コア・ファイター
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コア・ファイター (CORE FIGHTER) は、アニメ『機動戦士ガンダム』を始めとする「ガンダムシリーズ」に登場する、架空の小型戦闘機である。コア・ブロック (CORE BLOCK) と呼ばれる"核"に変形し、モビルスーツの胴体に収納され、コクピット兼脱出カプセルとして使用される。コア・ブロック形態時も、ジェネレーターは使用されるがその推進装置はコア・ブロック形態時にデッドウェイトとなってしまう為、その解決策としてバックパックも兼ねたタイプも考案された模様(それについては後述)。
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[編集] 宇宙世紀におけるコア・ファイター
『機動戦士ガンダム』等の舞台となる宇宙世紀におけるコア・ファイターは、一年戦争時代に地球連邦軍が開発したのが始まりである。
[編集] 一年戦争期におけるコア・ファイター
最初のコア・ファイターは、V作戦によって作られた地球連邦軍のRXタイプモビルスーツ(RX-75 ガンタンク、RX-77 ガンキャノン、RX-78 ガンダム)に採用された。開発はハービック社。(型式番号:FF-X7)
このコア・ファイターには教育型コンピューターが内蔵されており、モビルスーツが損傷しても実験データを回収するために開発された。しばしばパイロットの生存率の向上のために開発されたと思われがちだが、元々は実戦に投入される予定のない実験機に搭載されているため、正確には誤りである。元々、コア・ファイター・バリエーション開発計画(CFV開発計画)は、地球連邦軍の主軸となる戦闘機を開発するための計画であり、コア・ファイターとは中核戦闘機の意味である。そのため、通常の戦闘機としても優秀な機体であった。
- そもそもは『機動戦士ガンダム』の企画にあたって、番組スポンサーである玩具会社クローバーが「合体・変形」する巨大ロボットを求めたためにそれに対応するために提案されたものである[1]。放送当時の玩具展開においては、ガンダム・ガンキャノン・ガンタンクの三機相互で上半身と下半身をコア・ブロックを介して組み替え可能にするという遊び方が提案されていたが、劇中ではこのような描写は取り入れられてはいない。その後番組のてこ入れにGアーマーが登場してコア・ファイターはこのパーツの一部ともなったが、劇場版映画ではこれに替わってコア・ブースターが登場している。
- 安彦良和による『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』では当初コア・ブロック・システムは搭載されておらず、コア・ファイターは単なる艦載機である。しかし演出上の必要[2]から後にコア・ポッドという脱出用小型機を組み込むこととした。
[編集] 一年戦争以後のコア・ファイター
その後、運用コストや全天周囲モニターの開発で脱出ポッドが一般化したため、ガンダム試作1号機・ガンダム試作3号機[3]を最後に採用されることが無かったものの、第一次ネオ・ジオン抗争時にアナハイム・エレクトロニクス社が開発した、エゥーゴ所属のΖΖガンダムに久々に採用されている(非常に狭いが、一応コクピットは全天周囲モニターとなっている)。これは、ΖΖガンダムが高出力を目指して開発を進められたことによりコア・ファイターを含めた分離後の3機にそれぞれジェネレーターを搭載、合体時に3基の出力を併せ出すというプランを採用したためで、ΖΖガンダムの再設計機であるSガンダム(こちらはGコアと呼ばれる)にも採用されたが、後継機が続かず再び姿を消すこととなる。
その後は、秘匿されたガンダム開発計画のコア・ファイターの設計案の封印が解かれたのかどうかまでは定かではないが、ネオガンダムやクラスターガンダムにコア・ブロック時にデッドウェイトとなるコア・ファイターの推進装置がモビルスーツの推進装置を兼ねるタイプが採用され、結果的に戦闘機としてより性能が上がることになる。そのコンセプトはクロスボーン・ガンダム、フリントにも継承された上、その後のVガンダム、V2ガンダムではさらに頭部ユニットも内蔵することにより、光学系照準装置やアンテナなども集約したタイプが採用されている。いわばモビルスーツそのものがコア・ファイターといっても過言ではないレベルにまで進歩している。
[編集] 正暦におけるコア・ファイター
∀ガンダムのコア・ファイターは、胴体ではなく腰部前部に装着されている。
[編集] その他
この他、コア・ファイターに類似した装備として、『機動武闘伝Gガンダム』にはコア・ランダーと呼ばれる小型浮上式車両が、『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』にはコアスプレンダーと呼ばれる小型戦闘機が登場している。前者は一部のモビルファイターの、後者はインパルスガンダムの装備である。
[編集] 脚注
- ↑ 講談社「ガンダム者 ガンダムを創った男たち」 2002、P200
- ↑ 角川書店「機動戦士ガンダム THE ORIGIN 公式ガイドブック」 2004、P84
- ↑ ガンプラ・マスターグレード版で設定されたものが『GUNDAM EVOLVE』に登場している。