サムライアリ
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サムライアリ | ||||||||||||||||||||
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分類 | ||||||||||||||||||||
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学名 | ||||||||||||||||||||
Polyergus samurai Yano, 1911 | ||||||||||||||||||||
英名 | ||||||||||||||||||||
Slave-making ant |
サムライアリ(侍蟻) Polyergus samurai は、ハチ目(膜翅目)・アリ科・ヤマアリ亜科に分類されるアリの一種。クロヤマアリなどの巣を襲って働きアリやその蛹を攫い、「奴隷」として働かせる習性が知られる。
体長は働きアリが4mm-6mm、女王アリが7mmほど。全身が黒褐色をしている。他のアリに比べて、大顎が鎌状に長く発達する。
北海道、本州、四国、九州に分布し、日本以外では朝鮮半島、中国まで分布する。
サムライアリはクロヤマアリなどの巣を攻撃して働きアリやその蛹を攫い、奴隷として働かせることが知られる。「奴隷狩り」は主に夏の蒸し暑い日の午後に行われる。サムライアリの働きアリは奴隷狩りの戦闘に特殊化しており、女王の世話、卵や幼虫の世話、餌の回収なども行わない。また、奴隷狩りと結婚飛行以外はほとんど地上にも出ない。こうした奴隷狩りの習性は、アカヤマアリのようなヤマアリ属の一部の種など、いくつものアリで知られている。しかしそれらの働きアリは同時に通常の労働にも従事することが多く、自分でほとんど働かないサムライアリやその同属近縁種とは異なる。
結婚飛行は7月上旬頃に行われる。アリの新女王は多くの種では、翅を落とした後に1匹あるいは数匹で働きアリの助けを借りることなく巣を立ち上げるが、サムライアリの新女王は単身でクロヤマアリの巣に侵入し、その巣の女王アリを噛み殺して巣を乗っ取る。勿論クロヤマアリの働きアリは侵入者を攻撃するが、撃退に失敗して自分達の女王が噛み殺されるとサムライアリ新女王の世話を始める。これは新女王がクロヤマアリの女王を噛み殺す際に、皮膚表面の成分を舐め取って女王になりきるためと考えられている。よって新女王の卵はクロヤマアリの働きアリが世話をして成長する。このように他種の巣を乗っ取って新しい巣を立ち上げる習性はトゲアリ、アメイロケアリ、クロクサアリなどでも知られている。
[編集] 近縁種
サムライアリ属(Polyergus 属)は北半球から5種類が知られる。全てが奴隷狩りや巣の乗っ取りを行う。
- P. breviceps Emery, 1893 - 北アメリカ
- P. lucidus Mayr, 1870 - 北アメリカ
- P. nigerrimus Marikovsky, 1963 - シベリア西部
- P. rufescens (Latreille, 1798) - 北アメリカ、ヨーロッパ
- P. samurai Yano, 1911 - 東アジア(サムライアリ)
[編集] 参考文献
- 白石拓「トンデモない生き物たち」宝島社 ISBN 4-7966-5318-X