シンデレラ城
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シンデレラ城(シンデレラじょう)は、アメリカウォルト・ディズニー・ワールド・リゾートのマジック・キングダムと東京ディズニーランドのシンボルである。
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[編集] シンデレラ城のモデル
カリフォルニアのアナハイムにあるディズニーランドの眠れる森の美女の城はそのモデルとなったノイシュバンシュタイン城の影響を色濃く残している。しかし、その次にデザインされたディズニーワールドのシンデレラ城(フロリダオーランド)は複数のヨーロッパの建築、特にフランスの城(宮殿)をモデルにしている。ユッセ城 (fr:Château d'Ussé)、フォンテーヌブロー宮殿 (fr:Château de Fontainebleau)、ヴェルサイユ宮殿 (fr:Château de Versailles)、シュノンソー城 (fr:Château de Chenonceau)、シャンボール城 (fr:Château de Chambord)、ショーモン城 (fr:Château de Chaumont-sur-Loire) などがそれである。全体としてはディズニーランドの眠れる森の美女の城のほぼ倍の高さがあるばかりでなく、すべてにおいて大きく細部も凝った豪華なデザインになっている。
シンデレラ城は、東京ディズニーランドとウォルト・ディズニー・ワールド・リゾートにほぼ同じものがある。
一方、眠れる森の美女の城はカリフォルニアアナハイムのディズニーランドと香港ディズニーランドにほぼ同じものがある。ディズニーランド・パリにある眠れる森の美女の城は名前だけ同じだが、他の二つとはデザインおよび大きさが異なり、実在の城だけでなく童話やアニメーションなどの想像上のモチーフに強い影響を受けている。
参考:Disney Online Guest Services
[編集] マジック・キングダムと東京ディズニーランドのシンデレラ城の共通点
東京ディズニーランドのシンデレラ城がそれ以前に完成したディズニーワールドのシンデレラ城の複製であるため両者の共通点は非常に多い。
シンデレラ城には、29本の塔があり、ファンタジーランドから城を見上げると、21枚のイタリア製のガラスを使用したステンドグラスが見える。城の一階通路には縦4.6メートル横3メートルのアーチ型のシンデレラの名シーンを現したイタリアガラスのモザイク壁画が5枚ある。イマジニア、ドロシアレドモンドによってデザインされたこの壁画には、ジョンヘンチ、ハーブライマンといったディズニーを代表するデザイナーの顔がキャラクターとして登場する。また、本物の宝石が使用された部分があるのでも有名である。通路の正面入り口上部とファンタジーランド側入り口上部にはディズニー家の紋章が飾られている。
シンデレラ城には、他のディズニーテーマパーク建築と同様に、石垣が上に向かってだんだん小さくなっていたり、窓や扉の大きさが徐々に小さくなるなどの、強化遠近法が使われている。これらは、城を実際の高さよりも高く見せるためであり、もともと映画のセットで頻繁に使われる技術である。
一番高いところにある金色の塔は、フランスなどヨーロッパの城や寺院建築からヒントを得たものである。アナハイムの眠れる森の美女の城を造った際に設けた小さな金色の塔をウォルト・ディズニーが気に入っていたので、シンデレラ城をデザインした際にデザイナーが最も目立つ塔に採用した。東京では、ほんの一時期銀色に塗られていた。
[編集] マジック・キングダムのシンデレラ城
1971年7月にフロリダ州オーランドにあるウォルトディズニーワールドのマジック・キングダムに完成した。高さは189フィートであり、外観は2006年に色を塗り替えられる以前の東京ディズニーランドのものとほぼ同じである。ただし、外壁である石垣が東京のほどリアルな質感をもたずに平面的であり、色もより明るく塗られている。内部もそのデザイン要素の多くを東京と共有している。しかし、ファンタジーランド側からみた2階部分は東京のがシンデレラ城ミステリーツアーのショースペースとして使用していたのに対し、フロリダのは飲食施設となっている。
その飲食施設は「眠れる森の美女」から名前をとったKing Stefan's Banquet Hallと呼ばれていたが、城そのものの名称はシンデレラ城だったので、施設はそのままに1997年4月にCinderella's Royal Tableと改名されて現在に至っている。このレストランは本来、更に上階に設置予定だったウォルトディズニーのプライベートスペースに直結するレストランであり、東京やアナハイムのClub 33のように、ウォルトやその家族が関係者をもてなす特別なレストランとして設計された。ウォルト・ディズニーが1966年に死去したため、プライベートスペースは倉庫スペースや電話交換オペレータの施設などとして使用されることとなり、レストランも当初から一般のゲストに公開された。
パーク全体にUtilidorと呼ばれる巨大な地下サービス施設(通路)があり、東京と違いシンデレラ城もそこにつながっている。
[編集] 東京ディズニーランドのシンデレラ城
東京ディズニーランドのシンデレラ城は、最高地点の高さは51メートルである。頭頂部には園内業務用無線のアンテナが設置されている。
東京ディズニーランドのシンデレラ城には、シンデレラ城ミステリーツアーという東京ディズニーランドだけのアトラクションがあった(2006年4月5日をもって運営終了)。それは、もともとここの部分にはディズニーワールドと同様にレストランを作る予定だったが、埋立地のため搬入用の地下トンネルがコスト問題で作れなかったからである。現在アトラクション跡地の利用法は発表されていない。
なお、2006年4月から、耐震用の補強工事および塗り替え工事を行っていたが、7月5日に工事は完了し、城下の通路とその周辺が一般に開放された。工事期間中は、作業用の足場が周りに組まれ、シンデレラ城は見えない状態になっていた。また、工事用のカバーには、補修工事期間に開催していたスペシャルイベント「リロ&スティッチのフリフリ大騒動~Find Stitch!~」のデコレーションと同じようなデザインが描かれており、工事中でも世界観を壊さないような配慮がなされていた。10年に1回というその工事により、「シンデレラ城ミステリーツアー」の撤去、城周辺にある緑地・池の整備、シンデレラ城外壁の塗り替えが行われた。外壁は、長年親しまれてきた白色からクリーム色へと変わった(新しい色については英語版ウィキペディアの写真を参照)。
また、2006年9月1日~11月5日、12月26日~12月30日にもシンデレラ城の改装工事が予定されており、シンデレラ城のまわりにフェンスや幕が設置された。シンデレラ城の絵(写真印刷)が現物のシンデレラ城と同じ縮尺で描かれており、幕があることを意識させないようになっている。
この城の周囲にはウエスタンランドからトゥモローランドにかけて堀が造られている。常に大量の水をたたえ、ゲストの心を癒している。1990年頃からは、この堀と芝生の周辺に野生のカルガモが住み始めるようになった。パークに初めて来園するゲストは、それらも精巧なロボット(オーディオアニマトロニクスのこと)だとか、東京ディズニーランドで飼われていると勘違いすると言われている。このカルガモたちはかなりの「おねだり上手」で、ゲストが差し出すポップコーンやチュロスなどを食べるうちに、そのほとんどが他の地域のカルガモに比べて「肥満化」してしまっている。飛行はできるが、着水の際に重くなった体で堀やアメリカ河にダイブするので、その音を聞いたゲストが驚くこともある。なお、カルガモを始めとする野鳥に餌を与えることは、パーク内の規則としては禁止されている。
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