさらわれる。
- ベラン(Veran)
- 闇の司祭。自分の世界を作り上げようと時空の力を乱し思うままにしようとする。
- マカの木
- ラブレンヌを守る神木。まだ若い少女のような性格で、あることでリンクに好意を持つ。
- ラルフ(Ralph)
- ネールの幼なじみで人一倍ネールのことを心配している少年。ただ時に無鉄砲なところもある。
- アンビ女王(Queen Ambi)
- 過去の時代の女王。ある人の帰りを待つために塔を建造している。
- ゼルダ姫
- インパ
- メイプル
- 説明は大地の章の通り。だが過去にも登場しているのでどうやってワープしているかは謎である(作中では『不思議なトンネルを通った』と発言しているが、本来、時の穴は封印されているはずである)。
- ボスブリン
- ペックとラミン
- ラブレンヌに住んでいる夫婦。ガチャの実について詳しい。
- プレン町長(Chief Plane)
- ラブレンヌのレンヌ町長。自分が歴史を詳しいことを自慢しているかのように思える。
- ベック(Beck)
- ペックではなく、ベックである。ガチャの実について嫌っているように見える。
- 船長(Captain)
- チンクル(Tinkle)
- 実年齢35歳の、自分を妖精だと言っている人間。前作の『ムジュラの仮面』から登場している。
- 妖精(Fairy)
- 本当の妖精。この妖精は最近のシリーズで登場する。
- リペア仙人(Repair Wizard)
- 壊れたものを修復する仙人。だがその態度はリンクのみならずゲーマーも倒したいほどである。
- トカゲ人
- ミカヅキ島に住む。語尾に「トカ」と強調している。
- ゴロン族
- ゴロン山に住む民族。やはり語尾に「ゴロ」と強調している。
- ゾーラ族
- ゾーラの里に住む民族。基本的には普通の喋り方だが、長であるキングゾーラのみ語尾に「ゾラ」とつける。
- カーノ
- ウィウィ
- ムッシュ
- リッキー
- ウィウィ、ムッシュ、リッキーの3匹の動物は、過去には行くことが出来ない。
- シロップ
- 大地の章と同じ。彼女の家は時空の章では人気のよらないところにある。
- その他色々
[編集] 時空の章の町とダンジョン
- レンヌの町
- レンヌの村
- 三日月島
- シメトリ村
- アンビ宮殿
- LEVEL1 魂の墓
- LEVEL2 翼のダンジョン
- LEVEL3 月影のほこら
- LEVEL4 どくろダンジョン
- LEVEL5 王冠のダンジョン
- LEVEL6 人魚のどうくつ
- LEVEL7 ジャブジャブ様のお腹
- LEVEL8 いにしえの墓
- 暗黒の塔
[編集] リンクシステム
大地の章、時空の章をそれぞれクリアすると「あいことば」が表示される。もう一方の章を新規に遊び始める際にそのあいことばを入力すると、そこに登場する主人公(リンク)は、あいことばを表示した章の冒険を既に成し遂げた人物として作中に登場し、ストーリーも通常のプレイと比べ様々な違いが生じる。
また、あいことばで開始した冒険中の世界とあいことばを表示した章のクリア後の世界とをつなぐあいことばも存在し、あたかも一度冒険した土地を再び訪れて、また冒険に戻っていくかのように表現される。これによって双方のイベントをこなすことで、冒険中の世界の能力やアイテムをさらに強化することもできる。一部のアイテムや指輪は、これによらなければ入手できない。
作中で表示されたあいことばは、マカの木のうろに住むフロルという巫女が全て覚えている。(ディン、ネール、フロル、の名は、ハイラルを創造した3柱の女神に由来する)
あいことばによりストーリーが変化し、2つの章が連続した一つの物語になると、ゴルゴンとベラン、そして背後に潜む黒幕の真の目的が明らかになり、ゼルダ姫が物語の核心に関わることとなる。
[編集] 漫画
- 『ゼルダの伝説 ふしぎの木の実 大地の章』(姫川明・2001年)
- 『ゼルダの伝説 ふしぎの木の実 時空の章』(姫川明・2001年)