ジャストシステム
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種類 | 株式会社 |
市場情報 | |
本社所在地 | 771-0189 徳島県徳島市川内町平石若松108番地4 |
電話番号 | 088-666-1000 |
設立 | 1981年(昭和56年)6月2日 |
業種 | 情報・通信業 |
事業内容 | ソフトウェアの研究・開発・販売 |
代表者 | 代表取締役社長 浮川和宣 代表取締役専務 浮川初子 |
資本金 | 65億2,019万円 |
売上高 | 121億1,600万円(2006年3月期) |
従業員数 | 669人(2006年3月末) |
決算期 | 毎年3月31日 |
主要株主 | 浮川和宣(27.55%) 浮川初子(23.29%) 他 |
外部リンク | www.justsystem.co.jp/ |
特記事項: 創業は1979年(昭和54年)7月7日 |
株式会社ジャストシステムは、徳島県徳島市川内町平石若松108番地4に本社を置くソフトウェア開発会社である。英訳名はJUSTSYSTEMS CORPORATION (2006年6月23日にそれまでのJUSTSYSTEM CORPORATIONから変更) 。
目次 |
[編集] 概要・沿革
浮川和宣・初子夫妻が1979年に創業した(株式会社化は1981年)。1983年、PC-100対応日本語ワープロソフト「JS-WORD」を開発したことを契機に日本語ワープロソフトの開発・販売に進出し、1985年には同社の看板製品となる「一太郎」を発売。以後、バージョンアップを重ねるごとに人気を高め、一太郎はDOS版日本語ワープロの代名詞的存在となった。
コンピュータ上の日本語処理について、熱心に研究に取り組んでおり、同社のかな漢字変換ソフトウェア「ATOK」は最高水準の変換精度を誇っている。また、日本から唯一、Unicodeコンソーシアムに参加している企業である。
XML関連技術の研究開発に積極的に取り込んでおり、複合XMLドキュメントのプラットフォーム技術xfy(エクスファイ)を製品化している。
一太郎・ATOKを核として、オフィス製品、教育市場向け製品など、多種多様なソフトウェアを販売しているが、アプリケーションソフトウェアメーカーがウィンドウシステムを持つべきだとの持論を展開し、ジャストウィンドウとそれに対応したアプリケーションソフト群を開発した。ジャストウィンドウはMicrosoft Windowsが広まる以前に日本でもっとも使われたウインドウシステムとなった。しかし、一アプリケーションソフトメーカーがOSを開発するという時代に逆行する戦略、Windowsの普及を背景にMicrosoft Officeの販売に注力したこともあり、シェアが一気に低下してしまった。
Windows向けアプリケーション市場ではマイクロソフトの攻勢を受けて苦戦しており、日本語処理技術の蓄積を武器にニッチ市場を開拓することで事業を展開している。過去のシェアを活用し継続性が重視される法人向け切り込み軸足を移している。2003年5月には、Linux向けに一太郎・ATOKを皮切りにデスクトップ製品、サーバ製品を展開することを発表、2005年1月には「一太郎 for Linux」「ATOK for Linux」を発売している。
2006年6月、英文社名を Justsystem Corporation から JustSystems Corporation に変更。同年9月、新コーポレートシンボル「JUSTSYSTEMS.」を導入する。
2006年10月3日、同年11月17日に総合セキュリティソフトの「Kaspersky Internet Security 6.0」とアンチウイルスソフト「Kaspersky Anti-Virus 6.0」を発売しセキュリティソフト市場に参入すると発表。
また、東京支社には出版部があり、ユーザー向け情報誌「ジャストモアイ」の発行、自社製ソフトやコンピュータ関連の解説書、ビジネス書やSF小説などの各種一般書の発行を行っている。
[編集] 主要な製品
- 一太郎(日本語ワープロソフト)
- ATOK(かな漢字変換ソフト)
- 花子(グラフィックソフト)
- 三四郎(表計算ソフト)
- 五郎(データベースソフト)
- JUST Suite(オフィススイート、これまでにもJustsystem Office、一太郎Officeが存在した)
- Shuriken(メールソフト)
- 楽々はがき(はがき作成ソフト)
- 大地(DTPシステム)
- ラベルマイティ(ラベル作成ソフト)
- ジャストホーム(家庭用ソフト)
- Concept Search(デスクトップ情報検索ソフト)
- Concept Base(自然言語検索システム)
- BeatJam(音楽ファイルの再生・管理)
- xfy Enterprise Solutions (統合XMLアプリケーション開発/実行プラットフォーム)
- Justsystem PDF Suite(PDF作成・編集ソフト)
- 他社からOEM供給を受けている製品
- Kaspersky Anti Virus / Kaspersky Internet Security (ロシアZAO Kaspersky Lab製アンチウイルスソフト/インターネットセキュリティスイート、バージョン6以降はジャストシステムが日本国内での販売・サポートを行う。)
- Agree(韓国Haansoft製プレゼンテーションソフト「Haansoft Slide」を、一太郎のインターフェイスに変更するなどの日本語ローカライズを施した製品)
[編集] 松下アイコン訴訟
ヘルプアイコン機能(ヘルプアイコンをクリックし、続けてメニューやツールボタンをクリックするとその機能の説明が表示される機能)が松下電器産業の特許の侵害でないかと提訴されたもの。
[編集] 一審
2005年2月1日、ジャストシステム製品一太郎・花子においてアイコンにおける操作について松下電器産業の所持する特許の侵害が行われているとして、東京地方裁判所により製造・販売の中止と製品の廃棄をするべし、という判決が下った。
この特許については以下のような争点がある。
- この特許内容はもともとのWindowsに搭載されている機能なのではないか。
- 特許として掲載されているが、その時点ですでに既知の技術として記載された文献が存在する(アップルコンピュータによるもの)。
- そもそも特許にならない絵柄の問題ではないのか
この特許に関して松下電器はライセンス契約を申し入れていたが、ジャストシステムは上記のうちWindows搭載機能であることを理由にこれを拒否している。
[編集] 控訴審
ジャストシステムは2005年2月8日、この判決を不服として控訴した。控訴審は同年4月に開設された知的財産高等裁判所で行われることになり、史上初めての5人の裁判官による大合議による審理となった。
9月30日に判決が言い渡され、知財高裁は、松下電器産業の特許には無効理由(進歩性欠如)があるので、特許法104条の3の規定により特許権の行使は認められないとの判断を示し[1]、ジャストシステムの逆転勝訴となった。
その後、松下電器産業は最高裁判所への上告を断念したため、ジャストシステムの勝訴が確定した。
[編集] 関連項目
[編集] 注記・参考資料
[編集] 外部リンク
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