サドラーズウェルズ
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性別 | 牡 |
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毛色 | 鹿毛 |
品種 | サラブレッド |
生誕 | 1981年4月11日 |
死没 | (現役種牡馬) |
父 | ノーザンダンサー |
母 | フェアリーブリッジ |
生産 | スウェッテナム牧場 |
生国 | アメリカ |
馬主 | ロバート・サングスター |
調教師 | ヴィンセント・オブライエン |
競走成績 | 11戦6勝 |
獲得賞金 | 461,737ポンド +400,000フラン |
サドラーズウェルズ(Sadler's Wells)は、アイルランドの競走馬・種牡馬。主な勝ち鞍はアイリッシュ2000ギニー、アイリッシュチャンピオンステークス、エクリプスステークス。引退後は父の後継種牡馬として活躍し、イギリス・アイルランド、フランスで計17回チャンピオンサイアーを獲得した。
父は大種牡馬ノーザンダンサー、母はアイルランドで2戦2勝のフェアリーブリッジ、牝系は名門ソング系という良血。伯父に種牡馬として成功を収めたヌレイエフ、近親に日本に種牡馬として輸入されて活躍馬を出したジェイドロバリーがいる。名前の由来はロンドンにあるサドラーズウェルズ劇場から。全弟フェアリーキングも種牡馬として成功した。
目次 |
[編集] 戦績
名伯楽ヴィンセント・オブライエンに預けられると、1983年9月17日にレパーズタウン競馬場でデビューした。このレースで勝ち上がると、続くベレスフォードステークスを6馬身差で勝利し2歳シーズンを終えた。
3歳クラシック路線はグラッドネスステークスで同厩のエルグランセニョールに敗れたことでアイリッシュ2000ギニーからジョッケクルブ賞(フランスダービー)という裏路線に回ることになり、エプソムダービーへは出走していない。アイリッシュ2000ギニーはダービートライアルステークスを叩いて挑み、プロシーダや後のエプソムダービー馬セクレトを破り勝利し、続くジョッケクルブ賞は距離不安から3番人気に留まったもののダルシャーンの2着と善戦している。その後はエルグランセニョールが引退したことでサドラーズウェルズに注目が集まり、さらにエクリプスステークスをレースレコードで勝つと、厩舎のエースとしてキングジョージ6世&クイーンエリザベスダイヤモンドステークスに出走したが、前年のエプソムダービー馬ティーノソの2着に敗れた。この後ベンソン&ヘッジズゴールドカップ4着、フェニックスチャンピオンステークス(アイリッシュチャンピオンステークス)1着、凱旋門賞8着とし、凱旋門賞を最後に引退した。
現役時代はマイルから中距離に距離適性があり、2400メートルのレースでは勝利していない。
[編集] 競走成績
1983年(2戦1勝)
- ベレスフォードステークス
1984年(9戦5勝)
- フェニックスチャンピオンステークス、エクリプスステークス、アイリッシュ2000ギニー、ダービートライアルステークス
[編集] 種牡馬時代
引退後はアイルランドのクールモアスタッドで種牡馬入りした。1990年にイギリス・アイルランドリーディングサイアーを獲得すると翌々年の1992年から2005年にデインヒルに敗れ3位になるまで、10年以上にわたってイギリス・アイルランドの種牡馬リーディング1位を保持し続けた。ついには更新不可能といわれた18世紀の大種牡馬ハイフライヤーの13回の記録を2004年に更新し、通算14回とした。フランスでも3度(1993年、1994年、1999年)チャンピオンサイアーを獲得している。
産駒はGI馬だけでも60頭以上おり、とてもここで全てを挙げることはできない。代表産駒はモンジュー(凱旋門賞、アイリッシュダービー、ジョッケクルブ賞、キングジョージ6世&クイーンエリザベスダイヤモンドステークス、仏チャンピオンサイアー)、ガリレオ(エプソムダービー、アイリッシュダービー)、ハイシャパラル(ブリーダーズカップ・ターフ2回、エプソムダービー、アイリッシュダービー、アイリッシュチャンピオンステークス)などである。
日本競馬においては産駒があまり成功しておらず、ステイヤーズステークスに勝ったサージュウェルズが唯一の重賞ウィナーである。むしろ母父(ブルードメアサイアー)としての活躍が目立っており、エルコンドルパサー(NHKマイルカップ、ジャパンカップ、サンクルー大賞、凱旋門賞2着)やフサイチコンコルド(東京優駿)、シーザリオ(優駿牝馬、アメリカンオークスインビテーショナルステークス)、ヘヴンリーロマンス(天皇賞(秋))等、多数の名馬を母父として送り出している。
近年は産駒が後継種牡馬として活躍し始め、モンジューは初年度産駒が英愛ダービー、凱旋門賞を制すなど後継候補の座を確立、エルプラドがアメリカチャンピオンサイアーとなっている。日本でもオペラハウスがテイエムオペラオーやメイショウサムソンを出すなど、勢力が広がりつつある。
直系子孫についてはノーザンダンサー系のSadler's Wells以下を参照のこと。
[編集] 主な産駒
- モンジュー(凱旋門賞、アイリッシュダービー、ジョッケクルブ賞、キングジョージ6世&クイーンエリザベスダイヤモンドステークス、仏チャンピオンサイアー)
- ハイシャパラル(ブリーダーズカップ・ターフ2回、エプソムダービー、アイリッシュダービー、アイリッシュチャンピオンステークス)
- ガリレオ(エプソムダービー、アイリッシュダービー)
- イスタブラク(チャンピオンハードル3回)
- カーネギー(凱旋門賞、サンクルー大賞)
- オペラハウス(キングジョージ6世&クイーンエリザベスダイヤモンドステークス、エクリプスステークス、コロネーションカップ)
- インザウイングス(ブリーダーズカップ・ターフ、コロネーションカップ、サンクルー大賞)
- サルサビル(エプソムオークス、アイリッシュダービー、1000ギニー)
- バラシア(アイリッシュ2000ギニー、ブリーダーズカップ・マイル)
- ノーザンスパー(ブリーダーズカップ・ターフ、オークトゥリー招待ハンデキャップ)
- エルプラド(ナショナルステークス、米チャンピオンサイアー)
- キングスシアター(キングジョージ6世&クイーンエリザベスダイヤモンドステークス)
- ドワイエン(キングジョージ6世&クイーンエリザベスダイヤモンドステークス)
- オールドヴィック(アイリッシュダービー、ジョッケクルブ賞)
- イントレピディティー(エプソムオークス、ヴェルメイユ賞、サンタラリ賞)
- アレクサンドローヴァ(エプソムオークス、アイリッシュオークス、ヨークシャーオークス)
- ドリームウェル(ジョッケクルブ賞、アイリッシュダービー)
- エバディーラ(アイリッシュオークス、ロワイヤルオーク賞)
- イマジン(エプソムオークス、アイリッシュ1000ギニー)
- イズリントン(ヨークシャーオークス2回、ブリーダーズカップ・フィリー&メアターフ、ナンソープステークス)
- カイフタラ(アスコットゴールドカップ2回、アイリッシュセントレジャー2回)
- ビートホロー(パリ大賞典、アーリントンミリオン、ターフクラシックステークス、マンハッタンハンデキャプ)
- キングオブキングス(2000ギニー、ナショナルステークス)
- アントレプレナー(2000ギニー)
- リフューズトゥベンド(2000ギニー、エクリプスステークス、クイーンアンステークス)
- イェーツ(コロネーションカップ、アスコットゴールドカップ)
- パワーズコート(アーリントンミリオン、タタソールズゴールドカップ)
- ダリアプール(コロネーションカップ、香港ヴァーズ)
[編集] 血統表
サドラーズウェルズの血統 (ノーザンダンサー系/Hyperion4×5=9.34%) | |||
父
Northern Dancer 1961 鹿毛 |
Nearctic 1954 黒鹿毛 |
Nearco | Pharos |
Nogara | |||
Lady Angela | Hyperion | ||
Sister Sarah | |||
Natalma 1957 鹿毛 |
Native Dancer | Polynesian | |
Geisha | |||
Almahmoud | Mahmoud | ||
Arbirator | |||
母
Fairy Bridge 1975 鹿毛 |
Bold Reason 1968 鹿毛 |
Hail to Reason | Turn-to |
Nothirdchance | |||
Lalun | Djeddah | ||
Be Faithful | |||
Special 1969 鹿毛 |
Forli | Aristophanes | |
Trevisa | |||
Thong | Nantallah | ||
Rough Shod F-No.5-H |